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LIVE REPORT

LUNATIC FEST. -DAY1-

2015.06.27 @幕張メッセ 1-4ホール

9mm Parabellum Bullet / MOON STAGE
オープニングアクトのLUNACYが、初期風メイクと、ヒリヒリとした初期の曲を披露し、幕張はパンパンに溢れ返るほどの観客と熱気に包まれている。MOON STAGEの初っ端を飾るのは、9mm Parabellum Bulletだ。彼らの音楽性は、メタルやヴィジュアル系からの影響を彷彿させつつ、非常に独創的なものであり、演奏力/パフォーマンスなどにおいても群を抜いている。ATARI TEENAGE RIOTの暴力的なSEが鳴り、メンバーが登場し、キラー・チューン「Discommunication」からスタート。鋭利な刃物を振りかざしているかのように楽器をかき鳴らす滝 善充(Gt)と中村和彦(Ba)、裏打ちのリズムを正確且つ情熱的にプレイするかみじょうちひろ(Dr)、透き通るような声で独特なフレーズを歌う菅原卓郎(Vo/Gt)。彼らの演奏は、やはり観るたびに逞しくなっている。シアトリカルなギター・フレーズが印象的な「ハートに火をつけて」が演奏されたあと、"ルナティックフェス始まったぞ!LUNA SEAが俺たちをここに呼んでくれたことに感謝します。みんないいか、紹介するぞ。J!!!"とのMCがあり、LUNA SEAのベーシストJがステージに登場!ダブル・ベースで「Cold Edge」が披露され、滝とJは向かい合い、メンバーみな嬉しそうな表情。観客もこのサプライズに歓喜している。このサプライズは、前日にJから申し出があったそうだ。LUNATIC FEST.ならではの夢の競演である。Jが去ったあと、「Black Market Blues」、楽器隊の超絶技巧と菅原の個性が光る、メタリックで複雑なリズムの「生命のワルツ」、そしてラストは高速ナンバー「Punishment」。メンバーみな姿勢を低くして頭を振り、前方のファンから後方の観客まで、幕張メッセ全体を興奮の渦に巻き込んだ。(KAORU)


coldrain / FATE STAGE
90年代の雰囲気いっぱいのTOKYO YANKEESのショーから一転してモダンなメタルコア・サウンドを幕張メッセに放ったのはcoldrainだ。人気曲「The Revelation」でスタートし、間髪いれずに「No Escape」をプレイ。早々から会場を大きくバウンスさせていた。"今日のラインナップを見たらわかるだろ? LUNATIC FEST.が1番ヘドバンできるフェスだと思います!"とのフロントマンMasatoのMCに拍手喝采。そこから"いけるかー!かかってこいやー!"と煽り、「Six Feet Under」へ。続く「Die tomorrow」では、会場一体となっての大合唱が巻き起こった。音楽を始めるきっかけとなったバンドのひとつにLUNA SEAを挙げているベーシストのRxYxOを始め、この日の5人のアグレッシヴなパフォーマンスには並々ならぬ気迫が感じられた。若手ながらラウドロック・シーンの最前線で活躍するバンドがLUNA SEAという日本のロック・シーンを代表するビッグネームのフェスに出演を果たしているという事実は実に喜ばしい。Masatoの"歴史の一部になれて光栄です"とのMCにも、後方で静観していたSLAVEから大きな拍手が送られていた。ラストは"Respect, LUNA SEA!!"とシャウトし、「The War Is On」を熱演。キッズからもSLAVEからも大きな歓声が送られ、coldrainは幕張メッセにたしかな爪痕を残した。(MAY-E)

Fear, and Loathing in Las Vegas / FATE STAGE
"幕張ー!楽しんでいこうぜ!"のっけからハイテンションで攻めていたのは、神戸出身の6人組Fear, and Loathing in Las Vegasだ。coldrainという近しいシーンのバンドも出演しているとはいえ、この2日間を振り返ってみても、やはり彼らがこのフェスのラインナップの中でとりわけ異色といえる存在であった。LUNA SEAに対して"先輩とかいう次元じゃない"と、その存在の大きさを称えていたSxun(Gt)。LUNA SEAのバンド活動歴と自分たちの実年齢が一緒だというこの最年少の出演者は、等身大のMCと若いパワーを武器に、間もなくフェスの後半戦に差し掛かろうとする幕張メッセを押しに押しまくる。「Rave-up Tonight」から始まった全7曲は、キッズが集結した客席前方を中心に終始熱狂的な盛り上がりをみせていた。"1番若手の俺らがちょっと生意気だけど"と前置きしつつ"全部ぶつけて帰るんで、めちゃくちゃ狂いまくってる姿をLUNA SEAに見せませんかー!"と客席を煽る。「Virtue and Vice」ではおしくらまんじゅう状態の客席にMinami(Vo)が飛び込むという一興も見られた。開放感のあるSIAM SHADEのライヴとアーティスティックなDIR EN GREYのライヴの間に挟まれていた、このカオティックなパーティー・バンド。そんなタイムテーブルの異常性も、フェスならではであろう。全部ひっくるめて楽しめた。(MAY-E)

