INTERVIEW
神使轟く、激情の如く。
2019.11.14UPDATE
2019年11月号掲載
Member:実久里ことの 生牡蠣いもこ 涙染あまね 二日よいこ 妖精かなめ 三笠エヴァ TiNA
Interviewer:宮﨑 大樹
9月30日のZepp DiverCity(TOKYO)ワンマン"神激2周年-神時代到来~God make nova~"を見事ソールド・アウトさせ、大成功を収めた"神激"こと"神使轟く、激情の如く。"。同公演では来年2020年に、豊洲PITワンマン"神時代覚醒 -GOD AWAKE WORLD-"を開催することが発表され、さらに3ヶ月連続デジタル・リリースと、2月にはミニ・アルバム『RAGNARøCK』の発売も明らかになった。今回、ますます勢いに乗る彼女たちにインタビューを実施。Zeppの振り返りや新曲、今後のヴィジョンなどをじっくりと訊いた。
-9月30日のZepp DiverCity(TOKYO)ワンマン"神激2周年-神時代到来~God make nova~"はソールド・アウト、内容も大成功でしたね。Zeppであんなに爆音を鳴らしているアイドルはそういないですよ(笑)。
ことの:(笑)そうですね。"歌もよく聴こえたし、途中で煽っている言葉もすごくはっきり聞こえたのが良かった"って言ってくれるファンの人も多かったです。
エヴァ:キッズの人たちも"バンドぐらいすごい音だった"って。アイドルのライヴってカラオケ音源とアイドルの声しか聞こえないっていうのが多いんですけど、神激では普段からマニピュレーターさんがついてくれていて、自分たちの声、ドラムンベースの音、ギターの音、ピコピコサウンド、など何十個ものパラデータで再生してくれています。特に今回のZeppはそこからさらにそれぞれの音をパラアウトしたりリアンプをしたりしていたみたいで、アイドルを超えた音だったと思います。
-なんならMC中にギターのハウリングみたいな音も聴こえてましたよね。
エヴァ:そうなんですよ。どこかで隠れて弾いているんじゃないかなって思うくらいで。
一同:(笑)
-熱くてエモーショナルなMCも印象的でした。
ことの:ひとつ前のワンマン("謹賀神年~平成最終兵器-神激-~")を振り返ってみたときに、もちろん熱いしエモいMCをできていたんですけど、自分の思いを伝えるのに必死になっている感があったなって。今回はそうじゃなくて、神激として全員がMCで立っているのがすごく感じられたワンマンでした。"この思いを伝えるのはお前に託したぞ、私はこの思いをみんなに伝える"みたいな。みんながみんな全部を言うんじゃなくて、"私はこのメッセージを本気で伝える"っていうのが、それぞれできたのかなって思いましたね。
-そういうのって自然とできるようになっていったんですか?
いもこ:自然ではないですね。同じ言葉を繰り返して伝えてしまう失敗を何度もしました。そういうのって、何回も言うと説得力が減ったり、くどくなったりするんですよ。成功も失敗も積み重ねてのZeppだったけど、今回はすごくバランスのいいMCになったのかなって思います。
よいこ:私は、自分の経験の浅さみたいなものをすごく感じたZeppだったので、一緒にやってくれている先輩方の背中が大きく見えたというか、支えてもらったなと思って。このZeppを通して自分の目指したいところがハッキリ見えました。
-目指したいところと言いますと具体的には?
よいこ:ラップで魅せたいっていうのが自分の中にあるんですけど、ライヴの最初はうまくできなかったんです。次の豊洲では絶対に成功させるっていうのはもちろんなんですけど、人前に堂々と立つっていう部分が欠けていたなって思うので、そこは豊洲までに一個一個積み重ねていければ、という気持ちでした。
-他のみなさんにとってZeppはどうでした?
