神使轟く、激情の如く。：実久里ことの　生牡蠣いもこ　涙染あまね　三笠エヴァ　二日よいこ　TiNA
FLOW：KEIGO（Vo） TAKE（Gt）
インタビュアー：宮﨑 大樹　Photo by 清水舞

いつかツーマンお願いします！サウジアラビアで（笑）！（いもこ）

－神激の歌詞についてはどのような印象を受けましたか？

TAKE：エモいですよね、歌詞。

いもこ：作詞のクレジットとしては私なんですけど、ひとりで作るというよりはメンバー全員で作っていて。FLOWさんはライヴ中に歌詞が浮かぶことはありますか？

KEIGO：曲のテーマがライヴとかお客さんに対しての想いだったら、ライヴの景色を想ったりすることはあるけど、ライヴ中はないですね。MC中とかにあるんですか？

いもこ：そうですね。アイドルっぽいMCというよりはバンドのMCに近いというか。

TAKE：MCも熱いですよね。（日本）武道館のライヴ映像を観させてもらったんですけど、そのときに感じているファンに対する想いだったり、これからどうありたいかということだったり、熱くて、バンドマンみたいに語っていて。

いもこ：悔しいことも嬉しいことも、全部その場で言葉にするんですけど、それは自分ひとりだけじゃなくて、メンバーそれぞれが話したいことをその場で話してくれるんです。それが自分に刺さったときに、言葉をメモに残したりしますね。

TAKE：だから、いもこさんが書いているけど、ちゃんとグループ、全員のメッセージになっていると。

TiNA：その通りです。すごい。

KEIGO：神激側の人なの（笑）？

一同：（笑）

TAKE：歌詞で印象的だったのが、まずは「ワールドブレイカー」（2022年8月配信リリースの22ndシングル）です。"100点でじゃなく 100%で"――これですよ。満点を目指すって、誰の基準の満点なんだ。そうじゃなくて、自分の中で、100パーセントで出し切ろうという歌詞が素晴らしい。あとは「自己都合主義メタモルフォーゼ」（2018年リリースの6thシングル表題曲）の"綺麗事すらも現実に変えていこうか"。SNSとかで"きれいごとだ"とか言われることが多い世の中ではあるんだけど、そんなことよりも、それを自分たちが信じて形にしていこうと。これですよ。

ことの：もしかして、一緒に曲を作りました（笑）？

一同：（笑）

いもこ：アイドルとバンド、両方のいいところ取りをしようみたいな感じで始めたんですけど、ファンの人からしたらわからないじゃないですか？ いろんな否定の声とかもあったんですけど、自分たちは、アイドルとかバンドとかは正直どっちでもよくて、何より神激というジャンルをやっていきたいという想いを込めて走り続けていて。そうしたら、だんだん認めてくれる人が増えてきたので、徐々に"綺麗事すらも現実に変えて"いる段階ではあるのかなと。あと、口にすることってめちゃくちゃ大事だなと思っていて。"武道館でやりたい"ってデビューのときから言っていたんですよ。お客さんが10人くらいのときから言っていたんですけど、結果今年の3月に開催することもできたので、それが大事だなって思います。

TAKE：いよいよ来年は幕張（メッセ）ですよね？

TiNA：はい。FLOWのみなさんも幕張（"FLOW 20th ANNIVERSARY SPECIAL LIVE 2023 ～アニメ縛りフェスティバル～"）ですよね？ アニソン縛りで。

TAKE：アニメ関連曲が20何曲かあるんですけど、その曲だけで作るライヴ（"アニメ縛り"）というのを定期的にやっていて。20周年イヤーを祝して、特別なライヴとしてやらせていただきたいと思っています。すべてやります。"NARUTO -ナルト-"、"コードギアス 反逆のルルーシュ"、"エウレカセブン（交響詩篇エウレカセブン）"、"デュラララ!!"、"ドラゴンボール"も"サムライフラメンコ"という伝説のアニメも。

エヴァ：神激でもアニメのオープニングをやってみたいですね。

TAKE：その名前なんだから"進撃の巨人"でやればいいのに。

一同：（笑）

よいこ：待ってるんですけどね（笑）。

TAKE：ちょうど先週、サウジアラビアで神聖かまってちゃんとヒグチアイさん（※両者とも"進撃の巨人"とタイアップの経験がある）と一緒になって（"サウジアニメエキスポ2022"）。

ことの：サウジアラビアでのライヴってどんな感じなんですか？

TAKE：みんなこんな感じ（※両手を上げてくねらせる）。

KEIGO：中東の人ってそんなにライヴ慣れしていないから、ノリが独特すぎて。バラードをやったときに、今みたいに急に揺れだしたの。それが気になって歌詞が飛びそうになった（笑）。

よいこ：神激も世界に行きたいんですよ。

ことの：YouTubeでも海外の方からのコメントが多くて。コロナ禍がだんだん終わってきて、海外の人が日本に来られるようになって、ライヴにも足を運んでくれています。

