INTERVIEW
ナノ
2017.01.24UPDATE
2017年01月号掲載
Interviewer:沖 さやこ
2012年3月にアルバム『nanoir』でメジャー・デビューし、2017年でデビュー5周年を迎えたバイリンガル・シンガー、ナノ。デビュー5周年5大企画の第2弾が、今回のシングル『MY LIBERATION / PARAISO』だ。2形態でリリースされる計4曲のうち、3曲が"チェインクロニクル"関連のテーマ・ソングとなっており、この3曲で"チェインクロニクル"のストーリーが覗けるものになっている。ナノなりのタイアップ作品への寄り添い方、自分のカラーの出し方、ゲーム主題歌とアニメ主題歌を作るうえの意識の違いなどを訊いた。
-ナノさんのヴィジュアルがとうとう解禁されましたが、これもデビュー5周年記念の一環でしょうか?
実はギリギリまでこういう見せ方をすることは決まっていなくて、自然とチームから"(ヴィジュアルを表に出すなら)このタイミングかな?"、"うん、いいんじゃない?"みたいな軽い、ナチュラルな感じで話が出たんですよね。ディレクターや(ナノの楽曲の作曲と編曲を多く手掛けている)WEST GROUNDは、新しいアー写に気づいているのかすらわからないほどその話題に触れてこない(笑)。曲作りにおいて変わったことは何もないですね。ヴィジュアルだけに留まらず、"新しい自分をどんどん見せていきたい"という気持ちですし、アー写で顔が見えるか見えないかは、自分にとってはすごく小さなことで。
-とはいえファンの方々の反響は大きかったのでは。
ある程度の刺激はあったかな、と思うんですけど、リスナーからは"やっとナノさんに会えた!"というメッセージが多くて、ちゃんと音楽で繋がれていたことがすごく伝わってきたので嬉しかったですね。"思い描いていたイメージのナノではなかった"という人も、曲を聴いたら"やっぱりナノだな"と思ってくれたりするみたいで。ポジティヴな反応が多いと感じています。
-それは何よりです。そして5周年記念企画第2弾となるシングル『MY LIBERATION / PARAISO』は"ナノver."と"アニメver."の2形態で計4曲が収録され、うち3曲が"チェインクロニクル"関連のタイアップ曲になっています。同じアーティストさんが何度か同じ作品に関わることは多いですが、同じタイミングで同じ作品のTVアニメ、劇場版アニメ、ソーシャル・ゲームに関わるパターンはなかなか珍しいなと。
まず、アニメ"チェインクロニクル~ヘクセイタスの閃~"のオープニング・テーマの話がきて、そのあとに"じゃあ、劇場版のエンディング・テーマ曲もやってくれませんか"、"それならゲームのチェインクロニクル3のテーマ・ソングもお願いできませんか"......というふうにお話をいただいたんです。それで「MY LIBERATION」(Track.1)、「PARAISO」(Track.2)、「HAVEN」("アニメver."Track.3)の順番で作っていって――だからこの3曲を並べるとステージがはっきりしてると思うんですよね。
-たしかにそうですね。バトルの要素が強い「MY LIBERATION」、戦いの先を描いた「PARAISO」、戦いを終えた解放感のある「HAVEN」という印象があります。
その段階の流れがうまくできたと思います。途切れずに続けて同じ世界観で歌詞を書くと、書くたびにより濃いものを追求できるので、すごく嬉しかったですね。3曲とも違うタイプの曲になったと思うし。だからかもしれないですが、今回のシングルは自分でもすごく濃く感じているんです。
-最初にTVアニメ"チェインクロニクル~ヘクセイタスの閃~"のオープニング・テーマのお話があったときの心境は?
"チェインクロニクル"は2013年にソーシャル・ゲームとしてスタートしていて、ファンもすごく多いのでプレッシャーが大きかったです。それだけ作品のファンが多いということは、満足してもらうハードルが高い。"チェインクロニクル"の世界観をどこまで解釈できるかが重要だなと思いました。自分は普段あまりゲームをやらないので、そこから始めると操作に手間取ってしまうと思って(笑)、まずはアニメの資料や脚本を読むところから始めました。
-そうして完成したのが「MY LIBERATION」。ナノさんらしい曲だと思いました。
おっ、それすっごく嬉しいです(笑)。この曲は特に自分で自分を感じるんです。WEST GROUNDから曲が届いた瞬間にそう思いましたね。だから歌詞もすぐ降りてきたんです。メロディもいままでで一番自分とリンクできたかなと思います。