MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

Zephyren代表GEN氏 × MY FIRST STORY

2019.08.13UPDATE

2019年08月号掲載

Zephyren代表GEN氏 × MY FIRST STORY

-3曲目「花-0714-(Re:arrange)」は、キャリア初のシングル『最終回STORY』(2013年リリース)に収録の曲のリアレンジですね。なぜ今改めてこの曲に手を入れようと思ったのかを教えていただけますでしょうか。

Hiro:本当はリリースが7月だったからです。これ本当なんですよ。

-リアレンジということは録り直したってことですよね?

Nob:イチから全部録り直しました。

-こうリアレンジしようっていうのは結構ディスカッションしたのでしょうか?

Nob:漠然としてあったのは、僕らを知らない人でも聴きやすく変えてみるっていうことでしたね。それだけですね。J-POPとかそういうのしか聴かない人とか、まったく興味がない人もすんなり耳に入るっていうのが前提で録り直しました。

-改めて録り直すときって、ライヴでやってきた感覚があって、みたいな話もあったりしますが、この曲についてはいかがでしょうか?

Nob:この曲は、これって感覚はないんです。だからアコースティック版も出しましたし、型にハメてないですね。このフレーズはこうじゃなきゃだめとかはまったくないです。今回のアレンジに関しても、もともとあったフレーズはほぼないですし。変えて何か良くなるのであれば、それもそれでまたひとつの形になるからいいんじゃないかなって。

-『最終回STORY』のリリースから6年が経って、改めてこの曲をやって何か感じることとかありましたか?

Nob:この曲に限らず、毎回思いますよね、もっとこうアレンジすれば良かったなとか。毎回思いますけど、作り直すことも、録り直すことも全部できることではないので。

-Hiroさんはいかがですか?

Hiro:圧倒的に歌がうまくなりました(笑)。6年前......。19歳とかのときに録ってて、そりゃ(うまく)なるよね。

GEN:"A.V.E.S.T project"で観て好きなのもあるのですが、格が違うなって正直思った。場数を踏んでいるので、飛びぬけてきたなって感じ。音が違うって本音で思ったね。

-前回のアリーナ公演で聴かせていただいた際には、出音がCDの規格に入りきらないなって思ったんですけど、今回音源を聴かせていただいて、ここまで録音で入るんだなとまた認識を改めさせられました。特にHiroさんのヴォーカルとしての幅が広がっていて、同じフレーズでも声の出し方のバリエーションが増えて、もう一歩深いところに行ったなって思いました。ご自身でもそういう手応えってありますか?

Hiro:特にBメロだったりとか、全体の構成を考えて一辺倒じゃないような歌い方にしたり、もちろんバンドとしての進化もあるんですけど、どのジャンルをどれだけ歌えるかはヴォーカル力でもあるし。曲の表現力みたいなものを感じ取る力がヴォーカル力や歌心だと僕は思っていて、その曲を生かすも殺すも歌次第というか。良くも悪くも僕からしたらいい挑戦でもあり、楽しかったですね。

-儚い感じで歌うとひと口に言っても、段階とか深さとか、かなり細かく歌い分けがあるように感じました。歌の引き出しを増やすためにトレーニングなどはされていますか?

Hiro:トレーニングって1回もしたことないんですよ。バンドの曲って好きじゃなくて、ほかの音楽をあんまり聴かないんです。もう家でJohn Mayerとか久石 譲とか聴いてたいぐらいで。

Nob:まぁ、それはわかる。

Hiro:そういう幅も大切なのかなって考えてて。演者自身もいろんな音楽を聴くのが大切なんじゃないかなと思うんで、バンドの枠組みだけに縛られるのも違うんじゃないかなと。変わったら変わったで、"変わったね"って言われちゃうんですけど、変わらなかったら変わらなかったで、"変わんないね"で終わっちゃう。"いい意味で変わったね"って言われるようにというか、進化し続けるために、僕らもいろんなインスピレーションを受けるようにいろんな音楽を聴くとかすることが、一番大切なんじゃないかって考えています。僕は貪欲に音楽を聴いてると思うんですよ。もっと言うと、音楽というより歌。歌い方や歌に対するニュアンスはほかの人より聴いてると思うんで、そういうところなんじゃないかなって。

-そして、"MY FIRST STORY TOUR 2019"がいよいよ今月より始まりますね。"ライヴハウス編"、"ホール編"、ファイナルは"アリーナ編"の3部構成と過去最大規模ですが、どういった意図でこの規模を組んだのでしょうか?

