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INTERVIEW

生牡蠣いもこ(神使轟く、激情の如く。)

2022.04.15UPDATE

2022年04月号掲載

生牡蠣いもこ(神使轟く、激情の如く。)

メンバー:生牡蠣いもこ GODちゃん

インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by fukumaru

激ロックにて神激(神使轟く、激情の如く。)の個別インタビュー連載企画が始動! その第1回目に、オリジナル・メンバーであり、神激のメッセンジャーでもある生牡蠣いもこが登場した。なお本企画には、神激7人目のメンバーであり、音楽面ほかの制作にも深く関わるマニピュレーターのGODちゃんも参加。日本武道館単独公演を終えてからまだ日が浅いとある日に、話を訊いた。

-神激への取材は初登場の2019年から何度もやってきましたけど、ソロ・インタビューは初めてですね。音楽媒体でのソロ・インタビューはあまり経験がないんですか?

いもこ:ないですね。初めてです。

-ちなみに、以前はインタビューに苦手意識がありましたか?

いもこ:今もあります(笑)。終わったあとに反省していることが多くて。メンバーともよく反省会をしますし、ひとりでもよく反省しています。自分の想いを突発的に上手く話すのって、緊張すればするほどできなくて。そういうときは三笠(エヴァ)がいつも助けてくれるんですよね。気持ちを汲み取ってくれるのがマジで上手いんですよ。でも、今日は三笠がいないのでどうしようかなと(笑)。

-初めて取材をしたときから比べると、ずいぶん話せるようになったと思いますけどね。

いもこ:え、本当ですか? 何がきっかけなんでしょうね。

-単純に経験を重ねてきたこともあると思いますし、以前、強がって書いていた歌詞に自分が近づいてきたと言っていたじゃないですか? そういうふうに、インタビューという面でも、いもこさん自身に変化があったんじゃないかなと。

いもこ:たしかに。自信を持って"こうなんですよ"と言えなかった部分がもともとあったんですけど、今はメンバーも固まって、神激としての変化も大きかったじゃないですか? 神激としての自信も出てきたし、自分自身の自信も出てきたから、自分を表現するのがより上手になったのかなとは思います。

-歌詞だけじゃなくて、インタビューでも強がっていた。

いもこ:そうですね。あとは、ちょっと恥ずかしい自分がいるというか、照れ臭い自分もいたんだと思います。

-MCでは堂々と話せていますけど、インタビューとはまた違うんですね。

いもこ:MCでは、初めて観る人もいると思うんですけど、基本的には自分のファンの人が観てくれている状況なので、ちょっとした安心感みたいなのがあるんです。だけど、インタビューって誰が見るかわからないから、そう思うとどんな言葉で表現したらいいんだろうって考えすぎちゃって。考えすぎな性格が空回りをしてしまうというか。インタビューとMCは同じというか、そのインタビューでインタビュアーさんに伝えられなかったら、MCでも伝えられないと思うんです。インタビューのあとは毎回反省会をしていたんですけど、最初のころよりメンバーの意識が変わりました。当時のインタビューは、聞かれたことだけを答えるみたいなスタンスだったんですけど、後半になるにつれて、言われたことに対してプラスアルファをつけて、アピールできることがあったら自分たちのプレゼンをするみたいなことが、ちょっとずつできるようになったと思います。

-インタビューの受け答えもMCも成長を重ねてきているんですね。さて、神激は初の日本武道館ワンマン("宣戦布告")を終えたばかりなのですが、公演後から今日までの日々はどう過ごしていましたか?

いもこ:ようやくちゃんとした睡眠が取れたなって。睡眠を取る時間は十分に貰っているんですけど、武道館前日は、緊張しすぎて"この時間は本当に寝ていいのか?"という自分もいたし、いろんな感情が混ざりすぎちゃった結果、何を考えていいのかわからなくなって、布団の中で寝れない時間がずっと続いていたんです。武道館が終わって、気が抜けたわけではないんですけど、ちょっとはリラックスできるようになりました。

-もちろん毎回のライヴに本気でぶつかっていると思うんですけど、それでも武道館には特別なものがあったんですね。

いもこ:そうですね。デビュー当時から決めていたし、自分の中でも決めていたことなので、みんなにとっても自分的にも大事な日だというのはわかっていたから。普段のライヴも大事なんですけど、武道館は特に大事な日ではありました。

-メンバーのライヴ前の様子はどうでしたか?

