MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

ナノ

2017.05.31UPDATE

2017年06月号掲載

ナノ

Interviewer:沖 さやこ

-ゆよゆっぺさん作曲の「Pentagram」(Track.11)はナノさんの語り掛けるようなヴォーカルが胸に残ります。最後の"echoing forever"という言葉もシンボリックでした。よくサインなどでもペンタグラムをお描きになるナノさんが「Pentagram」という曲で"forever"という言葉を使うのも、意味があるなと。

あんまり現実にないことを歌詞にしたくないタイプではあるんですけど、あの言葉の響きがすごく好きだし、絆や想いは変わったりするかもしれないけれど、永遠にあるんじゃないか――この曲に関しては"永遠というものは存在する"と思って書きましたね。永遠がなくとも、永遠を望むことはできると思うし、ファンの方々に向けてそういう気持ちを持っていますね。自分はよく"☆"をロゴに使ったり、5周年というのもあってマークとしても掲げていて。今回の5周年をテーマにした曲を作りたくて、この曲にその歌詞を当てました。内容も自分とリスナーを繋ぐ曲にしたかったので、自分からリスナーに対してのメッセージですね。ライヴのステージの上でお客さんに向けて歌っているような気持ちでレコーディングしました。愛を伝えたかったんです。こういうタイプの曲、歌うのも聴くのもすごく好きですね。

-ラストの「The Crossing」(Track.12)の和訳には"永遠"という言葉も出てきますが、"終わり"を思わせる言葉も多いです。

この曲は自分にとって一番踏み込んだ......というか、これまで書いたことのないテーマにしたくて。"終わりってなんだろう?"とすごく考えた時期があったんですよ。何かが終わること、何かを失うことに対して、人間はすごく恐れを抱くし不安を感じるけれど、その先が本当に暗いのか無なのかは、実際にそれが訪れてみないとわからない。もしかしたら不安の先に訪れるものは無や苦しみではないのかもしれない――それを描きたくて。誰しも一番不安に思うことが、愛しいものを失うことであったり、命が終わることだったり......それでも生きていかなければいけないというのは、終わりの先だと思うんですよね。そこに挑むのはすごく勇気のいることだけど、できるんじゃないかなって。続きを生きていくためのちょっとした力、勇気はすごく必要だと思うから、そういうときに聴いてもらえる曲にしたかったんです。

-だからタイトルも"The Crossing(=交差点)"であると。

自分にとって5周年は"The Crossing"で、そこを渡る勇気も必要で。自分が前に進むために"The Crossing"は存在するし、聴いてくれる人たちにもこれからの人生にいろんな"The Crossing"が訪れると思うけれど、そのときに一瞬渡ることを躊躇したとしても、それを渡る必要があるならば、その勇気を思い出してほしい。そういう想いを込めました。

-もともとナノさんは前向きなメッセージを発信していたと思うのですが、『The Crossing』はその表現方法がこれまでとは違うアルバムでもあるのでしょうね。

これまで以上に人間らしい部分や現実的な部分でポジティヴな気持ちを伝えるということは、自分にとっても挑戦でしたね。

-今回もCD+DVDの"NA ver."と2CDの"NO ver."と通常盤の3形態でのリリースで、"NO ver."は収録シングルのカップリング曲に加え、「GALLOWS BELL」のアコースティック・バージョンを収録しているという豪華仕様です。

「GALLOWS BELL」のアコースティック・バージョン、本っ当に多くの人に聴いてほしいです。やっぱり「GALLOWS BELL」は自分にとっていろんなきっかけをくれた曲ですし、ピアノも本当に素敵で。ピアノと一緒に歌ってレコーディングをしたナノ&ピアノ・オンリーの曲なので、本当に素顔で、かっこつけずに歌えている。歌っている最中もとにかく"音楽をやっていてよかった"と心から思いましたね。こういうかたちでこの曲をまた5年経って歌えることが本当に嬉しいです。音楽を仕事にしていきたいと思って歌い始めて、どこかには辿り着きたい......と思っていたけれど、ここまで密に音楽をやれるとは思っていなかったので、改めて自分はラッキーだなと思ったし。

-いやいや。運だけではなく、ナノさんが努力を欠かさなかったからでしょう。

自分がブレずに努力してこれたのは、周りからいろんな刺激を与えてもらっているし、ディレクションしてもらってるからだと思います。本当にすべてに感謝です。やる気と情熱を強く持っているという自信はあるので、これからもそれは絶やさずやっていきたいですね。5周年というマイルストーンは、次のマイルストーンのために存在しているので。

-そうですね。5周年5大企画第4弾は"5th Anniversary Tour「The Crossing」"ということで日本国内5都市と海外3都市を回るワールドワイドなツアーとなり、そろそろ5周年最終章となる第5弾の発表が気になるのですが......。

(笑)みんなが楽しめることを考えているので、期待していてください。自分はどんなことも楽しめているし、自分の活動すべてが星になっているとも思うし。5周年5大企画第5弾もいいマイルストーンになると思います。