TAKE：アイドル文化って海外に強いんじゃないですか？ ベビメタ（BABYMETAL）先輩が切り拓いてくれて。激しい音楽は海外でウケますし。

エヴァ：アルバムで配信の1位を取ったのが、たしかサウジアラビアでした。

TAKE：もうサウジ取っとるやないかい（笑）！ 次、王子に会うことがあったら、言っておくよ（笑）。インターネットでみんな同じようにアニメを観ているし、音楽も楽しんでいるから、そういう意味ではどんどん海外に行ける土台はできているかなと思っていて。そうやって配信とかでも聴いてくれているなら需要はありますよ。海外で日本のカルチャーとかアニメがウケているということを、日本人が一番知らないんです。相性いいと思いますよ、みなさん。

KEIGO：めっちゃいいと思う。行くことがやっぱり大事で。日本のツアーでもあんまり変わらないなと思うんだけど、行かないとその土地のお客さんが増えないし、一発行っただけじゃ来てくれない、なんにもならなくて。配信とかでライヴは発達しているし、それは便利だけど、現場で触れることってめちゃくちゃ大事だなっていうのは、海外で改めて思いました。海外公演、実現するといいですね。

いもこ：いつかツーマンお願いします！ サウジアラビアで（笑）！

KEIGO：（笑）サウジアラビアは日本のライヴと良さが全然違くて。どっちもいいところがあるんだけど、ノリ方とかあまりにも違う。日本の良さは一体感だって思っているんですけど、海外の人たちって一体感というよりかは、"この時間は私のもので、私は今めちゃくちゃ楽しいです"というのを個々で表現しているんですよね。

エヴァ：自由な感じなんですね。

TAKE：だからウェーブが成功しなくてね（笑）。

KEIGO：カタコトの英語で説明するんだけど、"じゃあ3、 2、 1でいくよー"って言うと、みんな一斉にドン！ って飛ぶんだよね。"ウェーブになってないけど、みんな楽しそうだからいいや！"って（笑）。

TAKE：それがついにね、サウジアラビアで波が起きたんだよ。

KEIGO：最初に俺たちがやって見せるようにしてみたんだよね。すごく丁寧にやって見せたら、ウェーブをやってくれて。

TAKE：たぶん、サウジアラビアで狙って波を起こしたのは日本人アーティストの中でFLOWが初だと思う（笑）。

よいこ：すごい！ "FLOW"させてくってことですね！

TAKE：おっ、さすが上手いね（笑）。

よいこ：FLOWさんって自分たちからしたらレジェンド的な感じだったんです。だけど、今でもライヴ活動をしていて、もっともっと更新していこうみたいな、めちゃくちゃ現役ですね。20年挑戦し続けるってすごくカッコいい。アイドルって5年続けて女優になるみたいな道もありますけど、うちらも20年とかやっていきたいと思っていて。20年やってきて、今の目標とかってあるんですか？

KEIGO：5大陸制覇。あとオセアニアとアフリカ大陸に行ったら5大陸制覇なんです。それを20周年中に達成したいなと思って。続けるモチベーションって新鮮味だったりするので、そういう意味では新しい挑戦はしていたいです。今度VRライヴもやるんですよ（※取材は11月上旬）。"コードギアス 反逆のルルーシュ"とコラボして、作品の世界観の中で我々がアバターを着てライヴする（"コードギアス反逆のルルーシュx FLOW バーチャルライブ"）とか。

エヴァ：めちゃくちゃ熱い！

－改めてですけど、FLOWはもう20周年になるんですね。

TAKE：そうですねぇ。付き合いだったらもう高校のときからですよ。

ことの：この道で食べていくことに迷いはなかったんですか？

KEIGO：めちゃめちゃあった！ これ1本でプロを目指そうってなるには、自分の中で時間がかかったし、じゃあいざ"やろう！"ってなってからも、わからないことの連続でした。だから地に足がつくまではだいぶ時間がかかったなと思う。俺が事故に遭って、バンド自体が初めて止まっちゃったときにめちゃくちゃ考えて。何をやっても上手くいかないし、ただただ凹んでました。でも、そこからバンドの中の自分の立ち位置みたいなのが見えてきて。そこらへんからやっと地に足がついてきた感じがあったかな。だからデビューしてからだいぶグラグラしていたし、迷っていたとは思う。

TAKE："四十にして惑わず"ですからね。"不惑"って言うんですよ。でも、40歳になっても迷い放題です。ただ、迷いながら進むのもいいのかなぁと。神激のメッセージって、現状に甘んじない、"変えていきたい！"という人たちの想いを代弁してくれていて、すごくフォロー・ザ・リーダー感がある。ジャケットもそうだったしね。その感じがすごくいいと思うんだよね。

エヴァ：ありがとうございます。神激の曲は、そんなふうに迷っている人とか、"今から頑張るぞ！"みたいな人に響きやすい曲だと思っているんです。お客さんにもめちゃくちゃデカい夢を持ってる人が多いので、その人たちの刺激になればいいなと思うし、逆にお客さんのそういう姿を見て刺激を貰うことも多いですね。

TAKE：お客さんも含めていいチームじゃないか！ 音楽には力があるし、ライヴでも力を貰える。コロナ禍で不必要なものだとされていた我々の音楽は、ここから逆襲の時間ですよ！ 行きましょう、サウジ（笑）！