INTERVIEW
ARCHITECTS
2012.07.06UPDATE
2012年07月号掲載
Member:Tom Searle (Gt)
Interviewer:MAY-E
-5thアルバム『Daybreaker』のリリースおめでとうございます。アルバムを聴かせていただきましたが、今作は過去最高傑作だと思いました。
ありがとう。本当に夢のような気持ちさ。日本に俺たちのことを好きな人がいるなんてさ。遠く離れた場所で俺たちのCDがリリースされているなんて本当にテンションが上がるよ。
-DOWNLOAD FESTIVAL、SONISPHERE FESTIVAL、WITH FULL FORCE FESTIVAL、BIG DAY OUT FESTIVALと世界各国の大型フェスへの出演を果たしていますが、出演してみていかがでしたか?
フェスは最高に楽しませてもらっているよ。フェスは文字通りお祭りだし、バンドとファンが一緒になるあの雰囲気は最高さ。UKのフェスは俺たちには一番良いんだ。去年も何万人もの前でライヴしたんだけど、目を疑うような景色だったよ。
-前作『The Here And Now』ではキャッチーなアプローチを取り入れていましたが、ファン・ベースも大きく広がったのではないですか?
そうだね。多分そういう効果はあったんじゃないかな。ラジオで流れたりもするようになったしね。前と同じものを期待していたファンには『Daybreaker』はヘヴィ過ぎるかもしれないけど、気に入ってもらえたら嬉しいな。
-前作から約1年という短いスパンでのリリースとなりましたね。ツアーに忙しくしていたイメージがあるのですが、制作は順調に進んでいたのでしょうか。
みんな俺たちが忙しそうだっていうけど、俺は今まで忙しいと感じたことはないよ。ツアーのない時は基本的には常に曲作りをしているんだけど、曲作りは楽しいからね。曲作りをすることがバンドをやっている理由だし、趣味であり、自宅でリラックスする方法でもあるから、仕事だと思ったことはないんだ。レコーディングは最高だったよ。今までで一番楽しめたレコーディングだったんじゃないかな。俺は大抵レコーディングでは凄くピリピリしてるんだ。とにかく100%正しい音源を作りたいという一心でね。でもそれは本当に難しいことで、多分実現しないんだろうけど。ただ、このレコーディングはとにかく今までで一番楽しかったんだ。
-今作『Daybreaker』では、「Outsider Heart」をはじめ持ち前のプログレッシヴな演奏力が復活していますね。具体的にどのようなサウンドを目指して制作しましたか?
今作はとにかく前のアルバムよりもヘヴィでダークなものにしたかったんだ。1年近くツアーをやって、俺が本当にやりたいアイディアをまとめることが出来た。こんなに明白に自分がやりたいと思うことがレコーディング前にあったことは一度もないんだ。個人的にはバンドの持っているプログレッシヴな部分を広げていけたら面白いと思っているぐらいさ。
-怒りが原動力であるかのようにアグレッシブなアルバムですが、「Unbeliever」というエモーショナルなナンバーが本編のラストになっているのも興味深いです。今作に込められたメッセージを教えてください。
アルバムを通じて一貫したコンセプトってのはないんだ。強いていうなら、社会を崩壊させているたくさんの原因についての曲が多いってことかな。宗教、階級制度、賃金、右翼。どれも豊かな協力性のある社会どころか、バラバラにさせるものばっかりじゃないか。俺の言う豊かさってのはGDPが成長することじゃなく、お金持ちになることでもなく、速い車や大きな家を買うことを言ってるんじゃない。俺が言ってる豊かさってのは、俺たちの家である地球を守り、将来、次世代の子孫たちが豊かな生活を送れるようにすることさ。今のところ、大惨事に向かっているんだけど。
-前作とは一味違う叙情的なメロディを取り入れていますが、ヴォーカル面ではどのような点に気を使いましたか?
歌詞のアプローチが全然変わったよ。過去の音源では、Samは自分の経験を基に個人的な問題や心配ごとを歌っているものが多かった。今作はより大きな社会問題にまで視野を広げた内容になっているよ。
-曲作りのプロセスは、今作と前作、さらにそれ以前と比べて変化はありましたか?
そうだね。微妙に違うかもしれない。バンドでリハに入る前にかなり下準備をしたんだ。長い時間をかけてちゃんと自分で納得できる曲になるまで曲を磨いてデモを作っていったんだ。その方がスタジオでみんなで練習しながら作るよりも効率がいいことに気が付いたんだ。
-今作の仕上がりからも、バンドが勢いに乗っているのが伝わってくるようですが、現在のバンド内の雰囲気はいかがですか? また最新のアー写が4人なんですが、メンバーの脱退などありましたか?
今は何とも言えない。あんまり決断に焦りたくないし、じっくり考えたいよ。どうなるにしろ、それが正しい決断になるようにしたいね。