INTERVIEW
魔訶不思議変革者 -デスデス-×神使轟く、激情の如く。 座談会
2024.12.26UPDATE
2024年12月号掲載
魔訶不思議変革者 -デスデス-(以下:デスデス)と神使轟く、激情の如く。(以下:神激)。本格派ラウドロックを軸にシーンで存在感を放つ、激ロックでもお馴染みのグループ同士による座談会が実現した。これまでに数多くの対バンを重ねてきた2組。彼女たちからは、先輩後輩でありつつも、むしろ良きライバル関係のようなリスペクトが感じられた。
魔訶不思議変革者 -デスデス-:藍夢 霙 NANAI 月姫 澪乃 依杯 おをい なまけ・もの 不二子 天嶺 まお
神使轟く、激情の如く。:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 三笠エヴァ 二日よいこ TiNA
Interviewer:宮﨑 大樹
Photographer:杉本健太
-デスデスと神激ってよく対バンしていますけど、そもそもどういう関係性なんですか? 事務所が一緒とか?
いもこ:事務所は違うんですよ。大元は一緒なんですけど、事務所という意味では別です。
-となると、単純によく対バンする仲間みたいな?
ことの:そうですね。
エヴァ:とはいえデビューのときからずっと観ているので、やっぱり思い入れはありますね。後輩のようでありながらライバルのようであり、どこか同志みたいな感じがします。これからもたくさん対バンをやっていくので、関係性をもっと深めていけたらいいなって。
-初めての対バンはデスデスのフル・デビュー・ライヴ("退屈な日常、破壊にきました。")ですよね?
おをい:デビュー・ライヴのときにオープニング・ゲストで出演していただきました。そのときの僕たちは、まだ右も左も分からないような状態だったので、リハーサルのときからもう圧倒されてしまって。
いもこ:うちらのリハーサルが終わった後に拍手してくれたんです(笑)。リハーサルで拍手されたのは初めてのことで、新しいなぁと(笑)。すごく礼儀正しい子たちなんだろうなって、その瞬間に分かりました。
まお:本当にすごすぎて。ライヴを1本観たくらいの感覚でした。私たちのリハーサルのときは、"あ、お願いします......。えっと、マイク1番です......!"みたいな感じだったんですけど、"神激さんはリハが上手いなぁ~"と思って。すごかったんです、本当に。
霙:そのリハーサルで、神激さんと対バンするということをやっと実感できた感じがありました。神激さんはもともとライヴを何回か観させてもらっていたので、ライヴのリハーサルを観たときに"本当に近くにいるんだ、どうしよう"みたいな感じで(笑)。
おをい:その日のライヴでは、いもこさんがMCで僕の名前をいじってくださったんです。
いもこ:"依杯おをい"って文字にすると"おっぱいいっぱい"に見えるよね、みたいな話をしたら微妙な空気になりました(笑)。初対面でいじれる感じも雰囲気作りもできてないなかで、突然のおっぱいはちょっときつかった......。でも、どうしても言いたかったんです!
おをい:美味しいなと思いました(笑)。
いもこ:じゃあ今後使っていいよ! でも下ネタ絶対ダメだよね?
-いないんですか? 下ネタ担当。
おをい:たぶんデスデスはそういうのダメです(笑)。
いもこ:うちだけ、というか私だけ特別です。"他のグループを汚染しないでくれ"って、よく言われます(笑)。
-神激から観たデスデスのデビュー・ライヴはどうでした?
いもこ:初めてとは思えないクオリティで、"これはヤバい"って。心が奮い立たされるものがありましたね。みんながそれぞれいろんなところで活動していたのかな? と思うぐらい、一人一人の個性もすごいし、クオリティも高かったんで正直ビビりました。
-そこから対バンを重ねていくなかで感じることはありますか?
ことの:成長速度がめちゃくちゃ速いんです。対バンをするたびに分かりやすいレベルで成長しているので、そこはすごいなと思います。反省点はすぐに改善して、アイディアはすぐに取り入れて、次のライヴには即出ししているのが分かるんですよ。
-これまで対バンしてきたなかで、特に印象に残っているパフォーマンスやMCってありますか?
