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INTERVIEW

神使轟く、激情の如く。× FLOW

2022.11.10UPDATE

2022年11月号掲載

神使轟く、激情の如く。× FLOW

"神激"こと"神使轟く、激情の如く。"がアーティストを招いて座談会を開催する連載企画に、FLOWのKEIGO、TAKEが参加してくれた。一見共通点がなさそうな両者だが、神激はロック・シーンとアイドル・シーン、FLOWはロック・シーンとアニメ・シーンへ同時に身を置きつつ、どちらにおいてもアウェイな環境で戦ってきたという。もうひとつの共通点は、遠い異国のサウジアラビア!? そんな両者による熱いトークの模様をお届けする。

神使轟く、激情の如く。:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 三笠エヴァ 二日よいこ TiNA
FLOW:KEIGO(Vo) TAKE(Gt)
インタビュアー:宮﨑 大樹 Photo by 清水舞

-神激の座談会企画にFLOWのKEIGOさん、TAKEさんが参加してくれました。おふたりは、今回このオファーが来たときにどう思いましたか?

KEIGO:なんでなんだろうと思いました(笑)。

TAKE:どこにも属せない、アニメなんだかロックなんだか、どっちに行ってもアウェイみたいな感じなので(笑)。

エヴァ:アニメ側から見るとロック・バンドすぎるし、逆にロック側からしたらアニメの人たちだと思われるんですか?

KEIGO:まさにその通りですね。

TAKE:ロック・フェスに出てもアニメ・フェスに出てもアウェイで。

-神激もそういうところがありますよね?

よいこ:そうですね。アイドル・フェスに出るとゴリゴリすぎてアウェイだし。

エヴァ:逆にロック・バンドのフェスに出ると"アイドルでしょ?"みたいな感じで。両方から偏見を持たれてきた点では――

TAKE:まさに同じ境遇ですね。そこで両方の架け橋になってやろうと思ったんです。今年でデビューして20年目に突入したんですけど、長くやってきたなかで、自分たちにしかできないような役割があるんじゃないかなって今は思えていますね。

ことの:カッコいい。

TAKE:カッコいいことは書いておいてください(笑)!

-(笑)アウェイな状況からどう気持ちを切り替えていったんですか?

KEIGO:アニメの曲をやる前のインディーズ時代は、ライヴハウスの通常ブッキングに立たせてもらったり、路上ライヴをやったり、そういうふうにやってきたんです。それで、たまたま「GO!!!」(2004年リリースのシングル表題曲)という曲が"NARUTO -ナルト-"のオープニング・テーマをやらせてもらうことになって、そこからバンドとしてもだいぶ世界が変わりました。だけど、それまでバンドを観てきた人からは"アニメ、アニメと言わないで"とか、"FLOWはロック・バンドでしょ"とか言われて。自分たちでもそのときは消化できていなくて、そういう声にモヤモヤしていたんですよ。でも、海外や日本のアニメ・フェスに出させてもらったときに、気にしているのは自分たちだけだったんです。アニメだろうがロックだろうが、すごいものはすごいし、関係ないんだなって。それと、海外のファンの人は、まったくそういうカテゴライズをしていなかったんです。"好きだから楽しんでます"みたいな感じを見て"そうだよな"と。そこから先は、ロックとアニメを行き来できないんだったら、そんな壁をぶっ壊せるようなバンドになりたいと思いました。そこからは胸を張っています。

TAKE:時代も変わったからね。我々がデビューした当時は、バンドがアニメのテーマ・ソングをやる文化がそもそもなくて。

よいこ:今だと、アニメとバンドが密接ですもんね。

TAKE:そう。"将来は「NARUTO -ナルト-」のオープニング・テーマをやりたい"って、アジカン(ASIAN KUNG-FU GENERATION)を聴いたKANA-BOONがデビューしたりして。

よいこ:それで言うと、本当にFLOWさんが架け橋になって今の流れができたんだと思います。うちらもアニメのタイアップとかすごく憧れていて。

あまね:それこそ小さいころから"NARUTO -ナルト-"が好きでした。「GO!!!」からFLOWさんを知って、「Sign」(2010年リリースのシングル表題曲)がめっちゃ好きです。

よいこ:"NARUTO -ナルト-"がもともと好きだったからタイアップが決まったんですか?

TAKE:「GO!!!」のときは、お話をいただいてから漫画を読んで、それで当て書きさせてもらいました。デビューしたころに"NARUTO -ナルト-"のアニメが始まったから、まぁ、ナルトとは同期です。

TiNA:カッコいい!

-神激のみなさんがFLOWに対して浮かぶイメージは、やはり何かしらのアニメですか?

エヴァ:"NARUTO -ナルト-"がやっぱり浮かびますね。

ことの:私は"デュラララ!!"(※"デュラララ!!×2 結"OPテーマは2016年リリースのシングル表題曲「Steppin' out」)を観ていました。

よいこ:私は「GO!!!」を聴いてから、"NARUTO -ナルト-"の曲なんだと知って。

いもこ:まったく同じ流れです。友達がカラオケで歌っていて、"めっちゃいい曲!"となってFLOWさんを聴いていました。FLOWさんは、よくコラボをされているじゃないですか? GRANRODEOさんとか、最近だとORANGE RANGEさんとか。あれってきっかけはなんなんですか?

