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LIVE REPORT

ナノ

2022.07.09 @duo MUSIC EXCHANGE

Writer 杉江 由紀 Photo by ATSUSHI

マイルストーンとは、目標を完遂していくうえでの重要中間目標地点を意味する言葉で、ビジネス用語としても使われることがあるそうだ。

"今日はナノの[10th Anniversary 『ROCK 'N RAINBOW』]に来てくれて、本っ当にありがとうございます! こんなにたくさんの人が集まってくれるなんて......想像以上でした。やっぱり、この3年間のコロナ禍でミュージシャンはみんなお客さんたちを集めるのに苦労していますし、自分も今日この場で果たしてどんな景色を見られるのかわからないところもあったんですが、完全にこれは自分の想像を100倍超えてます! 伝えたいことはいっぱいありますけど、今日はナノ史上最高のマイルストーンをみんなと一緒に作りあげていきたいと思います。みなさん、まだ声は出せないかもしれないですけど、そのぶんナノとナノバンドが全力で音を届けます!"

このたび7月9日に渋谷duo MUSIC EXCHANGEにて行われたナノの10周年記念公演は、まさにここまでの歴史とここから先の未来を繋ぐ、現時点での集大成的なライヴであったと言えよう。これまで数々のアニメやゲームのタイアップ曲を歌ってきたナノだけに、1曲目の「Nevereverland」を皮切りにして、セトリの大半はナノのファンのみならず、多くのサブカルチャー支持者たちにも知られている曲たちが並ぶヒット・パレード状態で、もちろん場内が大いに沸き立つことになったのだった。

中でも、ナノいわく"私の歌手としての未来を切り拓いてくれた恩人の作ってくれた曲"だという「DREAMCATCHER」や、ナノにとって初のアニメ・タイアップ曲であり、1stシングル曲でもあった「Now or Never」など、この10年の中で大きなターニング・ポイントとなった曲たちを、今この機に改めてファンの前で歌うことができたという事実は、ナノにとって非常に大切なことであったのだと思われる。

また、本編後半ではゲスト・ギタリストとしてシン・マナヒロ(ex-TAKE NO BREAK)が登場し、彼がナノに曲提供をした「INSIDE MY CORE」を共に演奏するという場面もあり、同じくシン・マナヒロが手掛けたという新曲「Happiness」が本編の最後に初披露された場面では、なんと来場者に対してスマホでの動画撮影が許可されることになるという事態も勃発。以降、このライヴではアンコールまでずっと、シン・マナヒロが共演を繰り広げていくことになったのだが、そうしたところも、ナノの10周年を祝うにぎやかなパーティー感を華やかに醸し出していたと言っていい。

なお、アンコールでは、ナノがニコニコ動画で活動をしていた2010年頃に"歌ってみた"で最初にバズった曲として知られる「モザイクロール」を、当時のトレードマークであった狐のお面を頭に着けて歌うファン・サービスがあったほか、アンコール明けには、3日後に誕生日を迎えるというナノに対するサプライズとして、バンド・メンバーやスタッフからケーキが贈られ、ファンも拍手で盛大に祝うという微笑ましいひと幕も。"最後にもう1曲だけ、声が枯れるまで歌わせてください。みんなが一緒に歌ってくれる日を夢見て、心を込めて歌います......!"

Wアンコールでのナノは、単身で現れ、「Now or Never」を今度はアカペラにて"振り返らずスタートを今/恐れず踏み出したらいいんだ/切り開いて行くよ"と熱唱することに。マイルストーンを経てのこの新しいスタートは、ナノの次なる未来へと続いていく。


[Setlist]
1. Nevereverland
2. Born to be
3. Scarlet Story
4. No pain, No game
5. Bull's Eye
6. DREAMCATCHER
7. Hourglass Story
8. BE FREE (WITH MUSIC)
9. All I Need
10. LINE OF FIRE
11. Now or Never
12. SAVIOR OF SONG
13. INSIDE MY CORE
14. Happiness
En1. モザイクロール
En2.magenta
W En. Now or Never

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