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INTERVIEW

ナノ

2017.01.24UPDATE

2017年01月号掲載

ナノ

インタビュアー:沖 さやこ

-"チェインクロニクル"の"チェイン"を彷彿とさせる、"繋ぐ"や"振り解く"という言葉も出てきます。

"チェインクロニクル"のテーマが"連結"や"束縛"なんですよね。"チェイン"という言葉にはいろんな意味があると思うんですけど、"どういうふうにキーワードを調理して、自分の世界観とリンクさせて歌詞にするか?"と考える作業はすごく楽しかったです。迷いなく書けましたね。戦いのモードがありつつ、間奏ではひと息ついて"解放"させるような、ゆったりとした仕上がりになっています。

-そこで"LIBERATION(=解放)"を表現していらっしゃるんですね。歌詞の挑んでいくポジティヴィティや疾走感のあるヘヴィなロックという、ナノさんが積み上げてきた5年間を感じさせるものでした。『Rock on.』(2015年リリースの3rdアルバム)から比較しても、だいぶヴォーカルにも変化がありますものね。

やっているときは変化には気づかないけど、ふと過去のものを聴いたりすると"あぁ、本当に進んだんだな"と実感しますね。ヴォーカルの変化はライヴも影響していると思います。「MY LIBERATION」はライヴに向いている曲なので、ライヴを想像しながら歌ったりもしました。

-「MY LIBERATION」のあとに劇場版アニメ"チェインクロニクル~ヘクセイタスの閃~"のエンディング・テーマのお話があり、そのうえで生まれたのが「PARAISO」。こちらの作曲は様々な界隈で活躍するゆよゆっぺさん(※BABYMETALなどに楽曲提供をしている)が担当しているとのことで、ゆよゆっぺさんがナノさんに楽曲提供をするのは1stアルバム『nanoir』(2012年リリース)以来です。

久しぶりで新鮮でした。以前はゆっぺさんにちょくちょくアレンジをしてもらっていたので、自分としてはわりと常に身近にいた感覚はあるんですよね。だから今回の楽曲提供も成り行きと言えば成り行きなんです(笑)。彼は作品を作るごとに進化しているし、音も常にいろんな要素が加わって変わっている――変わることを恐れない精神はすごく魅力的ですね。自分もそういうふうにありたいと思うので。


誰が書いた曲でも"やっぱりナノだ"と思ってもらえる歌を意識している


-WEST GROUNDさんの曲を歌うときと感覚は異なりますか?

ゆっぺさんのサウンドやメロディには、リスナーの心にストレートに刺さる素直さがありますよね。だから歌い方もそれに引っ張られてわりとストレートになる。そんなに歌い方を捻ったり考えたり、計算したりすることもないし、素直な曲になったと思います。

-加えて、とてもエモーショナルだと思います。ナノさんの素の部分を開く曲なのかもしれないですね。途中で展開が変わるサウンドメイクはドラマチックでした。

そこは本当に大好きです! こういうものをゆっぺさんが持ってきてくれるのは意外でしたし、劇場で聴いたときにこの部分がさらに生きていて、この展開で本当に良かったと心から思いました。誰が曲を作ってくれても自分の色は一番大事にしたいし、どんな曲でも"これはナノの曲だ"と思ってもらえるものを目指しているので、ゆっぺさんが書いた曲でもWEST GROUNDが書いた曲でも、"やっぱりナノだ"と思ってもらえる歌を歌えるように意識していますね。

-"心の帰るパライゾ"という歌詞が印象に残りました。"パライゾ"とはパラダイスという意味がある言葉で、この一節から"心はもともとパライゾにあったもの"とナノさんは考えていらっしゃるのかなと。

そうですね。子供のころは比較的そんなにつらい思いはしないし、苦しみもないし、余計なことを考えることはないと思うんです。生まれたときが原点だとしたら、死んだときに精神はそこに戻るんじゃないか、いろんな経験をしてつらい思いもして、やっと"ゼロ"に戻れるのが原点なんじゃないかと思っていて。人間が生きるということは、そこに戻るための人生なのかな? と思ったりもしているので、そういう表現になったのかな。

-「HAVEN」はスマートフォン版RPG"チェインクロニクル3"のテーマ・ソング。ナノさんはこれまでもゲーム主題歌を担当されていますが、アニメのタイアップとゲームのタイアップの違いとは?

ゲームのタイアップ曲はプレイヤーがゲームをやりながら聴くもので、アニメはオープニングやエンディングなので、作るときや歌うときの感覚は違いますね。ゲームは、プレイヤーは自分の考えを持ってストーリーや世界観に入り込んで、アニメは見て楽しむものだと思うんですよ。だからゲームのテーマ・ソングはゲームをより楽しんでもらうためのお手伝い。プレイヤーの居場所を作るような安心感を与えられたらと思うので、曲が主張しすぎるといけないと思うんです。アニメのテーマ・ソングはその作品を代表する曲であり、話に勢いや流れをつけるもの。だから歌詞の内容や歌い方も少し違うのかな......というのは制作中に思っていますね。

-WEST GROUNDさんの新しいサウンド・アプローチが見られる楽曲でした。

いままでにあまりないタイプの曲なので、正直言えば、最初に聴いたときは"ほぉー、不思議な曲"という印象でした。ゲームの中でしか聴けない曲なんだけど、自分が"チェインクロニクル"をテーマに作ってきた曲の集大成だと思っています。最終的に辿り着くのが"HAVEN(=避難所)"であって、真っ白な世界。だからこの曲には満たされる感覚がすごくあるんですよね。スルメ曲です。