INTERVIEW
Zephyren代表GEN氏 × MY FIRST STORY
2019.08.13UPDATE
2019年08月号掲載
MY FIRST STORY:Hiro(Vo) Nob(Ba)
Zephyren:GEN(代表)
インタビュアー:米沢 彰 Photo by:濱谷 幸江
約1年ぶりとなるシングルのリリース、そして、さいたまスーパーアリーナでツアー・ファイナルを迎える過去最大規模のツアーを控えたMY FIRST STORYからHiro、NobのふたりがZephyren特別対談に登場。楽曲からライヴ・パフォーマンスまで、様々に語ってもらった。
-前回の対談(※2018年12月号掲載)は横浜アリーナ2デイズ("S・S・S TOUR FINAL at Yokohama Arena")の直前に行いましたが、公演の感想からまずはうかがえますでしょうか?
Nob:2デイズは前もやったことはあるんですけど、アリーナで2デイズやるとはもともと考えてなかったんですよね。2日間で同じことをやらないっていうのもまたあとに聞かされて、プレッシャー大みたいな。それでいろいろ準備を進めて、いざ挑んでみたら意外とすんなり終わっちゃって。結構準備してきたのもあって、そんなに緊張もなくて、楽しかったですね(笑)。
Hiro:右に同じですね(笑)。あと、個人的には熱が下がることを祈っていました。
Nob:あぁ、そうですね。Hiroは体調悪かったんで。
-GENさんは2日間ご覧になっていかがでしたか?
GEN:これまでずっと見てきてて、横浜アリーナはひとつの通過点だと思ってたけど、2デイズできたのはすごいことだなって。演出も2日間違うこともあって、見応えあって楽しかったし、僕はいつも演出については聞かされてないんで、"あ、こういう感じでやるんだ"って思ったりして。いつも普通に楽しんでいます(笑)。あと、Hiroが体調悪くて、いつもより優しくて(笑)。
Nob:俺、超心配でした。
GEN:マジで体調悪かったから、本当に心配しかなかったです。
Nob:それもあって、本当に無事に終わって良かった。
-(笑)公演は私も拝見しましたが、センター・ステージでのアコースティック・セットやHiroさんのピアノを弾きながらのソロなど、内容が相当に充実していたなと感じました。すんなり終わったという言葉もありましたが、実際にあれだけのパフォーマンスを準備するのは大変だったのではないでしょうか?
Hiro:余裕な感じです(笑)。
-しかも2日間でセットリストを分けて。そのアイディア自体はどこから出てきたんですか?
Hiro:同じことを2回やるのはつまんないね、ってことで、ノリで決めましたね。
Nob:本当ノリですね。
-キャリアの中では最大のキャパに挑みながら、2デイズの中に挑戦を入れていく、常にファイトしていくスタイルは見ている側も気持ちいいですね。
Hiro:インディーズなんでね。
Nob:やりたい放題やる感じですね。
-GENさんから見てこの挑戦はいかがでしたか?
GEN:僕もイケイケのスタイルは大好きです! いつも"いけんのー!?"とは思うけど。同じことやっててもつまんないと思うし、やることやらないとね。
-マイファス(MY FIRST STORY)として、前回挑戦したなかで見えてきたことや、先に繋がりそうな手応えなどはありましたか?
Nob:先に繋がるっていうか、自分の中で思い描いていたものは出しきった感覚があるんで、この先のことを考えるのはこれからなんですよね。横アリ(横浜アリーナ)までは見えてた部分が結構あったかなと思いますけど、現状では先のことは特に決まってはないです。今どうすればいいかをみんなで話し合ってできたのが、今回のシングルなので。
-Hiroさんはいかがですか?
Hiro:ないですね。横浜アリーナでやってというよりも、何かをやって見えてきたことは今までもそんなにないですね。いろいろ考察した結果のステージなので、それをやり終えて何かが見えることは基本ないです。間違ってなかったんだとか、正しかったんだとかって結果は出るんですけど、その先のことはまたその次に考えなきゃいけないんで。
-ではステージは確かめる場ということですね。
Hiro:そうですね! そこまで考えて、自分なりのベストを出した結果なんですよね。違う方法を考えたとしても、同じ日に違うことはできないんで、やっぱり何が正解かはわかんないんですけど。まぁ、だからこそ毎回迷うこともありますが。
-選択したらその結果しかわからないですからね。話は変わりますが、シングルとしては昨年7月の『ACCIDENT』以来となる約1年ぶりのリリースとなりますが、完成した今の手応えはいかがですか?