Hiro:例えばドーム・ツアーとかアリーナ・ツアーとかでずっと回ってる人はいいんですよね、それが天井だから。そこで何本も前回と同じツアーができるのって素晴らしいと思う。でも、Zeppとか、武道館、横アリのレベルで同じことを毎回やってるのって、つまんないなって。なんか残念だなって。だったら同じキャパだとしても違うことやったほうが、意味があるんじゃないかなとも思うし、そもそもお客さんも飽きないだろうし、自分自身もきっと新たなものが見えるだろうし。もちろん自分たちだけでできないのもわかってるんですけど、それでもやっぱり自分のバンドならば自分の指針ぐらいは決めてもいいんじゃないかなって。基本前回と同じようなツアーは、僕らは回らないと思います。毎回毎回、過去最大って言うのに僕もう飽きてるんですけどね(笑)。でも、やっぱり成長してたほうがいいじゃないですか。何事も成長していく過程を楽しみたいというか。みんなも成長を実感できるだろうし、育ってる感がないと応援できないだろうと僕は思うんで、やっぱりそのために1年間なり2年間なり考えて、ツアー・ファイナルなりアルバムなりに挑んでいきたいなとは考えています。

-今回はアリーナ編が加わって、1公演のキャパもこれまでにない規模になりますね。日本武道館、横浜アリーナも広いですが、比べるとさいたまスーパーアリーナの規模は際立っています。ファイナルに向けて、どのように盛り上がりを作っていこうかなど、考えていることがありましたらうかがえますか?

Nob:新しく挑戦したいことに関して、今まで主体となって考えてたのはHiroやうちのスタッフだったんですけど、今回に関しては僕も考えたりしていて。こんな曲があったりとかこういう曲の繋ぎがあったりとかっていうのはちょっと考えて、Hiroに提案したりはしてますね。そういう意味でもまた新しい形を見せられるかなって、自分でも成長してるんだなってひしひしと感じて、さらに成長しようって気持ちで今回のツアーを回っていけたらなって思います。

Hiro:どう見せていこうか、今回はまだ本当に考えていなくて、ツアー中で感じたものとか見たものとかをうまく説明していこうかなって思っていて。それメインでメンバーとかスタッフとかと話し合いながら、いい意味でなるようになるかなって思い始めてるんですよね。投げやりとかではなくて、どれだけ考えてても、どれだけ綿密に練ってても、結局なるようになる、嫌なこともいいことも。それ以上でも以下でもないような気がしていて、そのうえで自分がどんだけ頑張るかだと思うんで、今回のツアーはいい意味で何も考えてないですね。今までのその流れは崩さずにいきたいなっていうのは大前提にあって。やっぱり僕の中ではさいたまスーパーアリーナはあくまで通過点であって、目指すところはその先で、その一歩手前の状態に今僕らはいるのかな、今自分たちがどこに立っているのかなっていう最後の確認作業ではありますね。

-さらに今月には"SUMMER SONIC 2019"東京と大阪への出演もあって、どちらもメインとなるMARINE STAGEとOCEAN STAGEになっていますね。観る側のこちらも今からすごく楽しみですが、こんなステージにしようという考えなどあれば教えていただけますか?

