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LIVE REPORT

神使轟く、激情の如く。

2020.09.22 @豊洲PIT

Writer 宮﨑 大樹

"神激"こと"神使轟く、激情の如く。"が結成わずか2周年にしてZepp DiverCity(TOKYO)で開催し、見事にソールド・アウトを記録したワンマン・ライヴ――と、激ロックでライヴ・レポートを執筆したのは1年前のことだった。それから1年後、今回開催された3周年ライヴの会場が豊洲PITで行われたという事実は、神激の勢いが本物であることを証明したと言えるだろう。

8月に妖精かなめが卒業し、6人体制となっていた神激は、マニピュレーターのGODちゃんと共に7人編成でステージに姿を現した。大歓声の中、二日よいこの煽りから「瞬間成仏NEXT YOU→」でライヴがスタート。この日は、新型コロナウイルスの影響により動員数を制限しての開催ではあったが、この場に集った神者(※神激ファンの総称)たちが掲げるメンバー・カラーのペンライトやサイリュームと声援で、人数制限をしていることなど忘れてしまうほどの賑やかな光景と熱量だ。

続いてTiNAのMCから始まった「自己都合主義メタモルフォーゼ」では、身体がビリビリと衝撃を感じるほどの重低音の中で、おなじみのフリースタイル・ゾーンへ。三笠エヴァが魂のこもった煽りでフロアをアゲたかと思えば、二日よいこがラップで揺らし、自由自在にフロアを作り上げていく。続く「神奏曲:テンペスト」では妖精かなめに代わって涙染あまねが強烈なスクリームを豊洲PITで爆発。攻撃力抜群の彼女のスクリームは、神激にとっての新たな武器となりそうだ。

その後も、アクセルベタ踏みで突っ走るようなパフォーマンスで、視認できそうなほどに熱く、濃いエネルギーを放出していくと、ライヴ中盤には実久里ことのが"この夏、いろんなものが奪われました。いろんなフェスが中止になって、野外ライヴで全身真っ赤に焼けたお前らのことも見れてない。普段はうるせぇなって思ってるくらいの蝉の声すら聞かないまま、夏が終わろうとしてんだよ。いつまでも土の中にもぐったままで、眠ったままでいいのかよ。俺はここで生きているって騒ぎたくないかよ豊洲!"と咆哮。これまでも偏見や己自身と闘い続けていた彼女たちだが、今日の彼女たちのライヴは、それに加えて、コロナ禍によって奪われてしまった日常を取り戻そうとする闘いのようでもあった。そうして、今しかないこの瞬間を生きようと宣言する1曲「夏声蝉時雨」を投下。壮大なイントロからアグレッシヴなエレクトロニコアへ急旋回していく曲に乗せて、エモーショナルな夏の歌を響かせた。

ここから「風Zing!雷Zing!」を経て、生牡蠣いもこのMCへ。"メンバー、スタッフ、共演者しかいないフロア50人の場所から始まったのにさ、今ようやくだよ、豊洲PITに辿り着いたんだ! この中にも夢持ってるやつらいるんだろ? 諦めるんじゃねぇよって思う。負けんじゃねぇよって。同じ痛みを持つ私たちがバカにされても、ありえない夢だって言われても、今このステージでつかみ取ってやるから"と、彼女らしく反骨精神のあるMCを届けた。

そんな生牡蠣いもこの言葉を受けて、"神激は、夢を抱く人、心に傷を持った人にとってのヒーローのような存在になりつつあるのかもしれない"と感じていたのだが、そんな予感が確信へと変わっていったのは、本編ラストの「不器用HERO」だった。サビで歌い上げた"Wanna be HERO for you"(=あなたのヒーローになりたい)という言葉は、それほどまでの真実味を帯びていたのだ。

そうして、命の炎を燃やすかのような熱狂の夜もいよいよアンコールへ。「生まれ変わっても自分になりたい」、本日2度目の「自己都合主義メタモルフォーゼ」を届け、最後は1年前の2周年ライヴでお披露目された「Supernova」で豊洲PITという大舞台での3周年ライヴを締めくくった。

なお、この日のアンコール映像内では今後の神激の動きが明らかに。「神奏曲:アブソルートゼロ」と「生まれ変わっても自分になりたい」の2ヶ月連続配信のほか、10月のツアー"神巡り~2020 -mini1-"に、"布教会"と名付けられたフリー・ライヴ、さらに12月にもツアー"神激クリスマスツアー2020"を開催。そして、来年3月には豊洲PITにてまさかの無銭ワンマンを開催し、9月にはTOKYO DOME CITY HALLでの4周年単独公演"Garden of Dog's"が行われるという。

コロナ禍を跳ね返すように、歩みを止めない神激が築き上げていく神話は、まだまだ続いていきそうだ。

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