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INTERVIEW

神使轟く、激情の如く。× BIGMAMA

2022.12.15UPDATE

2022年12月号掲載

神使轟く、激情の如く。× BIGMAMA

"神激"こと"神使轟く、激情の如く。"がアーティストを招いて座談会を開催する連載企画に、BIGMAMAからヴァイオリニストの東出真緒と、2021年に正式メンバーとして加入した"バケツドラマー"ことBucket Banquet Bisのふたりが参加してくれた。今回が初対面の両者だったが、話せば話すほどにお互いの愛とリスペクトが深まる時間となった座談会の模様をお届けする。

神使轟く、激情の如く。:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 三笠エヴァ 二日よいこ TiNA
BIGMAMA:東出 真緒(Vn/Key/Cho) Bucket Banquet Bis(Dr)
Interviewer:宮﨑 大樹 Photographer 川野晴都


ドラムYouTuber的には神激の曲の"叩いてみた動画"ができるかなと思ったんですけど――2回くらい生まれ変わらないとできない素晴らしいドラムで(笑)(Bis)


-神激の座談会企画にBIGMAMAのおふたりが参加してくださいました。

東出:中堅みたいになっちゃってる自分たちに、若い人たちからお声掛けいただいて、すごく嬉しかったです。あまり接点のない界隈かなと思っていたんですけど、ホームページを見たらバンドさんとバンバン(対バンを)やっていますよね。TOTALFATさんともやっていたから、ボーダーはないなという感じはあって。曲を聴かせてもらっても、ロックしているなと思ったし、カッコいいなと思いました。ビスたん(Bucket Banquet Bis)系なんじゃないかな?

Bis:プログレッシヴな展開とか好きですね。カッコいいし、1曲の中でめちゃくちゃ展開があるじゃないですか? テンポも変わるしジャンルも変わるし、「ワールドブレイカー」(2022年8月リリースの22ndシングル)の最後のほうのジャズっぽい感じから、最後にキャッチーなサビが出てくるところとかめちゃくちゃカッコいい。みなさんの個性の役割分担がすごくはっきりしていて、いろいろな展開があるけどまとまっていますよね。

よいこ:神激が楽曲作りで大事にしているポイントを全部言っていただきました(笑)。

Bis:それがバッチリ伝わってきて。こういう座談会がきっかけではあったんですけど、それを越えて個人的にはすごく好きで、ライヴのMCまで観ちゃいました。刺激をいただきましたね。ドラムに関して言うと、ドラムYouTuber的には"叩いてみた動画"ができるかなと思ったんですけど、2回くらい生まれ変わらないとできない素晴らしいドラムで(笑)。

エヴァ:ドラム、えぐいですよね。

Bis:めちゃくちゃ緻密に作り込まれているなと感じました。フレージングが全部噛みあっていて、あれはドラマー心をくすぐられる。

エヴァ:神激はマニピュレーターを入れているんです。その方が全部パラ・データで分けて音を出してくださっていて。だからバック・バンドをつけるよりも今がベストの形でやれています。

Bis:それ、めっちゃ思ったんですよ。ゴリゴリのバンド・サウンドだから"バンド形態でやらないのかな?"と感じたんですけど、ライヴ映像を観て"やっぱりこのままがいいな"と。MCのときも、GODちゃんがバンバンと(ドラムの音を)入れるじゃないですか? こういうライヴ感が出ているんだったら、これがいいなぁと思いました。ただ、(頭に)被っているところに、シンパシーを飛び越えて敗北感を感じていますけど(笑)。

エヴァ:(笑)バック・バンドをつけなくても、GODちゃんひとりで見えないバック・バンドがいるような状態なので、今のところはバック・バンドをつけてやりたいとまったく思っていなくて。それをわかっていただけるのはめっちゃ嬉しいです。

-神激サイドでは、TiNAさんがBIGMAMAをフェスで観たことがあるそうで。

TiNA:そうなんですよ。広島であった2011年の"SETSTOCK"というイベントで観ていまして。なかなかない形態のバンドに衝撃を受けて、夢中になって観ていました。そこからここまでの10年くらいで、形を変えて変わっていったものとか、逆にグループとして変わらずにやっていることってありますか?

東出:まず変わったのはここ(Bis)で。一番大きな変化は彼なんですけど、根本としてヴァイオリンのある唯一無二のロック・バンドということと、あとはヴォーカル(金井政人)の歌詞の世界観とか、全員が好きないろんな音楽の要素を詰め込みながらも結局BIGMAMAの曲になっている、というのは変わらないですね。

-Bisさんが加入しての変化は大きそうですよね。

東出:コロナがあって、ライヴの配信や、TikTokとかYouTubeとかで世界に発信しやすくなってきたときに、彼の要素がBIGMAMAに足りていなかったものだなと感じました。それを全部補った彼が入ってきてくれて、バンドが息を吹き返した感じがありましたね。"もっとこういうことをやっていこうよ"みたいなことを彼が体現してくれて、口も達者だしキャラクターもいいので、バンドの雰囲気が変わった感じがあって。BIGMAMAの寿命が伸びました。

Bis:広報隊長的な役割です。キャリアが15年近くあるバンドにバケツで入るって、最初は怖かったんですよ。古参のファンの方も多いし、バンド・シーンの根強いお客さんがいるので、こんなイロモノが入ったら叩かれるだろうと思ったんです。だけど、実際は温かくて。僕は死ぬほどエゴサーチするんですけど、ファンの方にも愛されているみたいです。神激さんもすでに武道館に立たれていますけど、BIGMAMAも、僕が入る前に武道館に立っているんですね。だったら"僕が入ってからも立つでしょ"、"武道館に行こうぜ"と。この姿だったら泥臭くわかりやすい発信もできるので、頑張ろうと思っています。