Nob:デモから大幅に変わることは今まであまりなかったんですけど、「無告」に関してはデモの段階でみんなで話し合って"ああじゃない、こうじゃない"ってやって、"これも却下かよ"ってとてもイライラしながら作ったんです。だけど、結果的にできあがったものに関してはめちゃめちゃ良かったんで。4回ぐらい作り変えたのかな。この曲に関しては満足度が結構高い曲になりました。
-タイトル・トラックの「無告」がまず1曲目にありますが、よく聴くといろんなジャンルの音楽性が散りばめられていて、全体として独特でオリジナリティのある曲になっていると感じました。
Nob:まさにそうです。ジャンル分けっていう言葉が俺はあんま好きじゃないんですけど、俺たちはどちらかと言えばラウド系に分類されてて。それを脱却したいわけではないんですけど、そこにハマりたくないってのはちょっとだけあるんです。いろんな引き出しを個々で解釈できるメンバーだと思うので、様々なパートを入れてみたり、結構みんなで悩んだりしましたね。
-こう聞くとそういうプロセスでできたっていうのは、すごくわかりますね。スケールだったりとかリズムの使い方だったりに、本当に練って作り込まれた感じが出ています。
Nob:そうですね。僕も今回この曲をやって勉強になった部分が結構あって、ディスカッションして作ることで満足するものができるっていうのは勉強になりました。
-タイトルの"無告"に込めた意味や思いを教えていただけますでしょうか?
Hiro:意味は結構そのまんまなんですけど。漢字のタイトルがしっくりしましたね。
-意味合いとしては、自分の苦しみを表現したり、誰かに訴えたりすることができない意味だと思うんですけど、それをチョイスした意味とか経緯とか。何か重ねることがあったんですか。
Hiro:うーん、思っていたことが無告の意味にハマったので。いくつは候補があったんですけど、あとは、響きが好きですね。
-GENさんは今回のシングルをどう思いますか?
GEN:僕はマイファスって、本当に曲の幅が広いバンドだなって思っているんです。それは一曲一曲においても言えることで。特に「無告」は、理想と現実の違いに苦しみながらも夢を諦めずに立ち向かうストーリーを、静かなシンセから一瞬で盛り上がる、激情的に変貌する感じで表現するとか。またサビの激しくて繊細なHiroの声がいいんですよ。映画のラストに近づいていくような。「無告」、「mine」、「花-0714-(Re:arrange)」も含めて、3曲それぞれの別の世界観を持ってるなと。掲載される頃には発表されていると思いますが、いろいろありましたので買ってください。
-1曲目の「無告」は曲の完成度も含めて、確かにこれをタイトル・トラックにするなって感じられる曲でしたが、続く2曲目の「mine」に関してはすごく壮大な曲になっていて、英詞も相まって、UKの海外アーティストがやってもおかしくない奥行きのある曲になっていますね。最初からこういう曲にしようというイメージがあったのでしょうか?
Nob:好きなバンドがいて、それっぽい曲を作ってみようって簡単な発想からできあがった曲ではあるんですけど。EDMみたいなサウンドも結構取り入れていて、単純にああいう曲もいいんじゃない? ウチらならできるでしょ、っていう考えからできたんですよね。
-そういう海外っぽさを持ちながらも、Hiroさんのヴォーカル・スタイルのひとつとしてちゃんとまとまっているのが、すごく良くできたトラックだと思いました。どういうことを意識して歌ったかを教えていただけますでしょうか?
Hiro:あまりバンドっぽい感じにならないようにしました。普通に歌ってもつまらないので。
-Nobさんはプレイヤー目線で意識したことはありましたか?
Nob:特に意識しないで作ってます。音楽理論なんてさっぱりわからんし、あんまり好きじゃないんで、これかっこいいなとか感覚的にこれいいなっていうので作っちゃってるのもあって、プレイヤー目線でこの曲に関して悩んだことは特にないですね。
-「無告」は何度も作り直したという話でしたが「mine」のほうはいかがですか?
Nob:これは一発ですね。作り込む曲もそれはそれでいいんですけど、「mine」に関してはこれでいいと思っています。曲にもいろんな形があって、その中のひとつなんで。逆に作り込んでる曲を何曲も入れると耳疲れしちゃうから。僕らも疲れちゃうし。うまく調和は取れてると思うんですよ。