TAKE:GRANRODEOのときは、アニメとのタイアップのなかで存在を知って。"日本のアニメ界のB'z"って言われているところもあったみたいなんですけど、歌もすごいし、e-ZUKAさんなんて日本で5本の指に入るギタリストですからね。だから、自分たちが今までやったことがないようなものができるんじゃないかと思って。あとはノリが合ったというか(笑)。未だに"アニサマ(Animelo Summer Live)"のステージでKISHOW(Vo)さんが"お前たちだけ浮いてる"って言ってくるけど(笑)。

KEIGO:一生浮いてるんだろうね(笑)。

TAKE:ORANGE RANGEに関しては、デビュー前からずっと付き合いがあって。沖縄の学祭に出たときに、オープニング・アクトがデビュー前のORANGE RANGEだったんです。そこからず~っと付き合いがあって。それで"コードギアス 反逆のルルーシュ"の15周年のタイミングなので、当時担当してたアーティスト同士がコラボしたら、オタクたちが泣いて喜んでくれるんじゃないかと思ったんですね。だからNAOTO(Gt)を焼肉に誘って"肉食ったよね? やらない?"って(笑)。あと、(メジャー)デビュー年も一緒なんです。

KEIGO:同期なんだよね。

TAKE:20年目にして一緒にやるっていうのは、ストーリーがあって面白いかなと。でも、やっぱりそういうシンパシーを感じて声を掛けさせてもらうことは多いですね。

いもこ:「デイドリーム ビリーヴァー」、めちゃくちゃいい曲でした。

TAKE:ありがとうございます!

ことの:FLOWさんの曲作りはどうやって進めていくんですか?

TAKE:基本は曲先です。曲が先にできて、メロディを自分がつけて、そこにヴォーカルが歌詞を充てています。最近はアニメとの親和性が重要なファクターになっているので、監督とかと話をさせてもらったりして、イメージを共有して、世界観を理解したうえで曲を書くという形でやっていて。神激の曲もいいですよね。曲を作っている人は元バンドマンなんですか? じゃないと、この楽曲の感じにはならないなと思っていて。たぶん2005年以降のスクリーモとかヘヴィ・ロックとかが取り入れられていて、だからバンドマンが聴いても納得できる楽曲に仕上がっているような気がしました。

エヴァ:ありがとうございます。最初のほうに言ったように、バンドから見たらアイドル、アイドルから見るとバンドって、すごく悩んでいた時期もあったんです。バンドさんとのツーマンとか組ませていただこうとしても、最初は断られることが多くて苦労していて。でも、実際に対バンしたバンドに曲を聴いてもらうと、"バンドじゃん"と言ってもらえたりして、今では名立たる方々と対バンさせていただけるようになりました。それって、曲がめちゃくちゃカッコ良くて、本物のことをやっているからだと思っているんです。

ことの:最新の音やラップのフロウを取り入れてくれたりもしていて。

TAKE:たしかに。ちょっとBLACKPINKっぽい感じもあったりしたもんね。トラップ以降のサウンド作りというか、そういう最新のものも取り入れているし、昔のロック・マナーみたいなものも踏襲されているから、ちゃんとしている方が作っているんだなって。

エヴァ:ロックのマナーみたいなところって私たちも大事にしていて。ただむちゃくちゃやっているだけじゃないんですよね。神激の曲って、展開はすごいし、いろんなものを取り入れているから。だけど、よく聴くとちゃんとロックに精通している、ロック・マナーというものが大事にされているところが1本の芯としてあるので、そういうところをわかっていただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。

TAKE:感じますよ。あれだけいろんなものを入れているのに、よく成立させているなぁと。あとはやっぱりフロアライク、ライヴでアガりやすいというのも含めて、曲を聴くと真意が見えるというか。

KEIGO:そうだね。"このときはフロアがこうなっているんだろうなぁ"ってイメージできる。スクリーモもすごいですよね。吐き出したい何かがあった(笑)?

あまね:(笑)それが原動力ですね。昔いじめられていた過去がありまして。そのときに"NARUTO -ナルト-"が好きすぎて、部屋にまきびしを撒いていました。

KEIGO&TAKE:(笑)

あまね:そのテイストがスクリーモとして出されています。

TAKE:もうただのロッカーじゃん。

あまね:忍者ロッカーです(笑)。

TAKE:海外でめっちゃウケそう(笑)。そういう個性が生かされた6人、そして7人のユニットになっているということですね。

よいこ:いろんなパートがあるからこそ、それぞれちゃんとしないといけないというか。自分もラップ担当になってからめちゃくちゃ(ヒップホップを)聴いているので、そう言っていただけるとすごく嬉しいです。

TAKE:バンドとかグループって役割分担がすごく大事じゃん?

KEIGO:うん、めちゃくちゃ大事だと思う。

TAKE:それぞれの持ち場があるからこそ居場所があるというか。自分たちがグループに対してできることが明確にあると頑張れるし、それがあるメンバーは強いですよ。俺らの最初はなかったよね? 5人バンドでふたりヴォーカルがいて、楽器隊3人で曲をそれぞれ書いていたんだけど、気がついたら(作曲は)俺だけになっていて。やっていくうちに明確になってきたんです。

いもこ:神激も同じですね。ロックをやりたいというのはあったけど、担当とかはなくて。

ことの:そこからスクリーム、シャウトと決まっていって。そこが決まってからは自分のやるべきことが全員理解できて、より強くなりました。

TAKE:その1×1×1がさ、何十倍にもなるわけじゃん。それがやっぱり一緒にやることの成果だよね。それを感じました。