INTERVIEW
BACK LIFT
2017.11.13UPDATE
2017年11月号掲載
Member:小林 KICHIKU 辰也(Ba/Vo) 深谷 YU-PON 雄基(Gt/Cho) 都築 HEAVIN 史生(Dr/Cho)
Interviewer:荒金 良介
名古屋を拠点に活動する3ピース・バンド、BACK LIFT。彼らのメジャー1stアルバム『Seeding』は、英語詞のメロディックを主軸に、日本語詞やポエトリー調のアプローチを取り込み、各ベクトルに思いっきり振り切った作風に仕上がっている。バンド的には今年10周年という大きな節目を迎え、自分たちなりのオリジナリティをさらに追求したい、という気持ちが強くなったそうだ。今作のアルバム名に明示した"種まき"という意志を込めた渾身作について、メンバー3人に直撃!
-あの、"KICHIKU"ってすごいネーミングですね。
KICHIKU:初対面の方には絶対聞かれますね。これは、大学時代のあだ名なんです。音楽サークルに1年生が120人いて、小林辰也って、小林という名字もまあまあいたし、辰年のせいで辰也もめちゃくちゃいたんですよ!
-はははは(笑)。
KICHIKU:普通に辰也とアピールしても先輩に覚えてもらえないから、それで"KICHIKU"というあだ名がつきました。HEAVINもそうなんですよ。
HEAVIN:僕もサークルが一緒で、先輩に覚えてもらうために同じ歳の奴がつけたあだ名です。当時ヘヴィな音楽を聴いていたら......すごく安易なんですけど(苦笑)。
KICHIKU:その場のノリで決めた感じだから、すごく雑なんですよ。
-そして、バンド的には今年ちょうど10周年ですよね?
KICHIKU:はい。僕の中では、前半5年は勢いと自信のみでやってたんですけど、後半5年はメンバーが抜けて、YU-PONが入って、日本語で新たな挑戦をしたり、試行錯誤というか、いろいろ寄り道した5年ですね。根拠のない自信だけだと行き止まりが来ると思ったから、もっと自分にしかできないことをやろうと。
-壁にぶつかった瞬間もありました?
KICHIKU:そうですね。メンバー・チェンジの壁、YU-PONが加入後の曲作りの壁......それと、僕らの世代はいろんな音楽表現をする人たちが増えたと思うんですよ。キュウソネコカミ、04 Limited Sazabys、WANIMA、岡崎体育さんとか、気づいたら、英語詞のバンドが世に出なくなって。
-90年代と比べたら、英語詞のバンドは本当に減りました。
KICHIKU:そうなんですよ。僕らは英語を絶対に捨てないポリシーがあるので。じゃあ自分たちには何ができるのか、そこで壁にぶつかることが増えて。
-それで日本語詞にトライしたり、表現の幅を広げてみようと思ったんですね。ちなみに、英語にこだわる理由は?
KICHIKU:Hi-STANDARDを愛しているってことですね。僕の音楽人生の生みの親はハイスタ(Hi-STANDARD)なので。あの人たちに英語詞のかっこよさ、乗せ方、英語ではこういう表現だけど、和訳するとこういうふうになるんだ、っていうこととか、英語の面白さを教えてもらいましたからね。
-今作もハイスタ好きは滲み出てますもんね。
KICHIKU:ははははは(笑)、そうですね。
-HEAVINさんはどうですか?
HEAVIN:目の前のことをやり続けて、あっという間の10年でした。
-あっ、終わりですか?
KICHIKU:HEAVIN君の10年は語り尽くしたみたいです。
HEAVIN:はははは(笑)。まあ、10年続けてこれて良かったなと。
KICHIKU:みんなの性格もあるけど、曲作りで切羽詰まって、いいものを絞り出すまでに時間がかかるんですよ。いつも必死でした。
-このバンドは、夏休みの宿題は8月31日にやる人たちばかり?
KICHIKU:むしろ9月1日にやってる感じです(笑)。なんとなくごまかして、家に宿題忘れてきました! って。
-YU-PONさんは2014年加入ですけど、いかがですか?
YU-PON:僕は加入して3年なんで、さらにあっという間でした(笑)。ようやく自分を確立できたかなと。最近自我も出せるようになったし、今回の音源にもそれが出てると思います。
KICHIKU:この3年でYU-PONは見た目も含めて、めちゃ変わったんですよ。僕らより一歩後ろにいる性格だったんですけど、今は5歩ぐらい前にいますからね。すごいんですよ、前傾姿勢が。
YU-PON:はははは(笑)、特に変わった意識はないんですけど。
KICHIKU:前のギターは同い歳で無口だったし、人の意見も聞かなくて。それに比べると、こいつ(YU-PON)はまるっこい性格ですね。だから、バンドとして陽の要素は増えたと思います。