東出:それで、私たちが目指すところは"もう一度武道館に立つ"ということになりました。

エヴァ:(LINE CUBE SHIBUYAでの)フリー・ライヴ("Hello, My Name Is")はだいぶ思い切ったと思うんですけど、めちゃくちゃ勇気いりませんでしたか? 私たちも池袋のSOUND PEACEという箱で毎週ほぼ無料でライヴをやっていたり、大阪と名古屋とかでも毎月フリー・ライヴをやったりしているんですけど、ライヴハウスの箱でしかやったことがないので、あれだけデカいところでフリー・ライヴをやってみたいです。

東出:変わらないと思いますよ。キャパがどうなろうが、何をしたいか、何を届けたいかは変わらない気がします。

TiNA:ツアーもすごい日程数で回られてますよね?

東出:今回("BIGMAMA COMPLETE")は多いですね。神激は何日ぐらい連続でやったことがありますか?

いもこ:4日とかかな。1日2公演とかはあったりします。

東出:あんなに踊るし、シャウトもあるし......。

Bis:あれって連日やったら(喉が)死なないんですか?

あまね:今のところ死んだことはないですね。

エヴァ:シャウトよりもクリーンのほうが......(笑)。

いもこ:私たちは、歌って壊しているというより、MCで叫んで壊しているんです。

ことの:抑えようと思っても感情が昂って、つい叫んじゃうよね。

いもこ:一本一本のライヴに真剣に向き合った結果、次のことを忘れて潰すことが多いです。"一緒に声を殺していこうぜ!"と言って、本当に死んじゃうみたいな。

Bis:(笑)めっちゃロックですね。

東出:続けるための秘訣とかありますか? 体力とか。

よいこ:みんなで何かをやっているというよりも、個人個人が自分の強くしたい部分をそれぞれ練習している感じなんです。というか、それは逆に聞いてみたいです(笑)。

東出:私は一生バンドをやりたいと言っているので、"一生バンドマンでいたい"というだけです。私もBIGMAMAの初期メンバーではないんですよ。メンバー・チェンジがあったときに入ったんですけど、そのときにも"一生バンドをやりたい"って、自分の信念を掲げて、ヴァイオリンを担いで夜行バスに乗って東京まで出てきて。続けてくると、ゆらぐことともあるじゃないですか? そういうときも、"自分は何がしたいんだ?"と考えたときに"バンドがしたい"というのが残っていて。それをメンバーに伝えたら"やっぱそうだよね"、"結局みんなそこだったんだよなぁ"という気持ちを確認した瞬間もありました。

いもこ:そういう芯って大事ですよね。芯を持っているメンバーが集まるっていいなと思いました。神激も、この7人で70歳くらいまで、おばあちゃんになっても音楽をやり続けようと思えるメンバーがやっと集まっていて。だからこそ、ひとりひとりに寄り添った楽曲とか、こいつしか歌えないというパートが自分たちにできてきたのがここ2~3年です。このふたり(よいこ、TiNA)が入ってきてから固まってきました。今言ってくださったのが、その通りだなって思います。

東出:それを心から言ってくれているのが伝わるんですよ。だから泣きそうになっちゃって。なんか応援したい気持ちになります、マジで。ライヴ観たいよね?

Bis:うん。正直、ちょっと怖いと思ったんですけど(笑)。

TiNA:怖くないです(笑)!

Bis:でも、他の激ロックさんの座談会とかも読ませていただいて、すごく熱いし、このメンバーでキャリアを重ねていくという、温かくも強い空気感を感じました。あとは、いもこさんとよいこさんのYouTube。あれも素晴らしいなとマジで思っていて。根本は音楽に熱いものがあるし、カッコいいことをやっているから、ああいう距離が近いものもめっちゃ大事だと思って。

エヴァ:そういうアイコンみたいなものがあったら入りやすいというのはありますよね。

いもこ:それこそ、ライヴをやっていて怖いと思われがちなので、あっちでちょっと緩和してもらって(笑)。逆にライヴから入った人は、熱い部分とのギャップで好きになってくれたらいいなぁと思っています。

Bis:本当にあれはいいですよね、チャンネル登録もしました。

神激一同:ありがとうございます!

東出:コラボとかしたら?

Bis:そんなことしたら今度こそ叩かれちゃう(笑)。

いもこ:でも今回の座談会をきっかけに、お互いのファンが両方の音楽を聴いてくれたらめっちゃ嬉しいですね。

Bis:本当ですよね。

エヴァ:私たちのファンはアイドルオタクが少なくて、逆にバンド・キッズがめちゃくちゃ多いんです。私たちは"GOD FEST."というフェスをやらせていただいていて、TOTALFATさんとかDizzy Sunfistさんとか呼ばせていただいたんですけど、ファンはそのときが一番喜んだし、邦ロックのお客さんとの親和性がかなり高くて。だからBIGMAMAさんのお客さんも神激を好きになってもらえると思うし、逆に神激のファンも絶対好きだと思うので、良かったらぜひお声掛けさせてください。

Bis:ぜひ。僕はGODちゃんに対抗心を持って出ていきます(笑)。

東出:このあたり(※バケツのあたり)光らせようよ(笑)。対決してほしい(笑)。