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LIVE REPORT

Zephyren presents A.V.E.S.T. project vol.9

2016.03.26 @TSUTAYA O-EAST / TSUTAYA O-WEST

吉羽 さおり

3月26日、TSUTAYA O-EAST&O-WESTで、第9回を迎えたイベント"Zephyren presents A.V.E.S.T. project"が開催された。2会場のサーキット形式で、現在の音楽シーンを暴れまわっているアーティストたちが、最高のステージを繰り広げる1日となった。ブランド"Zephyren"を通じ、またこうしたバンドや音楽と密接に関わり合いながらストリート・カルチャーの今を発信する、そのリアリティをイベントという形で見せるのが、"A.V.E.S.T. project"だ。各バンドが熱い競演で会場を沸かせた、この1日をレポート。

TSUTAYA O-EASTとO-WESTの2会場を舞台に行われた"Zephyren presents A.V.E.S.T. project vol.9"。今回は、Amelie、Another Story、BACK LIFT、BUZZ THE BEARS、FAKE?、GOOD4NOTHING、HEY-SMITH、MOROHA、MY FIRST STORY、ReVision of Sence、ヒステリックパニックの11バンドと、DJ ムラオカ(激ロック オーガナイザー)、DJ TAKA(THREE ARROWS)が登場。ソールド・アウト公演となり、両会場ともに終始熱気に包まれた1日となった。

トップのReVision of Senceに続いてO-EASTのステージに立ったのは、KEN LLOYD率いるFAKE?。"午後イチだから、まだ眠いよね"、"お昼ごはん食べてきた人、出さないようにね"とオーディエンスに優しく言葉をかけながらも、容赦ない爆音でフロアを沸騰させていく。DJ BASSを含む6人編成のバンドによる、重厚でしなやかさを持ち合わせたサウンドに、KENのエモーショナルなヴォーカルが映えて、その音は会場を自由自在にドライヴする。フロアはコブシを突き上げたり、シンガロングをしたりと、上昇一方の熱さとなった。途中には、前日に誕生日を迎えたKENに、メンバーがサプライズでバースデー・ソングを演奏し、フロアがあたたかな歓声で包まれる場面も。激熱なプレイとフレンドリーな雰囲気は、このイベントにぴったりのものだった。

その後O-WESTへと移動すると、ちょうど次のアーティストがスタートしようというところ。こちらの会場もすでに2階席までいっぱいとなって、熱気に満ちている。その満員の会場をさらに汗臭くしたのが、名古屋発の3ピース、BACK LIFTだった。昨年リリースし、同会場でリリース・ツアーのファイナルを迎えた2ndミニ・アルバム『Fly High』の曲を中心に、"まだまだ休ませんで!"と小林'KICHIKU'辰也(Vo/Ba)が煽り、ファストなビートと感情をバーストさせる鮮やかなメロディを連打していった。

再びO-EASTへと戻ると、こちらもすでに大合唱が巻き起こっていた。ギタリストの脱退やドラマーの交代があり新体制となったばかりのMY FIRST STORYだが、だからこそバンド結成初期から出演して、その中で数々のライヴ猛者にもまれながら大きく成長を遂げてきたこのイベントへの思いや意気込みは大きかったのだろう。4人のステージはとにかくエモーショナルで、気迫に満ちたものだった。"このイベントは俺たちがまだクソみたいなころから出させてもらっていた大事なイベントでした。ずっとサブ・ステージでの出演だったけど、こうして、このステージに立つことができました"というHiro(Vo)の言葉がすべて物語っていた。そのMY FIRST STORYというバンドの自負を鳴らすアグレッシヴなライヴだった。

イベント後半に向けて、オーディエンスを盛り上げ、さらなるフロアの一体感を高めたのは、DJムラオカ。メロディックからラウド・チューンまで、オーディエンスのコブシを振りっぱなしにさせて、一緒に声をからして歌う曲を連投する。オーディエンスは、イベントのスタートから跳ねまわっているが、ここで休ませるつもりは毛頭ないらしい。ラストはBLUE ENCOUNTの「もっと光を」で大合唱を巻き起こし、続くバンドへとその熱を手渡した。そして、登場したのは結成10年を迎える、BUZZ THE BEARS。越智健太(Gt/Vo)の"とことんやって、帰ろう"という言葉でスタートしたライヴは、 これぞBUZZ THE BEARS節たる、胸にまっすぐ飛び込んでくる歌と言葉とで、高らかにコブシを突き上げオーディエンスに歌わせたかと思えば、"セキュリティが暇してるぞー"と高速ビートでパワフルにフロアをジャンプさせる。"10年こうしてバンドをできるのは、イベントに誘ってもらったり、「楽しみにしています」という観てくれる人の声や、「ありがとう」という声があってこそだ"とフロアに語りかける越智。その言葉を、マイクを使わずステージからせり出すようにして生の声で伝える姿に、オーディエンスからは拍手や歓声が上がった。

