MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

DISC REVIEW

PHALARIS

DIR EN GREY

『PHALARIS』

Release Date : 2022-06-15
Label : SMM itaku (music)

死は誰しもにいずれ訪れるものだが、そこまでの過程と末期の迎え方は、人により千差万別だと言えるだろう。約10分にわたる「Schadenfreude」で始まり、9分を超える「カムイ」で終わる今作は、公式宣伝資料にある"通算11作品目にして最も重く暗い最新アルバム"との文言通り、たしかに全編が暗澹たる影を漂わせた音と言葉によってまとめあげられている。そして、そもそも前述の2曲はともに死の印象を纏っているのである。かつて彼らは「アクロの丘」という楽曲を発表しているが、"PHALARIS"とは古代ギリシアのアクロポリスに神殿建設を委ねられた人物で、やがて君主へと成り上がっていった野望家にして、陰惨極まりない処刑器具、ファラリスの雄牛を作らせた人物としても悪名を馳せたのだという。人間の醜さ、生きることの残酷さ、やまぬ深い心の痛み。それらを濃密且つ熟成した音像で描き出す彼らの手腕は、絶対的でしかない。 杉江 由紀