いもこ:私と同じ状況だったメンバーが大半だと思います。けど、それ以上に、緊張よりも緊張をほぐすために何をすればいいんだろうっていう行動のほうが大事だったと思っていて。例えばチラシ配りをして、いろんな人に来てもらえるようにアピールしたり、MCの内容はがっちり決めるわけじゃないんですけど、自分は神激として何を伝えるべきなのかを細かいところまで打ち合わせしたりとか。あと、普段は立ち位置をあまり決めないんですけど、今回はスポットライトの関係もあって、詰めるところはしっかり詰めて、自由なところは自由に、みたいな打ち合わせを念入りにしました。より真剣にライヴに向き合っていたと思いますね。

-そうして本番を迎えたわけですが。

いもこ:最初はめちゃくちゃ緊張したんですよ。ステージに出る前って一番緊張するじゃないですか? でも、武道館ってすごく広いのに人の顔がしっかり見える会場で、前を見たら知っている人の顔があったりしたから、途中からはあんまり緊張しなかったというか、安心感はありましたね。

-これまでのインタビューでも、ライヴは1対多じゃなくて1対1だと話していましたけど、それは武道館でも変わらなかった。

いもこ:変わらずにありましたし、ひとりが欠けてもできなかった武道館だなと思いながら歌わせてもらいましたね。

-当日で特に印象に残ってることはありますか?

いもこ:やっぱり、ずっとやりたかったモニターに歌詞を映し出す演出を初めて実現してもらったことですね。ステージに立っていて、ちょっと振り返った瞬間に歌詞が出ていたりすると、より泣けてくるなと自分でも思ったし、それを観て泣いている人もいました。言葉の力ってこれだけデカいんだなというのは、武道館に立って、それを初めて実現できて感じましたね。

-歌詞を映すのは、満を持しての武道館での演出だったんですか?

いもこ:いつでも良かったんですけどね。武道館のステージは広いので、モニターを3個つけたんです。モニターを出したのも初めてだったので、出したからにはと思って、いい感じのところだけ歌詞を入れました。"MVと歌詞が同時に出てくるのもエモい"という感想を貰いましたね。"現実と重なっている感じがいいね"って。

-現実と重なっている?

いもこ:武道館での伏線回収じゃないですけど、そのときから武道館のためにあっただろ、みたいな歌詞がガンガン入っていましたね。

-なるほど、そういう意味ですか。そうした初の試みを入れた武道館公演でしたけど、ライヴ後は"やりきった"という感覚でしたか?

いもこ:まだ反省会をしていないんですけど、正直、反省するところが多すぎて。いい意味で言えば伸びしろと呼ぶと思うし、自分の中で直していかないといけない改善点はたくさんあったので、今後に期待ということで......(笑)。

-具体的には、例えばどんなところが?

いもこ:緊張するにつれてテンポ感が自分の中で狂ってきちゃって、いつもできることができないとか、単純に動きがダサいという(笑)。もともと音に乗る感覚を持っていない人間なので、例えばラップを聴いていて、縦に揺れるとか横に揺れることができる人っているじゃないですか? その感性を根本的に持っていないので、それが自分の中での課題なんです。

-では、ここは良かったなという点は?

いもこ:武道館だからって変に飾りすぎずに、自分の言葉で伝えられたのかなというのはありますね。大きい舞台って、無駄にはりきっちゃったり、余計な言葉を言っちゃったりしがちだと思うんですけど、気取りすぎるのは自分らしくないなと思っていたんです。等身大の自分で、みんなの前で話せていたのかなと思います。

-たしかに、モニターなど新しい演出もありつつも、根本の部分はライヴハウスで観るいつも通りの神激を、そのまま大きなスケールで出せているような感覚があって。

いもこ:いつも通りの神激というのが、常に挑戦し続けるという意味でもありますからね。

GODちゃん:これだけライヴ本数が多いので、神激にはライヴ力がめちゃくちゃついていると思っていて。バンドとかと比べても圧倒的にあると感じるんです。10年やってるバンドと対バンしても、向こうのほうが全然キャリアもあるし、すごいなっていう部分はあるんですけど、総合力で負けていないことも全然あって。それって、凝縮された経験値の積み重ねだと思うんですよ。月に20本もライヴをしたら、嫌でもパワーは増してくると思うし、その20本すべてのライヴで同じことはやらずに、常に挑戦をしているんです。ここの曲間をこうしてみようとか、メンバーもここでこういう煽りしてみようとか、ここは歌わずにこうしてみようって、全部のライヴにところどころ入れているんですよ。