このあと、Another Storyを観ようとO-WESTに向かうも、残念ながらちょうど入場規制中ということもあり、再びO-EASTへと戻ってGOOD4NOTHINGのステージへ。いつ観ても、面白い。ライヴ・バンドとして抜群の安定感があって、どんな角度から切り取っても、どんな場面から観ても間違いなくエネルギーが迸っているのはもちろんだが、かといって安心感はなし。常にステージ上で何事かが起こっているスリルがあって、見逃せない。気づけばドラマーSUNEがステージを駆け回っていて、メンバーも思わず笑ってしまうなんてことも起きる。U-tan(Vo/Gt)とTANNY(Vo/Gt)がブライトなメロディを紡ぎ出している横で、MAKKIN(Ba/Cho)が変顔でベース・プレイしているなど、あちらこちらで何がしかが勃発してる。いつの間にか、会場を笑顔の嵐にしてしまうそのパワーはやはり恐るべし、だった。

O-WESTでトリを飾ったのは、ヒステリックパニック。前回は、この会場での1番手を務め、今回はトリ。とも(Vo)はひと言、"売れた"と言うと、爆裂にノイジーなサウンドでO-WESTを引っ掻き回していく。キレのある重低音を響かせながら、Tack朗(Gt/Vo)の超ハイトーンによるキャッチーなメロディと、とものパンチのあるシャウトが絡み合って、ヘヴィでポップな音のカオスを生む。フロアも、2階席も熱気が満ちている。ライヴ序盤で、"今日は新曲を用意してきた"と言う、とも。しかし、"早めにやるとみんなHEY-SMITH観に行っちゃうだろ?"と、このライヴが最高潮を迎えたときに披露すると付け加えて、ここからさらにフルパワーで曲を連打していった。ともは、怒涛と言うに相応しいサウンドと、オーディエンスの熱も、ダイナミックに指揮していった。

O-EASTのトリを務めたのは、HEY-SMITH。すでに始まっているところに到着したのだが、フロアはもう凄まじい暑さ。オーディエンスは身体から湯気を立ち上らせんばかりの汗だくの姿で、元気に飛び跳ね、シンガロングしている。ステージ上も、同様。満(Sax)、かなす(Tb)、イイカワケン(Tp)の管楽器3人は、大きな身振り手振りでフロアを煽りながら、昂揚感たっぷりのフレーズで、オーディエンスを歓喜させる。直線的でタフなビートから、軽快にステップを踏ませるビート、一斉に飛び跳ねさせる大らかで包容力のあるビートまでを生み出す、Task-n(Dr)のドラムとYUJI(Ba)のベースとががっちりと手を組み合ったところに、猪狩秀平(Gt/Vo)の攻めのギター・リフと歌とが飛び込んでくる。前のめりでパワーのあるバンド・アンサンブルと、オーディエンスの熱気とが衝突して、爆発する瞬間が何度も訪れる圧巻のライヴだ。2015年にはメンバー・チェンジもあったけれど、バンドの姿勢、ライヴへの精神は微塵も変わらず、HEY-SMITHはますます強靭になっていると実感するライヴであり、イベントのトリを最高の形で締めくくった。最後は、ずっとステージ袖で楽しそうに各ライヴを観ていたイベント主催者、Zephyren/INTACT RECORDS代表のGEN氏が、ステージMCに促されるように登場、照れくさそうに軽く挨拶をして袖に引っ込んでいった。10年にわたってこうした大きなイベントを開催し続けるのは簡単なことではない。常連のバンドも含めて、出演バンドが互いにしのぎを削りつつ、この日を最高のものにしようと、口には出さずとも一体となって作り上げていることが、それぞれのライヴから伝わってくる。そういった信頼感が、楽しもうというムードに繋がっているイベントだと実感した。

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