INTERVIEW
神使轟く、激情の如く。
2023.10.11UPDATE
2023年10月号掲載
Member:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 三笠エヴァ 二日よいこ TiNA
Interviewer:宮﨑 大樹
今年2023年5月に初の幕張メッセでのワンマン"GOD MAKE ERA"を開催し、9月には主催フェス"6th Anniversary Live『GOD FEST. 2023』"を成功させるなど、ロック・シーンでますます存在感を放っている神激こと"神使轟く、激情の如く。"。これらの経験を経て、彼女たちはさらに頼もしい存在になりつつあるようだ。来年には初のZeppツアー"Zepp Tour ~神巡り~"も控えている神激メンバー全員に、幕張ワンマンや主催フェスの振り返り、そしてツアーへの想いを訊いた。
神激というものがこのメンバーで確立したからこそ、自由に遊び要素を入れる余裕ができた
-5月に開催した幕張メッセでのワンマン"GOD MAKE ERA"は振り返ってみてどうでしたか?
ことの:神激らしく自由さが出たなと思って。声を出せる状況でしたし、フロアではサークルを作って走り回ったりして自由だったし、メンバーも全身タイツを着たいからぶち込んでみたり、フロアもステージもそれぞれのやりたいことを体現できたんじゃないかなと。
よいこ:最初のMCで自分が言っていた、"今日はうちらが一番幸せになってもいいんじゃない?"っていう言葉があったんですけど、そこに全部詰めたつもりで。今までのワンマン・ライヴって、最終試験みたいな感じで自分は捉えていたんです。そのときまでやってきたことをいかに出せるか。だからワンマンは"緊張するもの"という印象が大きかったんですけど、今回の幕張は学園祭みたいに感じられて、その日までの結果を評価されるんじゃなくて、いかにその日を楽しくできるかやってみようよ! っていうご褒美のような日でした。こう思えたのも準備段階に今までのワンマン・ライヴより関わることができたというのが大きいかなと思います。運営さんに任せっきりでやっていただいていたことも少しずつわかってきたりもして、おんぶに抱っこの状態から少しづつ足で歩く楽しさと大変さを知っていっているような感じです(笑)。
-殻をひとつ破ったみたいな。
ことの:とらわれていたものから解放された感じで。そうすると自分たちももっと楽しくなるんです。こっちがテンション上がれば自然とフロアも上がるし、いいサイクルに入れた感じがしました。
-あまねさんは幕張をどう振り返りますか?
あまね:今回「黎明ジャンヌダルク」(2023年3月リリースの24thシングル)の最後の自分のパートで、花道を通って語りながらシャウトするという、超絶めちゃめちゃ緊張するゾーンがあって。そこが印象に残っているし、緊張したし、楽しかったですね。真ん中にいるとみんなの顔がより見えるので、いろんな想いが込み上げてくるし、叫びにも想いがこもっていたと思います。
-TiNAさんはどうですか?
ことの:TiNAは「(神奏曲:)インフェルノ」(2021年リリースの19thシングル)が本当に良かった。
TiNA:今回の幕張では「神奏曲:インフェルノ」という楽曲の頭で、ことの、TiNAがアカペラでサビを歌ってから曲に入るセクションがありました。アカペラを歌い上げるために普段とは違った声の使い方、歌うときのグルーヴ感、語尾の伸ばし方ひとつなど、たくさん自分なりに研究して本番に挑みました。そのぶんすごく今までにない緊張がありましたね。神激はこういったハイライトとして思い出せる演出やストーリーをライヴにおいても楽曲においてもとても大切にしているので、今回もこのセクションがまたひとつ、ファンのみなさんの記憶に残っていたら嬉しいなと思います。
ことの:神激のワンマンって、もちろんずっと応援してくれたファンの方もたくさん来てくれるんですけど、ビラ配りとかをしているのでワンマンで初めて来る人も多いんですよ。そういう人たちって神激メンバーのことがわからないわけじゃないですか? この子は何が得意で、何が好きなのかをわからない人たちにも、ちゃんと神激というものが、メンバーというものが伝わることがしたいなと思って。私はTiNAの歌が本当に好きなんですよね。だからTiNAの歌を際立たせるところが欲しくて、こういうことがやりたいですと案を出して。結局一緒にやったんですけど、自分も歌っていて幸せだったし、ファンの人も"すごく良かった"と言ってくれました。
-自分たちでやりたいことを発信して実現できるって、いいライヴですね。
いもこ:神激というものがこのメンバーで確立したからこそ、自由に遊び要素を入れる余裕ができたというのが今回めちゃくちゃ感じるポイントでしたね。
ことの:今までは"カッコいい神激でいなきゃ"みたいに自分たちで縛りすぎちゃっていて。ライヴ中で遊んだりするところはあんまり見せなかったんですけど、そこも自分たちじゃないですか? 自由にやりたい、ちょっとふざけたいという、自分たちの"らしさ"をもっと出せたのかなって思いました。
いもこ:振り切ったほうがファンの方って案外喜んでくれるんですよね。
-私も現場にうかがっていましたけど、あの日はいもこさんのMCも印象的でした。
いもこ:ありがとうございます。日本武道館("宣戦布告")ぐらいまでって、自分の中で神激としてちょっと安定してきた時期というか、落ち着いてきた時期でもあって、悪く言えば自分の中で平和ボケしていたんですよね。で、武道館から幕張の1年間の中で親が亡くなって、その中で改めて自分と向き合う時間を貰って、自分が何したかったんだろうとか、何を話したくてここにいるんだろうと考えたときに、やりたいことが増えてきて。それを踏まえて自分がどうしていきたいかの覚悟を幕張で話した感じです。そういう気持ちが幕張でドーンと出ましたね。感情的になっちゃうとストッパーみたいなものが外れちゃうので、うまく話せていたかは正直わからないんですけど、"伝わったよ"と言ってもらえることが多かったので、あれはあれで良かったんだなと終わってから思います。
-感情のままに話していたのは伝わりましたし、それこそが神激のMCの魅力だと思います。幕張のあとに夏を迎えたわけですが、今年の夏の神激での活動については、どう振り返りますか?
エヴァ:自分の中ではまだ夏が終わっていないんですよ(笑)。去年は夏に"サマソニ(SUMMER SONIC)"があって、今年は"イナズマロック フェス"が決まっているので、そこまでは自分の中では夏なんですよね。まだ夏真っ最中な感じがします。なので夏の振り返りはしていなかったんですけど、今まではこちらからバンドさんにアプローチして、"一緒にやってくださいませんか?"って感じでやってきたんですが、今年の夏はあちらから自主企画に呼んでいただくこともすごく増えてきて。MAYSON's PARTYさんとか、あとはバクシン(バックドロップシンデレラ)の渉(豊島"ペリー来航"渉/Gt/Vo)さんがやっている"梅雨将軍"さんとか、そういうのがどんどん増えてきたことで、ずっと片思いだったのがちょっとずつ両想いになりつつあるのかなと思います。今まで激ロックさんで繋いできたご縁がここに来てめっちゃ発揮されてきているなと。時間をかけて絆というか、仲の良さをどんどん育めたのが、自分の中では嬉しい夏でした。
-たしかにバンド主催の企画に呼ばれることが増えましたよね。昔はバンドとの対バンに特別感がありましたけど、今はいい意味でそれが日常になってきたというか。神激はロック・シーン、バンド・シーンにいるんだなという印象に変わってきた感じがします。
エヴァ:去年は"入り込んでいくぞ"という勢いをつけていたけど、今年はロック・シーンに入り込んだその中で、どうやりくりしていくかを考える時期だったかなと思いますね。