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INTERVIEW

ナノ

2018.11.16UPDATE

2018年11月号掲載

ナノ

Interviewer:吉羽 さおり

和風のメロディや和楽器などを導入した前シングル『ウツシヨノユメ』から3ヶ月、ナノのニュー・シングル『Star light, Star bright』は作曲が堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)とWEST GROUNDとのタッグで、ポップで疾走感のあるロック・チューンとなった。TVアニメ"CONCEPTION"のオープニング・テーマであり、実は以前にはアニメのもととなったゲームのオープニング・テーマもナノが手掛けており、ゲーム版でのキーワードも交えながらさらに晴れやかにアップデートした1曲に仕上がっている。前向きに突き進んでいく高揚感や心拍音が聞こえてくるような曲で、ナノの新たな一面も窺える内容だ。

-ニュー・シングルは、前回の和の要素が詰まった『ウツシヨノユメ』(2018年8月リリースの9thシングル)とは打って変わったストレートなロック・チューンとなりましたね。

デビューしたころにゲーム"CONCEPTION 俺の子供を産んでくれ!"でタイアップ(※2012年リリースの1stシングル『Now or Never』収録曲「Destiny ~12回目の奇跡~」がオープニング・テーマとなった)をさせていただいたんですが、今回は、5年を経てそのゲームが"CONCEPTION"としてアニメ化されるという特別な企画でもあって。アニメ側からオファーをいただいたんですけど、ものすごく嬉しかったんですよね。そういう嬉しさを込めて、今回はハッピーな曲になったと思います(笑)。

-そうですね(笑)。今回は作曲/編曲を堀江晶太(PENGUIN RESEARCH/Ba)さんとWEST GROUNDが担当していて、いつもとは違ったポップな雰囲気がありますが、どのように進んでいったんですか?

今回はアニメ自体がわりとファンタジックで、女子が好きな感じのストーリーになっているので、それに合わせて、いつもと違う感じのちょっとポップ寄りな楽曲になったらいいんじゃないかなと思っていたんです。なので、初期のころにコラボレーションをしていた堀江さんにお願いしたいと考えていました。個人的にも堀江さんともう1回タッグを組みたいなと思っていたので、これはいい機会じゃないかなと。結果的に、すごく堀江さんらしいサウンドになったなと感じますし、WEST GROUNDひとりの曲とは、ギターのサウンドやリズムが全然違うものになったなと思いますね。

-ナノさん自身は、その"ポップさ"というのは、アプローチしやすいところなんですか?

もともと、聴くぶんには逆にこういうポップ寄りのロックは昔から聴いていたんです。例えばAvril Lavigneとか、そういうものも好きだったので、ずっとやってみたいなと思っていたんですけど、それもそれでなかなか機会がなく、今回なのかなという感じでしたね。ただ、こういう音楽は好きなんですけど、ずっとゴリゴリ系のものをやってきたので、作詞部分で頭を切り替えるのに戸惑いました。"こんなキラキラした歌詞書いていいの?"っていう気持ちになっちゃって。最初のうちは自分で違和感があったんですけど、書いていくうちに、"あぁ、結構こういうの好きだな"ってなりました(笑)。このひたすらキラキラしている感じ、悪くないなって思いましたね。

-なるほど、ちょっと照れ臭さもあったんですね。

最初はありました。それこそ、ミュージック・ビデオを撮影したときにスタッフさんにも言われたんですけど、"笑いながら歌ってるナノ初めて見たかもしれない"って。これまでMVは、曲自体もダークなものが多かったので、すごくポーカー・フェイスというか、表情を作らないことを意識しているんですけど。自然とこの曲を歌っているとニコニコしちゃったりするんですよ。遊んでみたりとか踊ってみたり、くるっと回ってみたりというのを初めてやってみて、純粋に楽しいなって思ったんです。解放されたというか。

-それは、MVを観た人が驚くかもしれないですね。

どの部分が使われているかわからないですけどね。もしかしたらNGになっていたりする可能性もありますけど(笑)。撮影していたときは確実に、めちゃくちゃニコニコしてました。

-楽しみにしています。そういうことで新しいところにも切り込んでいるシングルですね。歌詞を書いていても、いつもと違った引き出しを開けていた感じですか?

そうですね。でも、『ウツシヨノユメ』のときもそうでしたけど、また新しい自分に出会えたなという気持ちだったので、これってたぶん、何度やっても新しい自分と出会えるんだなってすごく思いました。マンネリ化することってないだろうなって。

-アニメの主題歌だったりというお題があるからこそ引き出される部分ですかね。ラストに向かっての、"この世界を変えて、幸せになろうよ"と歌う高揚感もすごくいいです。

曲の終わりの方は、マックスでキラキラしている自分がいますね。時にはこういう裏も表もない前向きさが、人間にとって必要じゃないかって思います。いつもいつも"成長しなきゃ"とか"影があるからこそ光が輝く"ということではなくて、ひたすら光のあることを歌ってもいいんじゃないかなって。

-そのキラキラした感じというのは、書いていて自分でも共感する部分はあったんですか?

今回のアニメに"星座"が登場していて、自分は星が好きだったり、宇宙が好きだったりとかするので、今回は必然的にそういう内容にもなったんです。ただ、歌詞的には細かくこだわっていて。前回ゲームだったときのオープニング・テーマが「Destiny ~12回目の奇跡~」という曲で、そのとき自分は作詞をしていないんですけど、タイトルがすごく印象的だったんですよね。なかなか自分で付けるようなタイトルではないなと思って。なのでオマージュじゃないですが、歌詞の中に"destiny"という言葉や"12回目の奇跡"という言葉も入れているし、あとはゲーム中に登場する言葉、"ケガレ"とかも入れているんです。なので、ゲームをやっている人はこの歌詞を見ると親近感が湧くんじゃないかなって。あとは前回の「Destiny ~12回目の奇跡~」を聴いてくれたファンのみんなも、わかってくれるところがあると思うし、いろいろとヒントを散りばめましたね。

-こういうポップな曲が増えることで、またこれからも広がりがありそうで期待できます。

そうですね。この曲は音源で聴くとポップな曲ですが、個人的にはライヴでやったらすごく楽しい曲なんじゃないかなと思っているんです。早くライヴでやりたい気持ちが今一番ありますね。