DIR EN GREY / MOON STAGE
昨年リリースした『ARCHE』は、DIR EN GREYの集大成であると共に、さらなる可能性を示す大傑作であった。今年4月には最新ミュージック・クリップ集『Average Sorrow』をリリースし、5月にヨーロッパ・ツアーを終えたばかり。LUNA SEAをリスペクトする彼らが、今夜どんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。ステージ中央には半透明の幕が降りており、「and zero」が生演奏で始まり、そのまま「SUSTAIN THE UNTRUTH」へ。幕にはメンバーの影とイメージ映像が写し出され、左右のモニターは真っ暗なままだ。骨太なリズムと、重厚なギター、京のハイトーン・ヴォイスが響き渡る。「激しさと、この胸の中で絡み付いた灼熱の闇」が始まると、幕が開き、やっとメンバー全員の姿を見ることができた。フロントの京(Vo)、薫(Gt)、Die(Gt)、Toshiya(Ba)は真っ黒な衣装に真っ黒な楽器、Shinya(Dr)は真っ白なシャツといういでたちで、ゴシックな雰囲気。Toshiyaのベースには、"Wake up mother fucker"の文字が書かれている。曲の終わりに、Shinyaが長めにドラムを叩いて聴かせた。「朔-saku-」が始まると、ステージ中央スクリーンに、規制なしバージョンの衝撃的なMVが映し出される。観客を見ていると、興奮している人、口をポカーンと開けている人、耐えられずにフロアから離れていく人もいて、フェスならではの反応だ。他のロック・フェスと違い、DIR EN GREYを知らない人はほぼいないと思われるLUNATIC FEST.でもこのような反応なのだから、逆に面白い。彼らは常に痛みと向き合い、観客にも痛みを味あわせ、共有させる。ワンマンであろうが、フェスであろうが、根本的にそういうバンドなのだ。「THE FINAL」の演奏が終わると、ステージにはヴァイオリンを持ったSUGIZOが登場。ヴァイオリン・ソロを披露した後、スクリーンには無数のキャンドルが写され、「空谷の跫音」が演奏された。美しいこの曲に、SUGIZOのヴァイオリンが加わり、あまりに美しい夢の競演が実現した。MCもなく、SUGIZOは静かに去る。そして、「Un deux」、「Revelation of mankind」と、『ARCHE』からの曲が立て続けにプレイされ、ラストの「羅刹国」では、フロントのメンバー全員が思い切り頭を振り、オーディエンスは大熱狂。逞しい演奏と、DIR EN GREYらしい尖った内容のライヴ。LUNATIC FEST.においても、やはり彼らは異端児であった。それでこそ、DIR EN GREYなのだ。(KAORU)


