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LIVE REPORT

山人音楽祭 2022

2022.12.03 @高崎芸術劇場 大劇場 / スタジオシアター

Writer : フジジュン Photographer:上坂和也、松本えり奈

"必死です、ローカルもがいてます。だけど、ここ群馬だけは絶対に腐らせない。未来のバンドも俺たちもいる。大丈夫、信じてついてきてください"

大トリを務めた、フェスの主催者であるG-FREAK FACTORYの茂木洋晃(Vo)が、観客に熱く真摯に告げる。群馬 高崎芸術劇場にて開催された"山人音楽祭 2022"。以前はドーム会場で開催されていたこのフェスだが、コロナの影響もあってこの会場に移り、今年で2度目の開催だ。ズバリ言って、今もコロナ前の原状復帰にはほど遠い、ローカルの音楽現場。しかし、G-FREAK(G-FREAK FACTORY)は決して諦めることなく、今年もフェス開催を決断した。そんな彼らの強い意志や志に共感した盟友たちと、地元群馬のアーティストが集結した今年の"山人音楽祭"は、熱く激しく濃密濃厚な内容となった。


劇場ステージ:BRAHMAN


紗幕の向こうに映る4人の影。静かに美しく始まった歌と演奏はやがて激しさを増し、原始的なビートと爆音に乗せた魂の叫びが観客の心を震わせる。高崎芸術劇場 大劇場の"劇場ステージ"1発目、特攻隊長として登場したBRAHMAN。紗幕に映る映像やホールならではの音の鳴り、声出しやモッシュがなくても最大限に楽しませる構成など、野外フェスやライヴハウスとも異なる魅せ方で会場を沸かす。激しく力強く直情的に、ひとりひとりと全力でぶつかる歌と演奏に、観客も拳を上げて応えた。「ANSWER FOR...」では茂木洋晃が登場し、TOSHI-LOW(Vo)と想いを確認し合うように、視線と歌声をぶつけ合う。ラスト、"山人音楽祭"の幕開けを告げ、強いメッセージを残した「真善美」はズシンと心に響いた。


劇場ステージ:THA BLUE HERB


続いての登場は、THA BLUE HERB。DJ DYEが美しく叙情的なピアノ・イントロを鳴らし、ILL-BOSSTINO(Rap)が登場した。一対多勢、会場を埋める観客ひとりひとりにたったひとりで対峙して、鋭く優しい言葉たちを紡いでは放つBOSS(ILL-BOSSTINO)の圧倒的気迫と熱量に観客が息を呑み、ステージに釘づけになる。壮大に、瞬間的に会場の時空を操り、リアルな言葉を心にぶっ刺し、心地よいビートとフロウで観客の身体を揺らし、会場中の心をひとつにしたBOSS。終盤は「GOOD VIBES ONLY」でパーティーを美しく彩ると「未来は俺等の手の中」、「バラッドを俺等に」と今この場所、同じ時間を過ごしたすべての人に伝えるべき楽曲を気持ちいっぱいに届け、感謝を述べて再会を誓う。終演後、会場には大きな拍手とステージの余韻が残っていた。


劇場ステージ:10-FEET


ど頭から「VIBES BY VIBES」、「RIVER」と、盛り上がり必至のキラーチューンをぶっ放し、会場の熱気を急沸騰させた10-FEET。熱くエモーショナルな「蜃気楼」に続いて披露した新曲「第ゼロ感」は、ダンサブル且つ攻撃的なサウンドが圧倒的スケール感を持つ、10-FEETの最新型だ。現在のままでも十分カッコいいが、一緒に声を上げたるなど観客が参加する余白が残されているので、ライヴの規制が解かれたときはライヴ・アンセムとしてさらに進化するはずと期待。MCではG-FREAKから受けた衝撃や影響を語り、"自分も相手にとって影響のあるバンドやったらいいなと思って、対バンしてきました"とTAKUMA(Vo/Gt)。ラストは「その向こうへ」、「ヒトリセカイ」で会場をまとめ上げ、ライヴ・バンドの矜持を見せた。