TiNA:メンバーが気持ちをひとつにするっていうのはもちろんなんですけど、観にきてくださったお客様、神者(※神激ファン)のみんなが合わさっての一体感みたいなものをすごく感じましたね。ワンマン・ライヴならではの空気感が素敵だったなっていう気持ちと、もっと大きいところで、もっとヤバい景色を見ることができるんじゃないかなって。
かなめ:自分には"これ"っていう武器がまだ確立されていないような気がしていて、不安もあったんです。でも、ファンの人に"大きな舞台かもしれないけど、等身大の自分で楽しんでほしい。積み重ねてきたものは無駄じゃないし、それが大きなステージで出てくると思うから"って言われて。すごく緊張していたんですけど、そういう声もあって、神激をひとつにするライヴにすることができました。
あまね:自分の担当しているMCは言葉を並べてセリフ調に言うみたいな感じなんですけど、今回はフロアとコミュニケーションを取りたかったんです。それで、アンサーを求めたらフロアが沸いてくれて、こんなにフロアが応えてくれるところって、アイドルでは神激以外あんまりないんじゃいかなって思いました。フロアとの絆が深まっているというか、フロアを含めて今まで以上のものができたなって。
-みなさん、フロアの一体感という意味ではかなり満足いくものになったようですね。
いもこ:今までにはなかったようなレスポンスが多かったんですよ。ツーステとかいろんなことを取り入れてきて、今までは"これが認められるのかな?"って思ったり、批判の声も多かったりしたんです。だけど、今回のワンマンに関しては、みんながそれを受け入れて好きって言ってくれる状態だとわかっていたので、自信を持ってそれを提供して楽しめる空間っていうのが、身に染みて感じられるライヴだったのかなと思います。続けてきたことがすべて間違いじゃなかったんだなって。
-その手応えを感じていることはライヴで伝わってきましたよ。以前、ことのさんが"「この夏は全ていただく」と歌って、その結果として「全ていただけたのか」がZeppの景色でわかる"と言っていました(※激ロック9月号掲載)が、実際に"この夏"はいただけましたか?
ことの:そうですね。Zeppが終わったあとの特典会で話していると、Zeppが初めての人も多かったですし、"TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL)"みたいな夏フェス系で初めて観て、"あのときの楽しさが忘れられなくて、今日のZeppワンマンは絶対楽しいって思ったから来ちゃった"っていう人も多かったです。前からの神者の人に聞いても、誘ってた友達が"この夏は神激が頑張っていたのを見ていたし、あなたが楽しそうにしていたから、私もZeppワンマンに行ってみるよ"って言ってもらえることがあったと。メンバーはもちろん、神者としてもこの夏はいただけたのかなっていうのはありました。
-手応えはバッチリのようですね。Zeppではいろいろな発表がありましたが、特に衝撃度が高かったのは豊洲PITワンマン"神時代覚醒 -GOD AWAKE WORLD-"の開催でした。
ことの:キャパが単純に倍くらいになるので、もちろん嬉しいっていう気持ちもあるんですけど、豊洲PITに立つなら、立つなりのアイドルにならなきゃいけないなっていう責任感みたいなものは感じましたね。"豊洲PITでワンマンをやるぞ"って名乗っているアイドルだという自覚を持たなきゃいけないなと改めて思いました。Zeppのときも自覚はもちろんあったんですけど、そこからレベルが上がるんだぞって。
-やはりプレッシャーがありますか。
いもこ:めちゃくちゃあります(笑)。グループの現状とアイドル・シーンを見ていると、"豊洲PITは全員を呼んでも埋まらないんじゃないか?"っていう話を神激チームとしていて。アイドル・シーン以外のファン層をいかに取っていくのかっていうのが、今の私たちの課題だなって話してますね。
-バンド・シーンとかですよね。すでに取り込み始めているイメージがあります。
TiNA:この前、"激ロックを読んで来ました"っていう人もいました。
よいこ:"なんで神激のこと知っているんだろうって思ったら、激ロックで記事を読んだからだ"みたいな呟きもあって。