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LIVE REPORT

Crossfaith "MADNESS TOUR in JAPAN"

2015.02.11 @新木場 STUDIO COAST

村岡 俊介(DJ ムラオカ)

ARCHITECTS
KABUTO METALで2011年5月に来日予定だったARCHITECTS。震災のためにフェス自体が中止となり、来日がおあずけとなってからもう4年。待望の初来日となった公演は、USツアーを共に回った"友人"とお互いに認め合うCrossfaithの"MADNESS TOUR in JAPAN 2015"ファイナルというスペシャルな舞台となった。
1バンド目の1曲目からここまでオーディエンスが集まっていることに正直驚かされた。彼らの初来日をいかに多くのキッズたちが待ち望んでいたのかが端的に現れていたと言える。まずは「Broken Cross」で幕を開けた。ヘヴィなサウンドを轟音で鳴らしながら、Sam Carterのスクリームがオーディエンスに扇情的に突き刺さる様は圧巻と言うほかない。UKのシーンを背負うバンドだけあって、そもそもがグルーヴィな音源を超えて、CDの波形には収まりきらない圧倒的な一体感で迫ってくる。あっと言う間の全9曲のステージは、彼らがUKのメタルコア・シーンを支える重要バンドであることをはっきりと見せてくれた。今回の初来日を皮切りに、ぜひ定期的な来日を期待したい。

Fear, and Loathing in Las Vegas
UKの中堅メタルコア・バンド、ARCHITECTSが音源よりブルータルでメタリックな演奏で会場を圧倒した後に現れたのはFear, and Loathing in Las Vegas。神戸ワールド記念ホールでのワンマンを始め、彼らのポイントとなるライヴはかかさず見ているが、ゲスト出演という立場での彼らのプレイを観るのは実は久しぶり。持ち時間他、制限された環境で一体どういったパフォーマンスをするのだろうか。
ライヴは「Crossover」からスタート。タイトルが"Cross"から始まる......というのは関係ないだろうが、彼らのなかでも屈指のアグレッションを誇る楽曲だ。そのまま超絶テクニカルな「Thunderclap」へと雪崩れ込む。短期戦を意識してか初っ端からブッ飛ばしている。フロアもそれに呼応しテコンダーが各所に出現、最近ワンマンでもあまり見ない荒ぶるフロアに自ずとテンションが上がる。"6年の付き合いで初めてCrossfaithのツアーに参加しました"とSxunがMCで語り、その後「Let Me Hear」「Rave-up Tonight」と続けざまに彼らの得意とするエレクトロでダンサブルな楽曲で会場はダンスフロアへと一変する。ラストは初期の代表曲「Twilight」。去年末の『PHASE 2』リリース・ツアーでも演ってこなかった「Twilight」を聴き、GEKIROCK FESでCrossfaithとラスベガスが対バンしていた2010年頃の創世記のラウド・シーンを思い出し、ノスタルジックな気分に束の間浸った。