激情ステージ:
岩崎有季 / どんぐりず / FOMARE


またこの日、高崎芸術劇場内にあるスタジオシアターに設置された"激情ステージ"には、地元群馬のアーティストが出演。アコギ1本、単身弾き語りで"山人音楽祭"に挑み、力強く堂々としたステージを見せてくれた岩崎有季、抜群のセンスと高いスキルから生み出される自由奔放な音楽で、初めて観る観客も巻き込む問答無用の盛り上がりを見せたどんぐりずと続き、激情ステージのトリを務めたのは高崎市出身、地元で自身主催のフェス"FOMARE大陸"も開催したFOMAREだ。入場規制が起きるほど注目を集め、高まる観客の期待を楽々超えるほど、たくましい歌と演奏で堂々としたステージを魅せてくれた彼ら。熱く激しくエモーショナルに、地元愛もしっかり感じる"山人音楽祭"ならではのスペシャルなステージのラストは、当たり前だった毎日に想いを馳せる「愛する人」で、希望を鳴らしてトリの大舞台をしっかり締めくくった。

またこの日、高崎芸術劇場内にあるスタジオシアターに設置された"激情ステージ"には、地元群馬のアーティストが出演。アコギ1本、単身弾き語りで"山人音楽祭"に挑み、力強く堂々としたステージを見せてくれた岩崎有季、抜群のセンスと高いスキルから生み出される自由奔放な音楽で、初めて観る観客も巻き込む問答無用の盛り上がりを見せたどんぐりずと続き、激情ステージのトリを務めたのは高崎市出身、地元で自身主催のフェス"FOMARE大陸"も開催したFOMAREだ。入場規制が起きるほど注目を集め、高まる観客の期待を楽々超えるほど、たくましい歌と演奏で堂々としたステージを魅せてくれた彼ら。熱く激しくエモーショナルに、地元愛もしっかり感じる"山人音楽祭"ならではのスペシャルなステージのラストは、当たり前だった毎日に想いを馳せる「愛する人」で、希望を鳴らしてトリの大舞台をしっかり締めくくった。



劇場ステージ:G-FREAK FACTORY


そして劇場ステージの大トリとして満を持して登場したのは、"山人音楽祭"の主催者であるG-FREAK FACTORY。「Too oLD To KNoW」でライヴが始まると、観客の大きな拍手と期待を浴びながら、客席後方から登場した茂木。「Unscramble」、「REAL SIGN」と続き、気概に満ちたステージに会場中から拳が上がる。MCでは"俺たちは諦めない。これからの未来のために、自分たちのために、仲間のために。怖いとか言ってる時間はもう過ぎた。次に行こう、掴みに行こう"と告げ、"火を消さないでください!"と「Fire」で観客の心に着火。「ダディ・ダーリン」では茂木の想いを後押しするようにTAKUMA、TOSHI-LOW、ILL-BOSSTINOがステージに登場し、たっぷり気持ちを込めた歌とラップでマイクを繋ぐ。


ラスト「らしくあれと」を"いつもここにいるから"と優しく語り掛けるように歌い、温かい雰囲気で本編を終えたG-FREAK。鳴り止まないアンコールの声に再びステージに登場すると、"すごかっただろ、今日の「山人(山人音楽祭)」?"と茂木が嬉しそうな笑顔で観客に問い掛け、会場中から大きな拍手が起きる。"1曲だけ!"と始まったアンコールでは、激情ステージを含むすべての出演者をステージに呼び込み、「日はまだ高く」を賑やかに大合唱。それぞれに守るべき故郷があって、守るべき仲間がいて、守るべき音楽がある。同じ意志や志を持ち、群馬を守り続けようと闘うG-FREAKに共感し、共闘してくれた心強い盟友たちが見守るなか、"「山人音楽祭」、大成功!"と茂木が高らかに告げ"山人音楽祭 2022"は大団円で閉幕した。群馬が生み育てたローカル・バンドの最高傑作、G-FREAK FACTORY。彼らがいてくれる群馬に嫉妬するほど、素晴らしいフェスだった。

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