DISC REVIEW
-
今年結成20周年を迎えた"堺のオッさん"から届いた10thシングルは、従来どおりライヴPA/レコーディング・エンジニアを担当するANDREW N.F.(FUCK YOU HEROES etc/Dr)とタッグを組んだ、盤石の仕上がり。ここ数年はメロコア路線を躊躇なく突っ走る豪快さで、今作においてもそこは変わらぬものの、年輪を重ねたバンド・サウンドの表現力はますます研ぎ澄まされている印象だ。より贅肉を削ぎ落とし、速くて、わかりやすくて、キャッチーな音像に磨きをかけた音像に心も身体もアガりっぱなし。2ビートを用いた表題曲の切れ味はベテランどころか、キッズ魂を忘れないバンドの真骨頂が刻まれている。伸び伸びとしたスケール感とちょっぴり切ないコーラスが効いた「STILL ALL RIGHT」、今までありそうでなかったテンポ感で攻める「PAIN」、そしてアコースティックでしっとりメロディを聴かせる「A LITTLE BITTER MEMORY OF YOUTH」と、20年で培った振れ幅を凝縮した渾身作。 荒金 良介