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FEATURE

魔訶不思議変革者 -デスデス-

2024.08.15UPDATE

2024年08月号掲載

魔訶不思議変革者 -デスデス-

Writer : 宮﨑 大樹


デスデスが退屈な日常を破壊し、どんな夢を見させてくれるのか――彼女たちが作る伝説の第一歩を目撃するチャンスは一度きりだ


"令和世代の若者には夢がない"なんて話をどこかで見聞きしたことがある。その真偽は置いておいても、マクロな意味で日本全体に、ミクロな意味で今のロック・アイドルやロック系ユニットのシーンには、なんとなく閉塞感のようなものが漂っている気がする。本当は何かに熱くなりたい、ワクワクしたい、そんなふうに思いながらも退屈な日々を過ごしているファン層は、少なからず存在しているのだろう。

そんな退屈な日常を音楽の力で"破壊"することで人々を救うべく、とあるダーク・ヒーローな7人組ガールズ・ユニットが爆誕した。彼女たちの名は"魔訶不思議変革者 -デスデス-"。字面だけを見ると、なんともおどろおどろしいグループ名だが、名前の由来は"Death"ではなく、"Destiny"と"Destroy"から来ているそうだ。

本稿を執筆時点では、まだ世の中にその存在すら明らかになっていない彼女たちだが、なんと彼女たちのデビュー・ライヴは8月18日に行われるあの"サマソニ(SUMMER SONIC 2024/TOKYO)"のステージだという。ロック・アーティストにとって憧れの地でデビューを飾るという規格外っぷりには驚きを隠せないし、話題性は抜群だ。

そんなデスデス(魔訶不思議変革者 -デスデス-)を支えるサウンド・チームも、これまたすごいことになっている。作詞を務めるのは、コミカルな歌詞を武器にラウドロック・シーンで異彩を放つ、夕闇に誘いし漆黒の天使達の小柳(ブス担当/Vo)。作曲は、同じくラウドロック・シーンで唯一無二の存在であるa crowd of rebellionの丸山 漠(Gt)という、激ロック読者にとってはなんともアベンジャーズ感のある布陣だ。

メンバーは7名で、それぞれバンドのようにパートが分かれているところがポイントだ。メイン・ヴォーカルは、藍夢 霙(あいむ みぞれ)と依杯おをい(いっぱいおおい)の2名。青色がイメージ・カラーで"奇想天外暴走天使"の異名を持つ藍夢は高音域を得意とし、白色がイメージ・カラーで"カオスマスター"の依杯は、太く力強い歌声が持ち味だ。2人はバンド経験者でもあり、ライヴ・パフォーマンス時の所作にも注目したいところ。

赤色がイメージ・カラーの"Dynamic Dance Destroyer"ことNANAI(なない)と、黄色がイメージ・カラーの"眠れる楽園"なまけ・もの(なまけ もの)は、共にラップを担当する。ダンス・スクール出身のNANAIは、ラップ技術の高さだけでなく、その二つ名の通りダンスの面でも秀でているようだ。なまけ・ものに付けられた"眠れる楽園"という言葉からは、彼女の持つ潜在能力の高さや明るいキャラクター性を感じさせる。

メイン・ヴォーカル、ラップと来て、このグループには萌声担当も存在する。担当メンバーは、ピンク色がイメージ・カラーの不二子(ふじこ)と、緑色がイメージ・カラーの天嶺まお(あまみねまお)。フリフリの衣装にツインテールと、グループの中では最も王道アイドル系のヴィジュアルの不二子だが、彼女には"萌えキュンサイコパス"という一癖ありそうな二つ名がある。活動を通して、何かしらの二面性を知ることができそうで楽しみな存在だ。一方、上下レザーでTHEロックな出で立ちの天嶺が萌声を担当するというところも興味深い。"不屈の翠聖女"という二つ名の通り、おしとやかなお嬢様のような印象も受けるので、実際の彼女のキャラクター性も気になる。

さらにポエトリー担当メンバーとして月姫澪乃(るなきれの)がいることも、他グループとの差別化に繋がりそうだ。"魅惑の魔王"という異名があることから、声質やオーラ、独自の世界観を持っていることが想像でき、ライヴでの飛び道具的な存在として、グループにとっては欠かすことのできない存在になりそうだ。

