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INTERVIEW

ナノ

2017.05.31UPDATE

2017年06月号掲載

ナノ

Interviewer:沖 さやこ

2017年でデビュー5周年を迎えたバイリンガル・シンガー、ナノのデビュー5周年5大企画の第3弾としてリリースされた『The Crossing』は、ナノにとって2年4ヶ月ぶりのフル・アルバム。SHO from MY FIRST STORY、中西航介(a.k.a. neko)ゆよゆっぺPowerlessなど過去にタッグを組んだ作家陣を多く招いたアルバム曲には、ナノ自身のリアルな感情や記憶、過去の経験、いま思っていること、未来へのヴィジョンなどが綴られている。デビュー5周年という"The Crossing(=交差点)"であり"Milestone(=通過点)"に立つナノの現在の想いに迫った。

-5周年に相応しいアルバムが完成しましたね。

そうですね。5周年5大企画のうちのフル・アルバムなので、それに相応しいアルバムを作ることができるのか......最初は全然予想がつかなかったので不安だったんです。でも、できあがってみると"これぞザ・5周年アルバムだな"と胸を張れるものになりました。

前回お話をうかがったとき(※2017年1月号掲載)は、"まだアルバムの構想は立っていない"とおっしゃっていましたが、いつごろからヴィジョンが見えてきたのでしょうか。

今年の2月に入ってからぽちぽちと......でしたね。5周年だからこそ感じられることがあるんじゃないかと思って、いままで関わってきた素晴らしい作家さんたちにアルバム用の新曲のオファーをしました。慣れていて信頼している作家さんと一緒にお仕事をするのは心地いいことなので、すごく素敵なことだと思いますね。作家さんにオファーをする前から"こういう曲にしたい"という8つのテーマをそれぞれ決めていて、作家さんから届いたものを聴いて"この曲にはこのテーマが合うな"と当てはめていってから作詞を始めました。

『Rock on.』(2015年リリースの3rdアルバム)以降のナノさんは、大きなタイアップ曲の制作が多かったので、それとはまた違うクリエイティヴな制作になったのでは。

タイアップももちろん嬉しいしありがたいことですけど、タイアップのない楽曲制作に取り組むことが久しぶりだったので、自分のアルバムのために、自分の世界観だけでものづくりができたこともすごく嬉しくて。一度にドサッと作家さんからデモが届いて毎晩のように作詞をする......そういうハードな状況でありながら、苦労した、つらかったという記憶はないんですよ。"いいアルバムが作りたい!"という想いだけで進んでいたので、楽しく作業ができたなと。

-それは何よりです。先ほど曲ごとにテーマがあるとおっしゃっていましたが、アルバムとしての大枠のテーマはありましたか?

とにかく"これがナノです"と言えるようなアルバムにしたくて、自分の中にある感情や記憶、過去の経験、いま思っていること、未来へのヴィジョン......そういう正直なものでしか作りたくないなと思ったんです。普段生活していて"いま自分が何を思っているか"と意識することはあまりないじゃないですか。だから、改めて"自分はいま何について深く思っているんだろう?"と8テーマ挙げていく......自分を見つめ直す、自己分析をするような作業でした。"自分はこういうことを思っているんだな"、"こんなに熱い人なんだな"と改めて実感したり(笑)、客観的に自分を見ることができて面白かったです。

-すべて英語詞だから表現できたことかもしれないですね。

ディレクターから"新曲は全部英語詞にしよう"と提案を受けたとき、自分としては嬉しいけれど、それが日本のリスナーに受け入れられるかどうか最初は不安でした。でも、英語詞でもちゃんと自分の想いやいい音を伝えられる作品を作ればいいと思って。英語がわからない人にも聴いていて楽しい、なんとなく心に残る......そういう気持ちになってもらえたら嬉しいです。歌詞カードには和訳も載せているので、詳しく知りたい人はそれを読んでほしいですね。

-今回はこれまでで最もヴォーカルに心地よさやナチュラルな熱さがあると思いました。

お、本当ですか? やった(笑)! 英語だとニュアンスや音も含めて歌いやすいというのもあるし、何より今回はヴォーカル面でレベルアップしたい気持ちがすごく強かったんです。過去のアルバムと比較して聴いたときに、成長しているとどうしても感じてもらいたくて、息遣いや歌詞の発音の一番気持ちいいところを細かいところまで探して。音程を取ることよりも、歌っていて気持ちいい、聴いていて気持ちいいところを追求していきました。

-『Rock on.』以降はWEST GROUNDさんとのタッグの曲が多かったので、ほかの作家さんの曲が入ることで、様々なナノさんを感じることができました。

今回のバランスは本当にベストですよね。今回収録されているシングルの表題曲4曲中3曲はWEST GROUNDが作曲しているんですけど、このアルバムの中でこのシングル曲を聴くと、改めて彼の曲の魅力に気づけて"Wow!"って感じだったし、"「DREAMCATCHER」(Track.8)めっちゃいい曲だな~!"としみじみ思ったりして(笑)。本当にアルバムって不思議だし面白い。最高ですよね。