もの:「黎明ジャンヌダルク」(2023年リリース)の前のいもこさんのMCでいつもボロボロ泣いてしまうんです。メンバーの皆さんの想いがふわふわ見える感じがしてボロボロ泣いています。
NANAI:目黒ライブステーションのときに、あまねさんが本当に楽しそうにパフォーマンスしていて。そこはちょっと小さい箱なんですけど、その瞬間だけ"ここって幕張だっけ?"みたいに思ったんですよ。
あまね:(※ハートマークを作る)
NANAI:そのときのあまねさんを観てから、どんな箱でも武道館(日本武道館)とかに立っている気持ちでやろうと思えて。あのときのパフォーマンスは今でも忘れられません。
あまね:"楽しそう"だと言ってもらえるのがすごく嬉しいです。昔は"ライヴでお葬式みたいな顔しているね"と言われていたんです。楽しそうにしていたのは自分でも気付いていなかったので、嬉しいです。
不二子:私は舞台裏で神激さんのライヴ見学をしているときに、目が合ったよいこさんが笑いかけてくれた瞬間に、脳内で「Love so sweet」(嵐)が流れてきたのを覚えています(笑)。
よいこ:(笑)私はカッコつけたい人間なので、デスデスちゃんとかが横にいるといつもよりカッコつけているんです(笑)。
-神激側から観た印象的なパフォーマンスはどうでしょう?
よいこ:神激の7周年("神激7th ANNIVERSARY LIVE")のときに後ろで観ていたんですけど、NANAIちゃんとなまけ・ものちゃんがラップの掛け合いをしていたんですね。恵比寿のライヴハウス(LIQUIDROOM)だったんですけど、そこで箱に合わせたラップをしていて、めっちゃテンションが上がりました。この時点でこんなできるんだったら、この子たちの7周年ライヴはえぐいだろうなってそのときに思ったので、これからもどんどんかましちゃってください!
NANAI&もの:ありがとうございます!!
-2組ともパートが別れているグループですけど、自分のパートの相手側は意識しますか?
霙:よく研究しています。私はメイン・ヴォーカルで長い尺を歌わせてもらうことがあるので、ことのさんといもこさんのパートを、サブスクやミュージック・ビデオで研究しまくっていますね。MV撮影ではリップ・シンクのシーンとかをめちゃくちゃ参考にしていました。
おをい:デスデスでは練習中も神激さんに例えるんです。ここはことのさんっぽくとか、ここはエヴァさんっぽくとか、そんな話はちょこちょこ出てきていますね。
-ラップ担当はどうですか?
NANAI:自分もラップをやっているからこそ、よいこさんはこんなに上手に歌えているのに自分って......みたいな感じです。赤色担当でラップ担当なので、お客さんからも比べられることがあるんですよ。"やっぱり先輩はすごいよね"みたいな感じで言われます。いろいろ悩む時期もあったんですけど、よいこさんは唯一無二の声なので、真似するんじゃなくて、今は自分らしく表現しようと思っていますね。
ことの:今なら簡単に倒せますよ、声が出ないんで。
一同:(笑)
よいこ:NANAI ちゃんはもっとお酒を飲むことで完全体の声になると思います(笑)。実はデスデスちゃんと対バンする前から"ラップが上手い子が来たよ"と聞いていて、どんな子が来るんだろうと思っていたんですけど、予想をちゃんと超えてくるNANAI ちゃんがいました。しかも、ラップが1人だと思っていたら、かわいい見た目なのに声が低いなまけ・ものちゃんがいて、ラッパーが2人いるのがカッコいいし、2人の掛け合いもカッコいいから、同じラップ・パートだけど違う色が出ていてすごく良かったです。
もの:最初は普通に歌のパートだったんですけど、ラップ担当になりました。今はよく英語のパートを担当しています。よいこさんのラップってすごく特徴的というか、パっと声を聞いただけでよいこさんだと分かるラップなので、そういうのを目指したいなと思っているんです。あと、神激さんってそれぞれ自然体なのにキャラがある印象で。私たちはまだまだ全員が模索中な部分があるので、自然体でやっているのにすごくキャラが立っているところがすごいなと思っています。
ことの:7年もやっていればキャラは立ちますけど、模索しているときはめちゃくちゃありましたよ。MCもそうだし、歌い方もそうだし、自分が神激の中でどういう立ち位置で、何を表現したらいい分からない時期が長くあって。でもメンバーが固まってライヴしていくうちに、自分はこういうことを伝えたら刺さりやすくて、私にしか伝えられないことがちゃんとあるんだなと理解できたんです。だから、デビューから3ヶ月だったら焦る必要はないし、ライヴを重ねていくうちに掴めると思いますよ。
デスデス一同:ありがとうございます!!