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LIVE REPORT

10-FEET|PUNKSPRING 2012

2012.03.31 @幕張メッセ

Writer 沖 さやこ

お馴染みのオーケストラSE、ドラゴン・クエスト3のエンディング曲が流れる。赤い光の中からメンバーがゆっくり登場した。"日本がおもろいところやって見せたろうぜ!"とTAKUMA(Vo&Gt)が叫ぶと1曲目「STONE COLD BREAK」。ヘヴィでありつつも躍動感のあるアンサンブルでフロアをグッと引きつけると「RIVER」へ。オーディエンスはより前へ押し寄せ、OiOiコールが巻き起こり、ダイバーも出現。"ジャパン、見せてくれよ!"とTAKUMAが言うとフロアの熱狂は更にヒート・アップ。ステージとのコール&レスポンスは強靭な一体感が生まれ感動的だった。

その勢いのまま、NAOKI(Ba)の奏でるクールなベースが冒頭で鳴り響く「Super Stomper」へ。曲の中で変幻自在にキャラクターを変えるカラフルな曲ゆえか、観客は思い思いにビートに乗る。途中、TAKUMAによる英語講座が開講。NIRVANAは"ナヴァーナナ"と発音しなきゃ通じないという話題から下ネタまで、独特のテンポとトークで場内を沸かせた。その後は「淋しさに火をくべ」「1 sec.」「その向こうへ」と畳み掛ける。衝動の込もるギター・カッティング、TAKUMAの歌が耳を劈き脳天を突き抜ける。

「風」の前、TAKUMAは目をつむりゆっくりと語った。震災について触れ、幸せについて触れ、"人と人が衝突するのは、みんなが平和と幸せを願っているから"だと言う。"どこに行けばええんやろな。分からんな。分からんけど......もう行かなくちゃ"。混乱を抱えたまま音を鳴らし、"ああ教えてくれよ"と歌う彼の言葉が痛いほどに刺さる。"そのまま最高の場所へ行くぞ"と叫び、ラストの「goes on」へ。分からないことばかりで、問題や不安も絶えない毎日。だが音楽はそんな心を和らげ、笑顔を生み出すパワーを持っている。10-FEETはたった30分間で、それを証明した。

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