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INTERVIEW

神使轟く、激情の如く。× ナノ

2022.05.11UPDATE

2022年05月号掲載

神使轟く、激情の如く。× ナノ

4月から新たにスタートした神激(神使轟く、激情の如く。)の連載企画。第1弾は生牡蠣いもこへのソロ・インタビューを行ったが、第2弾となる今回はナノとの座談会を実施。両者は6月3日、新宿BLAZEで開催される対バン・イベント"Ibutsu kon'nyū supported by 激ロック"に出演する。普段は交じり合わない異なるもの同士が一緒になったとき、いったい何が起こるのか。そんな期待感とスリルを抱かせるイベントだ。力強くエモーショナルな歌声でアニメ・シーンからラウド・シーン、そして世界を自由に横断する活動でデビュー10周年を迎えたナノ。そしてデビュー3年半で目標の武道館公演を経たあとも、ノンストップで新たな挑戦を続ける神激。この日が初対面で、音楽性やソロとグループの違いはあるが、話はどんどん弾んでいく。ライヴに向けていい化学反応が起きた座談会となった。

神使轟く、激情の如く。:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 三笠エヴァ 二日よいこ TiNA
ナノ
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by 上坂和也

-両者とも、今日が初対面ですね。

ナノ:本当に、初の初ですね。

ことの:でも私、実は2013年の新木場STUDIO COAST("Remember your color.")やZepp DiverCity(TOKYO)でのナノさんのライヴに行っていたんです。

ナノ:えっ! そうなんですか。すごく嬉しい。

ことの:CDももちろん買って、ライヴにも行っていたので。今ご本人を目の前にして、逆にどうしたらいいかわからなくて(笑)。

ナノ:これは、モチベーションが上がりますね。

ことの:ライヴに行っていた頃は学生だったんですけど、自分も音楽をやるようになって、こうして座談会ができたり、共演ができたりするということが本当に嬉しいです。初めて新木場STUDIO COASTでのライヴに行ったときにナノさんがステージでおっしゃっていた、"周りに何を言われても、可能性を生かすも殺すも自分なんだよ"という言葉をずっと覚えていて。自分がこういう活動をしていて、挫けそうになったときにその言葉を思い出して、もう一度頑張ろうって思えるので。

ナノ:それはむちゃくちゃ嬉しいなぁ。

-ステージで投げ掛けたメッセージを受け取った人が、こうして目の前にいるってすごいことですね。

ナノ:やっぱり、伝えることに意味がありますね。

エヴァ:私はもともとナノさんを、アニメ"BTOOOM!"のオープニング・テーマ「No pain, No game」(2012年10月リリースのシングル表題曲)で知ったんです。めっちゃかっこいいと思って。

いもこ:めちゃくちゃかっこいいよね。

エヴァ:初めて聴いたときは洋楽のアーティストなのかなっていうくらい、英語がすごくかっこ良くて。そこから、SOUND HOLICの『ROCKMAN HOLIC ~ the 25th Anniversary ~』(2012年12月リリース)に収録された「Together As One」(※ナノがヴォーカルを担当)を聴いたり──

ナノ:ずいぶんとマニアックなところに(笑)。

エヴァ:その曲がすごく好きでずっと聴いていたので。今日はお会いできて嬉しいです。

いもこ:私はもともとアニメが好きで、アニメ好きの友達とカラオケに行くとナノさんの曲をめちゃくちゃ歌わせてもらってます。

あまね:ニコニコ動画YouTubeのチャンネルでの、日本の曲を英語で歌ってみたというのが本当にすごいって思って。なかなか英語の歌ってみたをやっている方はいないし。

エヴァ:日本の曲を洋楽っぽく歌ってみたっていうのは、ナノさんが作った感じですよね。

ことの:ニコニコ動画で初めて見たときは衝撃だった。

ナノ:正直ここまでちゃんとナノのことを把握してくれているとは思っていなかったので、"おぉー!"っていう感じで本当に嬉しいです。今回の対バンでナノのことを知ってくれた人もいると思いますけど、それもそれですごくいい出会いだなと思うし、6月のライヴが虹色になりそうだなと感じてます。

-音楽を通して縁が繋がっていくのをリアルに感じますね。

よいこ:私は今回の座談会が決まってからナノさんについていろいろリサーチして、さらにいろんなことを知りたいなって思ったんですが。歌ってみたをやっていた頃から、デビューしたことによって何か心境の違いや変化はありますか。