これだけ個性豊かな7人が、どんな化学変化を起こしながらデスデスの世界を創造していくのか、非常に楽しみである。そんなデスデスは、"サマソニ"でのデビュー・ライヴ後の8月22日に、下北沢シャングリラで単独フル・デビュー・ライヴ"退屈な日常、破壊にきました。"も開催予定。同日には1st EP『初めまして、デスデスです。』をリリース予定だ。

ダークながらポップなジャケットが目を引く本作には全4曲を収録。Track1.「超寝てない」は、睡眠時間を削って何かに打ち込む、つまり"寝ていない(夢を見ていない)けど夢は見ているんだ"と、"夢"をダブル・ミーニングにした1曲だ。目まぐるしく変化していく曲調や音色はジェットコースターのようだが、つい口ずさみたくなるようなキャッチーなサビがとっつきやすさを生んでいる。Aメロで登場する"超 超 超 超 寝てない"のコールは、ライヴで盛り上がる光景を容易に想像させた。

魔訶不思議変革者-デスデス-「超寝てない」MVティザー映像

続くTrack2.「現実逃避★ギャラクシー」は、どうせ現実逃避するなら宇宙まで逃げてしまえ、という発想がユニークな1曲。ポップス要素が強いながらも、ラウドなギターと宇宙的な上物とのマリアージュが印象的だ。"逃げる"という行為をネガティヴに捉えない点で、この曲が誰かの救いになりそうな予感。

Track3.「ナンダ・カンダ・サンバ~夏夏夏~」は、ラップ・パートと歌唱パートが入り乱れるミクスチャー・ロック・ナンバー。本格派のミクスチャー・サウンドにもかかわらず、タイトルにも入っているサンバの要素がところどころに見え隠れするあたりが面白い。歌詞、メロディを手掛けるクリエイター陣の鬼才っぷりが遺憾なく発揮された、最高にクールでヘンテコ(※褒め言葉)な楽曲だ。

そしてEPを締めくくるTrack4.「DARK HERO」は、タイトル通りにデスデスのダーク・ヒーローとしてのスタンスを歌い、そして謳う1曲。デスデスにとっては、名刺代わりの1曲とも言えそうで、同時に代表曲にもなりそうだ。ゴリッゴリのメタルコア・サウンドに、卓越したエモーショナルさを持ったメロディの融合は文句なしにカッコいい。

EPに収録される4曲の方向性がそれぞれ違っており、デスデスの音楽の全体像はまだまだ未知な部分が多い。現時点での筆者の印象は、①本格派で極上のラウドロック・サウンドが下地になっていること、②その下地の上に大胆なアレンジが施されていること、③楽曲によってカメレオンのように色を変える歌詞の世界観、④そんな楽曲を乗りこなすために様々な個性のメンバーが集められていること、といったところ。ただ、そんな先入観めいた筆者の印象も、今後のグループの展開で大きく変わっていく可能性も高い。音楽リスナーにとってはダーク・ヒーローなグループであり、音楽シーンにとってはダーク・ホースなグループとも言えるかもしれない。

これらの楽曲を個性豊かなメンバー7人がどのようにステージ上で表現をするのか、彼女たちのポテンシャルと共に確認したくなったのではないだろうか。"サマソニ"のチケットはすでにソールド・アウトしているため、もしチケットをゲットできている方はデスデスのデビュー・ステージをぜひ目撃してほしい。残念ながら"サマソニ"で観ることが叶わない方も、下北沢シャングリラに足を運んでみてはいかがだろうか。

今夏に衝撃デビューを果たすデスデスが、これから我々の退屈な日常を破壊し、どんな夢を見せてくれるのか。彼女たちが作る伝説の第一歩を目撃するチャンスは一度きり。今しかないのだ。

LIVE INFORMATION

DEBUT LIVE
"SUMMER SONIC 2024"
8月18日(日)ZOZOマリンスタジアム&幕張メッセ

FULL DEBUT LIVE
"退屈な日常、破壊にきました。"
8月22日(木)下北沢シャングリラ

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RELEASE INFORMATION

1st EP
『初めまして、デスデスです。』
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2024.8.22 ON SALE!!
1. 超寝てない
2. 現実逃避★ギャラクシー
3. ナンダ・カンダ・サンバ~夏夏夏~
4. DARK HERO

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