Nob:考えてもいなかったです(笑)。たぶん僕は本番が近づいてくることによっていろいろ考えるタイプなんで、今は何も考えていないですね。

Hiro:でも感慨深いですよね。中学生か、高校生ぐらいのときに普通に観にいってたし、日本三大フェスの1個なんで。"ROCK IN JAPAN FESTIVAL"、"SUMMER SONIC"、"FUJI ROCK FESTIVAL"、これはもう揺るがないんじゃないかなと。これだけ大規模なフェスはなかなかないだろうし、"SUMMER SONIC"ってどっちかっていうと外タレがメインのフェスだと思うんですよね。その中でもメイン・ステージに立てるようになったんだなって。これも自分の今いる立ち位置を示してくれてるっていうのにはなると思うんですけど。特に全然ジャンルが違うので今まで通りの感じには逆にしたくないなと。ほんとに今考えてるだけなんですけど、あんまり激しいのはやらないでおこうかな。それこそ「mine」とか、ゆっくりめな曲だけでやってみるのも面白いのかなって思いつつあります。

-GENさんから今回のツアーとかファイナルに期待していることとか想いとかあれば、おうかがいしてもいいですか?

GEN:僕は、横浜アリーナとかで観ても演出も含めてやっぱりすごいな、ここまで来たんだって、本当に感動しちゃうんです。でも"A.V.E.S.T project"のときってもっとよく聴くというか。ほかのバンドと比べてどうなんだろって。僕もいろいろライヴ行くんで、いろいろ観ている中で本当にすごいなって思うのは、どんどんレベルが上がってきてて、成長を感じるというか、それを見ると本当にグッとくるっていうか、そういうのをいつも肌で感じさせてくれるのが本当に嬉しくて。マイファスって曲の幅も本当に広いなって思うから。聴いても飽きないってのもあるし。これは本当にいつも思うことですね。横浜アリーナ2デイズやるってのもね、聞いたときに、僕からすると常に成長しているのはわかっているけど、"早いね! もうそんなところまでいけるの!?"みたいなちょっと不安感を実は持ったりするし、そうやって果敢に攻めてく感じっていうのはもちろんすごくワクワクするというか楽しいですし。その攻めていく姿勢っていうのは、一緒にやっててゾクゾクもするしまたどんな景色を見せてくれるんだろうって思う。やっぱそれを見たとき本当に良かったなって感動しちゃうし、すごく嬉しいですね。この先の未来を考えるだけでこうなんか......。そんときにすごくゾクゾクするっていうか。それがまた幸せだなってのがありますね。

-最後に今後の目標など含めて、激ロック読者へのメッセージをお願い致します。

Nob:シングルを作るにあたっていつもとは違う作り方をしてみるなど、今まで培ってきたものをフルに出したシングルになっています。全曲リードって言っていいほどの曲を集めたシングルになるので、これを見てくれている人に突き刺さるといいですね。この記事を見て少しでも気になったら、マイファスのライヴに来たことがない人たちにも来てほしいなって思ってます。

Hiro:僕がどんな言葉できれいに取り繕っても、結局聴くか聴かないか、ライヴに来るか来ないかはお客さんが決めることだと思う。僕らのライヴにだけ来てほしいとは思ってなくて、僕らのことを目にする機会ってやっぱりフェスだったりイベントだったりすると思うので、いつか気が向いたときとか、すごく暇なときとかに来てくれたらいい。でも、イベントで名前を見たときとか、YouTubeで音楽のページ開いてオススメで僕らのPVとか出てきたら、サクッと1本なり30秒なり聴いて、それで何か気になることがあれば調べてもらって。やっぱりこの時代SNSもたくさん流行ってるし、何か聴きたければ、何か調べたければ、携帯のデバイス1個でなんでもできる時代だと思うので、それでいろいろ探ってくれたらな、と。それで僕らに興味持ってくれたらいいなというのが僕の考えです。あと、バンドを始めるきっかけを作ってくれたKさん(Pay money To my Pain/Vo)もそうだし、僕らに絡んでくれた圧倒的な強者がいて、闘争心とか反骨精神を学んで、僕らって存在しているんです。そういう大人が生き方や音楽への想いを理解してくれて、助けられたこともたくさんあったので、これからもカッコいい大人とは一緒に音楽を続けていきたいですね。