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INTERVIEW

DIR EN GREY

2009.03.25UPDATE

DIR EN GREY

Member:薫

Interviewer:KAORU

-最新アルバムの『UROBOROS』を聴かせていただきました。世界観やアレンジの仕方や、ギターの重ね方のひとつにしてもあまりに独自で、本当にDIR EN GREYにしか出来ないことを追求していていますよね。そして作品全体を通して、凄いものを作ってやるんだ!というアーティスト精神がびしびし伝わってきました。薫さんご自身は、どのような気持ちでこのアルバムの制作に取り組まれたのでしょうか?

大体自分たちは、前の作品がこうだったから次はこうしてやろうとか、そういう感じでやっていて。前にやったことは絶対しないというスタンスでやっているんですよね。今回に関しては、過去の自分たちも、今の自分たちも、未来の自分たちも、全部詰め込んだ感じですね。アルバムを出す毎に、自分たちの得意とするアレンジやフレーズなどは排除して、それまでにやったことがないようなことをやろう、という姿勢だったんですけど、もう1回今までの自分たちを全部フラットにして、何か新しいものが出来ないかと模索しながら作り上げたアルバムです。

-現在までの自分たちを総括する意味合いを持った作品だということですね。更に世界観の全体像が特に生々しく伝わってきたのですが。

そうですね。弾いているときの気持ちだったり、空気感というのを、ギターのフレーズでも、音色ひとつでも、なるべく弾き手がどういう気持ちで弾いてるのかってことが伝わりやすいような音を作っていくように意識はしました。

-ちなみに「激ロック」はメタル好きの読者がとても多いのですが、メタルリスナーに聴いてほしい!というような気持ちはいつも持っていらっしゃるんですか?

いや、そういうのはあんまりなくて、聴いていて気に入ってもらえればっていう感じですよね。「こういう音楽をやってます!」って、自分たちでも言いにくいんですよ。だから、こういう聴き方をしてほしいというのではなく、まずは聴いてみて、気に入ってもらえて、何か引っかかるものがあれば嬉しいなという感じですね。

-なるほど。例えば最近のリスナーは"モッシュパートがあってナンボ"みたいな聴き方をする人が多いなと感じるのですが、そういう様式的な聴き方をしていると、DIR EN GREYの音楽っていうのはわかりにくいのかなと思いました。ちなみに薫さんご自身は、いちリスナーとして、こうあってほしい!みたいな聴き方をされることってありますか?

うーん、まぁ、ないこともないんですけど、逆の方が聴いてて楽しいんですよね。こういうイメージだった人が、こういうこともやるんや!って驚かせてくれることの方が。自分がプレイヤー側ということもあって。

-では物理的にどうこうではなくて、アーティストの姿勢、精神性のようなものに刺激を受けるということでしょうか?

そうですね。

-ちなみに薫さんのルーツになった音楽の資料を拝見させていただいたのですが、とても本質的な意味でオルタナティブなものが多くて、幅広い背景をお持ちだなと思いました。もうちょっとメタル的なものが入っているのかなと思っていたので意外でした。

どちらかというとUK寄りな音が好きだったんですよ。元々メタルとかハードロックな音ってあんまり好きじゃない方だったんですよ。

-HIDEさんにとても影響を受けたそうですが、HIDEさんや、このルーツになった音楽などをリスナーとして聴いてきたことによって、具体的に学んだことってなんでしょうか?

凄く個性的な人が好きで、DIR EN GREYを10年やってきて思うのは、やっぱり自分たちらしく、人を気にするんではなく、自分たちにあるものをどう表現するのかってことですね。リスナーに対しては、自分から何かを求めるってことはあんまりないんですよね。

-2008年でよく聴いていたアーティストっていますか?

最近あんまり聴いてないんですよね。特に去年はレコーディングしてたんで、そういう時に音楽を聴いて刺激を受けると影響されちゃうタイプなんで(笑)なるべく聴かないようにしてたんですよ。そのままツアーしてるんで、あんまり聴いてないし、好きなアーティストの新譜が出たら買うことはあったんですけど、そんなに良いものはなかったんですよね。

-現在DIR EN GREYが海外でとても評価されていますが、メタル云々以前よりも、海外の人たちが見たことがないような世界観だったり、聴いたことのないような音階だったり、音楽から伝わってくるアーティスト精神に衝撃を受けた人たちがとても多いのではないかと思いました。そしてこれまでの海外での活動の軌跡をダイジェスト的に集めたDVD『A KNOT OF』が発売されましたが、改めてこのDVDを見ていかがですか?苦労したことが蘇ってきたりはしましたか?

そうですね。ライヴすること自体は、どんなに機材を持っていけなかろうが変わらないじゃないですか。でも向こうの生活的なことや文化の違いが大きくて、人と接するにも、日本人だとコミュニケーションが取りにくいとか、苦労はありました。でも凄くいいツアーを回れているんで、それがこのDVDを見てる人たちに伝わるかなと思います。