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INTERVIEW

ヒステリックパニック

2019.10.09UPDATE

2019年10月号掲載

ヒステリックパニック

Member:とも(Vo) おかっち(Ba)

Interviewer:米沢 彰

ハイトーン・ヴォイス×スクリーム、ラウド×ポップ、トリプル・ヴォーカル、様々に形容される特異なサウンドの持ち主、ヒステリックパニックがおよそ3年ぶりとなる久々のフル・アルバムをリリース。持てるサウンドの幅を目一杯に使い切り、歌詞やトラック・タイトル、そしてMVも含め、様々なアプローチで自らの世界観を描き出す彼ららしい路線はそのままに、ライヴ然としたアプローチで聴かせる今作は、彼らのリアルタイムをこれでもかと詰め込んだ、ライヴへと繋がる作品に昇華された。今作のタイトルも含めて、込められた想いや背景を、ともとおかっちのふたりに訊いた。

-2016年の『ノイジー・マイノリティー』以来、およそ3年ぶりのフル・アルバムですね。今作ができあがった今の心境をうかがえますでしょうか?

おかっち:"ちょっと変わったかな?"って言われたいですね。今回MVを出したのが「弱虫ライオット」、「ブラックホール・ベイビー」で......。

とも:(アルバムが)出るころにはもう「Painkiller」も出てるね。

おかっち:3本出てるんで、それらを観て総合的に"変わったな"って言われたいです(笑)。

-意味していることはすごくわかります。ともさんはどうですか?

とも:売れたらいいなと思います(笑)。中身ももちろん頑張ってるんですけど、DVDがついてるとか、特典で1曲ついてるとか、フィジカル(盤)を手にしてもらうためにいろいろと試みていて。今、改めてパッケージとしてアルバムを出す意味もちゃんと考えて作っているので、商品価値のあるものに仕上がったと思います。いろんな人に手にとってほしいし、より多くの人に知ってもらいたいので"売れたらいいな"と思います。

-フル・アルバムとしては3年も間が空きましたね。

おかっち:結果的に空いてしまった......(笑)。

とも:出したくなかったんで、アルバムは。

-出したくなかった?

とも:はい、疲れるんで(笑)。

おかっち:ミニ・アルバムを2作挟んでるんですけど、それがそれぞれ7曲くらいだとすると、(フル・アルバムだと)単純に倍は作るんで、作業量も倍になるっていう。"疲れる"っていうのはあながち間違いじゃないです。

とも:例えば、『LIVE A LIVE』(2017年リリースのミニ・アルバム)を出したときはフル・アルバムを続けて出してたから"ミニ・アルバムにしようか?"っていう流れがあって。で、2018年のとき(ミニ・アルバム『Hypnotic Poison』)は、"じゃあアルバム......"ってレーベルが言いかけたときにバンド側から"いや、今じゃないっすね!"って食い気味に言いましたね。"(ミニ・アルバムを)もう1作挟んだほうがいいっすよ"みたいに、濁しつつやってきました。疲れるからアルバムを出したくないっていうのももちろんあったんですけど、時代的なこともあって。今、フル・アルバムってとっつきにくい時代だと思うんですよね。本当に好きなアーティストのフルだったら嬉しいけど、グレーゾーンの人たちからしたら、どの曲から聴くべきかとかがわかりにくい。なので、2枚目のフル・アルバム(『ノイジー・マイノリティー』)を出したあとはもうちょっとライトなものを挟んで、朝飯と昼飯をしっかり食わせてから晩飯を食わせたいっていうのはあったんで、考えて間を空けてたっていうのもあったりします。

-間にリリースが入ってるんで、自分も最初は"3年も空いたっけ?"って思いました。数えたらたしかに3年なんですけど。

とも:動いてはいるんですよ。サボってたわけではない(笑)。

一同:(笑)

とも:毎年、契約上に支障が出ない程度にフル・アルバム分ぐらいの曲数は制作しているので(笑)。やっぱり1回で"ドーン!"って出すのと、ミニ・アルバムとEPで分けて出すのってだいぶ違う気がしてて。僕らくらいのバンドだったら、まずなるべく敷居を低くしてとりあえずライトにしておいて、ここぞというときに必殺技を出したい、みたいな。

おかっち:曲数的に言うと『LIVE A LIVE』と『666 (TRIPLE SICK'S)』(2018年リリースのEP)と『Hypnotic Poison』を足すとフル・アルバムを超えるくらいになっちゃうんで。

とも:その間に配信限定シングル(2017年リリースの「Shut up」)だったり、会場限定シングル(2019年1月リリースの『ウンチメンタル・サーカス』)とか、トリビュート・アルバム(2017年リリースのMUCC『TRIBUTE OF MUCC -縁 [en]-』に「Mr. Liar」で参加)とかもやってるんで、俺ら的にも毎年やっていたことを"キュッ"としただけって言われたらそうなんですよね。

おかっち:ファンの人とかちゃんと聴いてる人でも、3年ぶりって言われてピンと来ない人がいそうだなって思いますね。普通に動いてきているんで。

とも:"あれが3年前か、歳取ったなぁ!"ってファンの子が言ってて。

おかっち:中学とか高校も卒業できちゃうからね。

とも:だからちょっと年齢層高めの人たちがショックを受けてました。

一同:(笑)