DISC REVIEW
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ニューヨークで生まれ育ったナノのルーツを凝縮し、英語詞曲を中心にしたラウドなロックで、次なるフェーズへの橋渡しとなる作品となった4thアルバム『The Crossing』から1年3ヶ月。久々となるシングル「ウツシヨノユメ」は、和楽器や和のビート、和のメロディをロックに昇華した曲となった。日本人でありつつも、彼女自身のルーツにはなかったという"和"の要素。だからこそ、三味線や尺八といった和楽器を大胆にフィーチャーし、祭り太鼓のようなビートを用いても、どこかカラッとしたノリやキレの良さがあって、歌謡的になりすぎずエキゾチックな仕上がりに。ハスキーなナノのヴォーカルと三味線の絡みというのがとにかく新鮮だ。デビュー5周年と4thアルバムを経て、晴れやかに新たな挑戦をしている姿が映る。 吉羽 さおり