INTERVIEW
10-FEET
2017.11.02UPDATE
2017年11月号掲載
Member:TAKUMA(Vo/Gt) NAOKI(Ba/Vo) KOUICHI(Dr/Cho)
Interviewer:荒金 良介
結成20周年というタイミングで、10-FEETが8thアルバム『Fin』を完成。内容はこれまでのキャリアを総括し、なおかつ更新するような最高傑作と言っても過言ではない。今回は、1997年に地元京都で結成し、不動のメンバー3人で活動を続けてきたバンド・ヒストリーに焦点を当て、彼らがいかにしてオリジナリティ溢れる音楽を創造するようになったのか。また、バンド主催による人気フェスとして定着した"京都大作戦"や、過去作品に対するメンバーそれぞれの想いなど、様々な角度から3人に語ってもらった。これを機に新作はもちろん、過去作品にも遡って、さらに10-FEETの魅力を味わい尽くしてもらいたい。
-唐突ですが、"RISING SUN ROCK FESTIVAL 2017 in EZO"で10-FEETのライヴを観たんですが、1stシングル『april fool』(2001年リリース)の1曲目「BE FRIENDS AGAIN」をやってましたけど、お客さんの盛り上がりがすごかったですよね?
TAKUMA:意外とウケましたね(笑)。自分たちも楽しいし、もし全然盛り上がらなくても、そのあとの曲も引き立つし。しっかりやれば中だるみするんじゃなく、へぇー! と思ってもらえるんじゃないかと思ってやってみました。あと、ライヴでお客さんが入ってなかったころから、北海道のテレビ番組がオープニングやエンディング・テーマで使ってくれたり、街を歩いてて、声を掛けられる現象が最初に起きたのが北海道なんですよ。
-そうなんですか!
TAKUMA:"ドラゴンボール"の衣装でキャッチしてる兄ちゃんから"TAKUMAさんですよね?"と声を掛けられて、嬉しかったのを覚えてます。
-(笑)今年結成20周年を迎えますが、いままでの中で一番印象深い出来事というと?
TAKUMA:1stアルバム『springman』(2002年リリース)が出たときと、「RIVER」(2002年リリースの3rdシングル表題曲)がスペースシャワーTVの"POWER PUSH!"で取り上げられたときですかね。やっぱり1stアルバムが出たときに、お客さんが目に見える形で増えましたからね。自分たち名義のツアーでもライヴハウスがそれなりに埋まるようになりました。それ以前はお客さんが20人以上になることはないと思ってて。
-そうなんですか。
TAKUMA:別に卑屈な感じではなくてね。そのころは自分たちのお客さんが10人前後でしたから。そのなかでいかに笑わせて、宴会みたいな気分になって帰ってもらえるかなとか、この環境のなかでどれだけ楽しんでもらうかの繰り返しやなと思ってましたね。それが少し変わった瞬間でした。
-『springman』レコ発ファイナル(※2002年)は渋谷ON AIR WEST(現 渋谷TSUTAYA O-WEST)でしたよね。僕も観てましたけど、ザワザワ感がありましたもんね。KOUICHIさんはどうですか?
KOUICHI:やっぱり上京したことかなぁ。
-それはあとで聞こうと思ってました。
KOUICHI:いま、喋っちゃった(笑)。
-全然大丈夫です!
KOUICHI:すべてが新しいことばかりでしたからね。上京したから、いまがあると言えるんじゃないかな。友達も増えたし、すべてを教えてもらった場所ですね。TAKUMAが東京に行こうと言い出して、成功するとも思わず、軽い気持ちで行ったんですよ。でも行くと、いろいろと物事が噛み合い始めて、CDを出したら、多少お客さんが入り始めたし。あっ、これは気持ちを切り替えないとあかんなと。バンドに対する気持ちが変わったことが大きいかな。
-NAOKI君はどうですか?
NAOKI:初ワンマン(※2003年)ですかね。SHIBUYA-AX(※2014年5月に営業終了)でやったんですけど、当時はSHIBUYA-AXなんて絶対無理でしょ、と思っていて。だけど、最終的にチケットも売れ切れたんですよね。でも、ステージに出るまで実感がなくて。SEが流れたときに、あれだけの規模の歓声を聞いたこともなかったし。そういうことはすごく覚えているんですけど、ライヴの内容は一切覚えてなくて。このときの映像は残ってないんですよね。
KOUICHI:PAの横にビデオカメラを設置してたのに、スタッフが録画ボタンを押し忘れたんですよ。
-えっ! 撮るはずのものが撮れてなかったと。
KOUICHI:初ワンマンだから、形に残したかったんですけど、残せなかったんですよ。
TAKUMA:空砲です。もう二度と撮れない!
一同:ははははは(笑)。