INTERVIEW
TRIPLE AXE TOUR'17 座談会
2016.12.19UPDATE
2016年12月号掲載
HEY-SMITH: 猪狩 秀平(Gt/Vo)
SiM: MAH(Vo)
coldrain: Masato(Vo)
インタビュアー:荒金 良介 Photo by 川村 隼也
-新木場STUDIO COASTの1本だけですもんね。
MAH:ここまで期待されたら、どうにかして1本だけでもやった方がいいなと。それぐらい1回目の反響が大きかったんですよ。
猪狩:2回目の年はめっちゃ忙しかったもんな。
Masato:だけど、新木場STUDIO COASTは感動したなぁ。あんなにフルで埋まった光景はそれまで見たことがなかったから。
MAH:当時は俺らも日本武道館は頭の中になかったし、てっぺんは新木場STUDIO COASTだなと思っていたから。単体では無理だけど、3バンドでパンパンになったから、俺たちで埋められるんだって。
Masato:1本だけやるのは微妙かなと思ったけど、あの1本はやっておいて良かった。
-それで猪狩君は新木場STUDIO COASTで来年もツアーやろう、という話をしたんですよね?
猪狩:たぶん、ステージ上で言ったんじゃないかな。
Masato:そうだ! それで次の年にZeppツアーをやったからね。
-Zeppツアーは計5本ですね。
猪狩:MAHが"Zepp Tokyoが小さく見えるぜー!"と言ったのをめっちゃ覚えてる。
MAH:うん、言った言った。以前はめちゃくちゃ広く見えたんですよ、でもZeppツアーでやったときは全然怖くないやって。
-Zeppツアーをやった感触は今までと違いました?
猪狩:当時、俺らはバンドとして終わりかけみたいな状態で......。
MAH:そうだ! メンバー脱退の話もあり、解散の方向に進んでいたもんね。
猪狩:で、毎夜話して、毎夜説得されて、だんだん心が動き始めて。
Masato:あのZeppツアーは"HEY-SMITHを解散させないツアー"という副題がついてましたから(笑)。
MAH:それぞれのパートの人間が集まって、ひたすら朝まで説得するみたいな。
-マジですか(笑)。
猪狩:ほんまに毎日ですよ。でもそれをやってくれたから、今があるのかなと。Zeppツアーがなかったら、100パーセント解散してました。Zeppだけど、小さなハコで遊んでいるような感じでやれたし。アンコールも毎回めちゃくちゃで、全員MAHのコスプレしたり、全員MasatoみたいにカットオフのTシャツ着て外国人の鼻を付けたりして、Zeppで何してるの! って(笑)。
Masato:最初の赤坂BLITZでマキシマム ザ ホルモンのダイスケはんに"身内ノリすぎない?"と言われたけど、Zeppツアーは逆にその究極形ができたし、お客さんも取り込めたから、ブレてないと思えたんですよ。
結局はフザけたいだけ。全国、身内ノリにしたい気持ちですから (猪狩 秀平/HEY-SMITH)
-なるほど。3バンドの関係性がステージに溢れ出ていたと。
猪狩:結局はフザけたいだけですからね。全国、身内ノリにしたい気持ちですから。
Masato:最初のころはまだ説得力がなかったんだろうね。
MAH:アンコールではフザけるけど、ライヴ自体は3バンドとも"俺らが一番かっこいい!"という気持ちでやってるから。それをZepp規模でやれたことが良かったですね。でも次はどうしよう、と思いました。
-2015年はやってないですもんね。
猪狩:それは我々のせいですね。メンバーを探してる時期だったから。
-HEY-SMITHもそうですが、coldrain、SiMもそれぞれにバンド内で事情を抱えていた時期がありましたよね。
MAH:SHOW-HATE(Gt)が倒れたときは病気だったので、戻ってくることが前提でしたからね。ただ、戻ってきたあとにSHOW-HATE(の気持ちが)が落ちちゃって、バンド内はギスギスしてたんですよ。そのときはcoldrainのツアーで3バンド一緒に20時間くらいフェリーに乗ってたんですよ。
猪狩:ズーンとなってるから、1回トランプしよう! 卓球しよう! って。
Masato:俺もSHOW-HATEと卓球した記憶しかない。
-もはや家族みたいですね。
MAH:そうですね。普通はメンバー内で留めておくような外に言えない悩みでも、この3バンドだったら誰に喋ってもいいやって。
Masato:今年のTRIPLE AXEは、HEY-SMITHのメンバーが替わってから初めて一緒に回ったんですけど。普通だったら難しい状況なのに、すごく気持ちを持ってやってましたからね。
MAH:ムズいと思うんですよ。HEY-SMITHのメンバーになる=もれなくcoldrain、SiMも付いてくるから(笑)。
-ははははは(笑)。
MAH:だから、俺らも迎える態勢を作ったし、そういう意味でも大事なツアーでした。
猪狩:2016年のTRIPLE AXEは自分たちの原点みたいなライヴハウスでやれたのも良かったですね。HEY-SMITHもメンバーが加入してすぐだったから、バンドとしても成長できましたね。
-この3バンドが惹かれ合う理由は何ですかね?
猪狩:俺は一緒にいるだけで楽しい! ということが大きいですね。もちろんバンドの展望やテンション感も合うし、それぞれにやりたいことも少しずつ違うんですよ。でも面白いことを共有できる、それが大きいかな。
MAH:俺は出会ったときから思っているけど、バンドのヴィジョン、方向性を強く持ってるなと。だけど、猪狩とMasatoは真逆の人間性で、Masatoはめちゃくちゃマジメだし完璧主義だけど......。
猪狩:くくくく。
MAH:猪狩は何でもいいや! って感じで。俺はその中間ぐらいなんですよ。マジメにやりたいときもあれば、いいや! ってときもあるんで。全然違う3人だからこそ面白いのかなと。きっとどこか似ているところもあるんだろうし、朝まで喋れる奴というのはデカいですね。
年1回、気持ちを引き締める場所があるだけでやる意義を感じる (MAH/SiM)
-では、最後に来年のTRIPLE AXEに懸ける意気込みを聞きたいんですが。今は3バンドがそれぞれの道を突き進んでいる状態だと思うんですよ。そのなかで3バンドが揃う意味や意義に関してはどう思ってます?
MAH:それぞれ違う道に進んでいるから、迷うときもあるんですよ。この活動でいいのか? 何か忘れてないかな? って。SiMだと、横浜アリーナみたいなデカいところでやったあとに、熱量のあるライヴができるかな? とたまに思いますからね。年1回、気持ちを引き締める場所があるだけでやる意義を感じますね。この2バンドにライヴを観てもらって、何を言ってもらえるかが1年の指標になるんですよ。
猪狩:俺もそうかも。カッコいいことを確認し合う感じかな。
MAH:俺らカッコいいよね? 大丈夫だよね? って。
猪狩:はははは(笑)。この3バンドはそんなに言う? ってくらいにバシバシ言ってきますからね。
MAH:あと、Crossfaithが2月4日に幕張メッセでワンマンをやるんですけど、俺らは沖縄ですよ? 沖縄なのにKoieが"なんでTRIPLE AXE被せてくるんだよ!"って。
Masato:驚異なんだ(笑)。
MAH:あっ、TRIPLE AXEってすごいんだなと思いました。これは書いても大丈夫ですからね(笑)。