ナノ:好きで歌っていることや、実際にやっていることはそんなに変わらないんですけど。趣味からお仕事に変わったことで、精神面ではもう遊びじゃないんだとか、自分だけの力ではなくて、いろんなすごい人たちと関われるいいプレッシャーがありますね。でも最初は葛藤しました。自分の実力が、果たして求められているものに追いつくのかとか。そこで何が重要かとなったときに、自分を成長させること、実力を上げることに集中するしかないなと思ったので。最初の数年は正直、楽しいよりもつらいことが多かったかな。でも、きっとみんなそうだと思うんです。最初のその山を乗り越えて初めて"楽しい"と思える余裕ができる。そこまで粘って粘って頑張らないと、その先に繋がらないなと思うので。神激のみなさんはもう何年か活動をしてきていると思うんですが、まだまだつらいことや葛藤もあるのかな、どうですか。

ことの:まさに今、その段階にいるなって思います。

-神激のみなさんは今年3月30日に武道館(日本武道館)公演("宣戦布告")を終えて、ひとつの節目を迎えたかなと思いますが。そこに至るまでに力を注いだことや、グループとして目標にしていたことはありますか。

よいこ:武道館公演が決まって。神激はアイドル畑出身ではあるんですけど、アイドルというよりは、バンドと同じようにひとりひとりがいるからこそ成り立っているグループで。6本のマイクとマニピュレーターによる"バンド・ユニット"と名乗っているんです。武道館に向けては、自分たちはバンド・ユニットをやっているんだとより広く知ってもらえるように、この形をどんどん完成させていくという段階を踏んでいるなというのがありました。

TiNA:武道館という大きなステージがあったからこそ、メンバーの進む方向はもともと同じだったんですけど、意志も一緒についてきたというか。まとまった感覚があって。武道館公演を終えて、これからまた幕張メッセでのワンマン(2023年5月28日開催の"GOD MAKE ERA")や、大きなライヴがあるんですけど、よりいっそうの一体感というか、メンバーと同じ方向を向いて進んでいけると確信した瞬間が武道館にはありましたね。

-神激のみなさんはグループで、ナノさんはソロでの活動で、それぞれに違った面白さや追求の仕方がありそうですね。

ナノ:そうですね。ソロとグループとでは、音楽との向き合い方や、ライヴでの向き合い方も違うと思うんですよね。自分はバンドのメンバーもいますけどソロで立っているから、自分発信、自分中心で物事を考えられるけど。グループだとみんなでひとつってのがまずあるし、そのなかでひとりひとりが輝いているという、自分には想像できない努力とバランスの取り方があると思うので。神激のMVを観ていても思いますけど、それぞれにちゃんと見せ場があって、輝く場所があって。これがひとりでも欠けたら違うものになるんだろうなというのは観ていて思いましたね。

よいこ:神激ではメンバーそれぞれ、ラップ担当だったりスクリーム担当だったり、担当分けがされている時点でアイドル畑にはあまりないグループだと思うんです。楽曲も、バンドで言えばギター・ソロやベース・ソロのように、ひとりひとりの見せ場が連続して曲が展開されていくので。より内容の濃い楽曲が生まれてくるというものになっています。

エヴァ:まさに誰かが欠けたら違う曲になるというのは、その通りなんです。誰かが欠けたら違う曲になるどころか、誰かが欠けたらその曲が生まれていないだろうなという曲が最近は多いので。

ことの:それは、このメンバーだけじゃなくてマニピュレーター/作曲家が常に一緒に活動してきているので。メンバーがどこまでできるのかとか、こういう曲でこういう見せ場を作ってとか、そういうのも全部考えて作ってくださっているんですよね。

ナノ:しかも、作詞もグループ内でやっているのも大きいですね。

いもこ:私が作詞をしているんですけど、実際はライヴ中にメンバーが発した言葉とかをメモしていて、全員で作っているような形になっているんです。歌詞を書くうえでは、自分だけの考えじゃなくて、みんなでひとつになれるような意思を書くことを意識してます。

ナノ:お互いに畑は違うようで、意外と共通点は多いと思うんですよね。こうして話をしていてもすぐにわかるわかるってなるのもそうだし、一緒にやることにもすごく意味を感じていて。

いもこ:ナノさんも、自分で作ることに強いこだわりがありますか。

ナノ:デビューした当時は、まだどういう方向に行きたいかとかがそこまでわからないものだから、作詞はしていたんですけど、与えていただいた曲をとにかく全力で歌う感じでしたね。でもやればやるほど、こういう曲好きだなとか、こういう曲にこんなメッセージを込めてみたいとかが出てくることで、自分の色が濃くなっていったかな。それは経験を経て、時間をかけて感じることだと思うので。焦らずに自分の色を探してきた気がしますね。