X JAPAN / MOON STAGE
ライヴが始まる前から、フロアのそこかしこから"WE ARE X"コールが沸き起こっている。「Miracle」が鳴り響き、ドラムにスポットが照らされ、YOSHIKIが腕を交差しXポーズ。なんて眩しい光景だろう。YOSHIKI(Dr)がドラムに座りコルセットを装着し、「JADE」からスタート!TOSHI(Vo)の声は絶好調でハイトーンもとても綺麗に伸びている。PATA(Gt)とSUGIZO(Gt/Violin)の個性異なるツインギターが絶妙に絡み合い、HEATH(Ba)は貴公子のような出で立ちでリズムを支える。「Rusty Nail」では、サビで大合唱が沸き起こる。"会いたかったぜルナフェス!今日はお前たちの大和魂見せてくれ!!"YOSHIKIがピアノに座り、「紅」の冒頭部の流麗な旋律を奏で、TOSHIがお約束の"紅だぁぁぁぁぁぁ!!"という雄叫びと共に銀のテープがド派手に放出された。こうなったらもう独壇場だ。PATAはHEATHに絡み、TOSHIはYOSHIKIの側で歌っている。長年のファンでなくとも、この光景はとても美しく映っていたのではないだろうか。MCでは、"今日は僕の大親友のLUNA SEAのためにみんな集まってくれてありがとうございます。レコーディングが完成しなかったのはLUNA SEAのせい(笑)。この場でレコーディングを再開します。"(YOSHIKI)"今日はお前たちの声を、X JAPANの20年ぶりのニュー・アルバムに入れてくれる?"(TOSHI)"じゃあさTOSHI、練習していていこうか。"(YOSHIKI)と、唐突にニュー・アルバム制作宣言、そして公開レコーディングが開始される。こんな突飛なことも、X JAPANならではだ。流麗な旋律がピアノから奏でられ、フロアのオーディエンスがTOSHIの歌ったフレーズを大合唱する。「Kiss the sky」のレコーディングが終わり、YOSHIKIがLUNA SEAと出会った経緯などを話し、LUNA SEAや関係各位、ファンに対して"本当に幸せです。みなさんありがとう。"と丁寧な感謝の意を述べている最中、感極まり涙を流した。これまで散々アルバムを待たされたこと、メンバーを巡る、あまりにもたくさんの事柄に、ファンがたくさんの涙を流したことも、すべてがこの瞬間に浄化されてしまった気がした。感動的な「ENDLESS RAIN」も、かつてのエクスタシー軍団の顔であるLADIES ROOMのGEORGEも参加した「X」での全力のXジャンプも、YOSHIKIの涙を境に、一体感がこれ以上ないほど膨れ上がった。本編が終了した後、「Tears」がBGMで流れる中、スクリーン上手には"In Memory Of HIDE 1964-1998"、下手には"In Memory Of TAIJI 1996-2011"と題されたメモリアル映像が映し出され、メンバーとして紹介された。様々な想いは、その場にいた人たち全員の記憶に残るものとなったのではないだろうか。YOSHIKIはiPhoneでオーディエンスを入れた自撮り撮影をし、子供のような笑顔がInstagramにアップされている。最後の最後まで感動的。X JAPANは、2016年3月11日にニューアルバムを世界同時発売することが発表されている。いよいよ、世界が激震する日が訪れる。(KAORU)

LUNA SEA / MOON STAGE
LADIES ROOMのライヴではRYUICHI(Vo)が百太郎と共に「酒と泪と男と女」を熱唱、SIAM SHADEのライヴでは真矢(Dr)が"壊れるほど愛しても~"と「1/3の純情な感情」を歌いだしたり、DEAD ENDの「SERAFINE」にはRYUICHIとSUGIZO(Gt/Violin)が参加するなど、この場でしか観られないであろう激レアなコラボレーションが目白押しだったLUNATIC FEST.初日。LUNACYとして自らOAを務めたことも含めて、LUNA SEAというバンドはこれほどまでにサービス精神旺盛なエンターテイナーだったのかと驚くばかりだ。大トリを前にしてすでにこの上ない幸福感に酔いしれる中、いよいよ主催者LUNA SEAが登場。「LOVELESS」で軽やかにスタートするなり幕張メッセは大きな一体感に包まれる。続く「Dejavu」ではシンガロングが、「Rouge」では"オイ!オイ!"とコールが巻き起こり、さらに「JESUS」「TONIGHT」「gravity」と人気曲でたたみ掛ける。ひと時も目が離せない白熱のステージング。「Sweetest Coma Again」では舞台から炎を吹き上げ、その盛り上がりはさらに加速していく。

"ほんとは一緒にステージに立ちたかった仲間とかいてね。残念ながら来れなかったんだけど......。いや、違うな。今夜この会場に、このステージに来てくれていると思います"

そんなMCを挟んで、なんとhide with Spread Beaverの名曲「ピンクスパイダー」を熱演! VJスクリーンに大きく映し出されたhideの姿を背景にプレイする5人の姿に、割れんばかりの大歓声が飛んでいた。会場一体となってのシンガロングと共にとてつもない熱量を生んでいたこの「ピンクスパイダー」の盛り上がりは、今日のハイライトとも言うべき一幕だったし、"hideさんと一緒に歌う夢が叶いました"というRYUICHIの言葉もまた印象深かった。X JAPANら大先輩バンドから若手バンドまでも従えたこの日のラインナップを、"ロックの地層"と例えていたRYUICHI。"エクスタシーサミット"から20年以上を経て実現した、これはまさに現代を象徴するロック・フェスと言えるだろう。アンコールでは続々と出演者がステージに上がり、「PRECIOUS...」をセッションするという大団円で初日の幕を下ろした。(MAY-E)

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