-はい。

GODちゃん:それを毎月20~30本、年間で100~200本とやっているので、武道館でやった特殊演出は正直ないんですよね。まぁSEとかは新たに作ったものなんですけど、言ってしまえばSEくらいで。それ以外の、例えば「生まれ変わっても自分になりたい」(2020年11月リリースの16thシングル)で中MCをしたり、「自己都合主義メタモルフォーゼ」(2018年リリースの6thシングル)から「合法トリップ:ボイルハザード」(2020年9月リリースの14thシングル)で、バンドではできないような繋ぎ方をしたり、よいこ(二日よいこ)の「BAD CAKE」(2021年4月リリースの18thシングル)の無音ラップとかも、ああいうのは全部1回か2回はどこかでやっているんです。これだけライヴをやっている神激だからこその経験値、積み重ねを出しています。だから、おっしゃったように"普段やってることをやっただけ"というのは、その通りだなと思います。

-ライヴを観ていて、普段通りの神激でいいんだなと思いましたね。ところで、いもこさんは最後の「Supernova」(2019年11月リリースの11thシングル)で涙を流していました。あの涙の意味は?

いもこ:泣けるポイントってめちゃくちゃあって。初っ端から泣こうと思えば全然泣けたんですよ。なんならリハーサルでもガンガンに泣いていて。でも、泣くと喋れなくなっちゃうし、「不器用HERO」(2019年10月リリースの10thシングル)という大きな役目があるので気を張っていました。ようやく泣いていいと思ったときに、涙腺が全力崩壊して。あと「Supernova」って、ゆっくり見渡せる曲じゃないですか? ひとりひとりの顔を見ていたら、ここまでやってきて良かったという安心感と、これから頑張ろうとか、いろんな気持ちが混ざって涙が出てきました。ありがとうの気持ちで泣きましたね。

-その「不器用HERO」のMCは特に印象的でした。"最初は強がりだっていいんだよ。その強がりで吐いた言葉が、いつか君が見ている世界を変えていくから"という神者(※神激ファン)へのメッセージでしたね。

いもこ:武道館に向けてのMCを考えたときに、やっぱりいろいろ振り返るじゃないですか? 自分のことを振り返ったときに、弱音を吐いても強く生きてきたのが自分だから、それを言葉にしようと思って、そういうMCになったんでしょうね。

GODちゃん:神激って曲ひとつ取ってもかなりストーリーがあるグループだと思っていて。今回「宣戦布告」(2017年リリースの1stシングル)の歌詞にも、MCで言った強がりなワードが1ヶ所だけ書いてあるんですよ。強気な歌詞、宣戦布告ワードがバーッと入っているんですけど、最後に"そう言い聞かせて"って、MCで言った"強がり"が書いてあって。曲を発表したときからそういうふうに言っていて、今回の MC で話して、タイトルも"宣戦布告"ですし。そういうのって、神激のストーリーを追ってる、神激の歌詞を見ている人からしたらエモい部分だなと、MCを聞いていて思いました。

-ちなみに、最初の楽曲である「宣戦布告」を武道館公演のタイトルにしたのは?

いもこ:"宣戦布告"だからです(笑)。ここからというか、武道館がゴールみたいなものではなくて、ひとつの通過点。その先の(幕張)メッセもやりたいし、横浜アリーナもやりたいし、いつかドームもやりたいので。メンバーにも、武道館に立って終わりとか思ってる人は誰もいないんです。"普通の人たちがゴールとしているものは通過点ですよ"って、そういう皮肉とか希望とかも全部込めたうえで、武道館であえての"宣戦布告"です。"ここからがスタート"じゃないですけど。

-少なくともゴールではないわけですね。ことの(実久里ことの)さんも"やっぱり声が聞きたい。あんたらと一緒に私は歌いたい。だからさ、武道館、もう1回やろうよ"と言っていましたし。

GODちゃん:簡単に言うなよとは思いましたけど(笑)。でも、やりたいですね。ライヴ的には大成功ですし、今までで一番カッコいい神激が出せたんですけど、まだまだやり残してることたくさんあると思うので、だから4年後なのか5年後なのかはわからないですけど、今度は満員の武道館でやりたいというのは、チームの目標にもなりましたね。

-いもこさんも同じ気持ちですか?

いもこ:まだ空いている席があったので、自分らの力でなんとか埋められるようになってから戻りたいと思いますね。そのためにできることは何かを探そうって、武道館が終わってすぐにメンバーでも話しました。今後の幕張に向けてもそうなんですけど、さらにステップアップしなきゃいけないし、このまま同じことを続けていていいのだろうかって。神激は成長スピードがめちゃくちゃ速いんですけど、それ以上に誰かから注目してもらえるきっかけって、どうやったら作っていけるんだろうという話はすでにしています。

-通過点だと本心で思えているからこその行動ですね。

いもこ:そうですね。"終わった"で済ませないのが神激だと思います。