Crossfaith
Crossfaith主催の企画としては過去最大キャパの新木場 STUDIO COAST公演。UKからのゲスト・アクト、ARCHITECTS、そして同じ関西出身のラスベガスの2組が素晴らしいパフォーマンスを行ったあと、否が応にも主役のCrossfaithには凄まじいなにかを期待してしまう。
フロアにアッパーなEDMがリズムを刻む中、スクリーンに投射されたプロジェクターの映像と共にライヴ開始のカウントダウンが定期的に場内に知らされる。カウントダウンが終了すると会場の熱気が加速度的に高まり、ステージ前方の幕が開けSEをバックにメンバーが次々とステージに登場。ステージ上にはかなり高いところにドラムとシンセ機材が置かれておりメンバーそれぞれのパフォーマンスが見えやすいように組まれている。彼らのステージではよく見る光景だが、全員がスター性と高いテクニックを誇る彼らには相応しいステージセットと言えるだろう。
Koieが第一声で"新木場、Are You Ready!?"と言い放つと会場の最後方まで拳と歓声が上がる。そして『APOCALYZE』のイントロ「Prelude」からアルバムの流れのまま「We Are The Future」に雪崩れ込む。Koieの煽りに応え、キャパ2400人というデカいフロアに無数のサークルピットが出現し2階からの眺望も絶景だ。そのまま『ZION EP』収録の「Monolith」へ。一段高いところでシンセを駆使していたTeruがステージ最前に踊りだし、渾身のスクリームで煽るとキッズたちも負けじとモッシュとダイブで応える。それにしても音の圧がエゲつなく凄まじい。バキバキなマシーナリーでグルーヴィなドラミングにダブステップなど最新型EDMを駆使したシンセのコンビネーション、さらにそこに並みの欧米のメタルコア・バンドのヴォーカルなど比較にもならないKoieのブルータルなシャウト......世界の第一線でアグレッシヴにツアーを行っている彼らならではのものだろう。大歓声がステージに注がれる中、"遊んでいけるヤツ、どんだけいますか?"というKoieの問い掛けから『MADNESS』収録の「Dance With The Enemy」が始まる。フロア頭上からスモークが大量に降り注ぎ観客は我を忘れ踊り狂う。「Eclipse」では "Till The Moening!""Won't You Tell Me~"など散りばめられたシンガロング・パートでここぞとばかり皆叫び会場の一体感が増していき、フロア前方では無数のリフトからクラウドサーファーが前方へと転がっていく。客を圧倒するメタルコアも彼らの魅力だが、こういった観客との掛け合いが楽しめるトラックもCrossfaithの魅力のひとつだろう。
観客にイエーガーを振る舞うパフォーマンスから始まったのは超絶アッパーなエレクトロニコア・チューン「Jägerbomb」。いつの間にか革ジャンを脱いだKoieのスクリームはさらに調子を上げ、迫力だけでなく安定感も半端ない。Teruも最前の客にダイブしながらシャウトをかまし、その後方では各所にピットが出現し、やんちゃなテコンダーが楽しそうにモッシュを繰り広げている。ステージとフロアに隔たりがなく連帯感を感じさせるライヴはGEKIROCK FESに出演していた時代となんら変わっていない。
深夜はクラブ営業(ageHa)に様変わりするスタイリッシュな会場と、レーザーを駆使したフューチャリスティックな照明の親和性が楽曲の魅力を増幅させたのは「Photosphere」とニュー・シングル「MADNESS」だろう。シンセ主導の解放感ある楽曲たちはこの日のためにあると言いたくなるほどこの会場にフィットしている。UKポスト・ハードコアにも通じる「Scarlett」では女性ヴォーカルが会場に流れると雪のようなものがフロアに舞い降り、エモーショナルで幻想的な曲の雰囲気と相まって観客に感動をもたらしていた。その後、PRODIGYのカバー「OMEN」が演奏されると空中には真紅のレーザーが縦横無尽に入り乱れ、地上では最後方までツーステップが繰り広げられ、さらには同時多発的にモッシュピットが出現したりと大変なことになっている。
本編最後の「Countdown To Hell」では"半分に分かれろ!"とフロアを左右に分けウォール・オブ・デスを促す。そしてKoieの"ファック・ユー!!"のスクリームを皮切りに左右に分かれた観客が中央で激しくぶつかり合う。SLIPKNOTなどスタジアム・メタルの佇まいを感じさせるこういったスケールの大きい楽曲は今後更に増えていくのではないだろうか。

アンコールではTatsuyaのドラム・ソロからTeruとTatsuyaのユニットによる半人力EDMサウンドで会場はクラブへと変貌。束の間のクラブ・タイムのあとに叩き出されたのは、彼らの原点ともいえるまさかの「Blue」。Crossfaithとの出会いは「blue」(※当時の表記)が収録されている『Blueprint of reconstruction』という3曲入サンプルCDを激ロック大阪DJパーティーで受け取ったときだったと思う。そこから世界で活躍するまでに成長した姿に「Blue」を聴きながら自然と涙が出そうになった。
"2006年から活動を始めた俺たちCrossfaithも新木場STUDIO COASTまで来ることができました""常に進化した俺たちを提示したかったから、「BLUE」はずっとやっていなかったんですが、みんなが古い曲も聴きたいって言ってくれたんでやることにしました"と、Koieが観客に感謝を述べたあと、ギターのKazuki について話し始めた。"みんなに伝えておかなければならないことがあります。Kazukiが脳内出血になってしまい、今俺たちとライヴをすることができません。結成してからこういう状況になったことがないので頭の中が真っ白になりました。その後バンドで話し合いを重ね、今日やっとみんなにその結果を伝えることができます。Kazukiは、今俺はギターが弾けない、ライヴができない状況だけど、それでもCrossfaithは1秒も止まらないでくれと。俺たちもその気持ちを共有できたから、Crossfaithは1秒も止まりません。Kazukiは左手のリハビリをしながら、ニュー・アルバムに向けて必死に曲作りをしてくれてます。でも1番Kazukiがしたいのは、お前らに会うこと、ライヴをすることだと思う。絶対戻ってくるから、今日お前らが俺たちとエネルギーを共有してくれることが、1番パワーになると思うから、お前らの力をKazukiに送ってあげてください!"そう観客に告げた後、Kazukiが中心となり作った「Leviathan」を最後に披露。人生の旅路を題材にしたこの曲はラスト・ナンバーに相応しいセレクトだろう。激しいパートから一転して物悲しいストリングスが会場に鳴り響く中、再び白い雪が舞い降りてくる。クライマックスを迎え感極まる中、メンバーが横一列に肩を組んで観客に向かって挨拶をし、名残惜しげにステージを去っていった。

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