INTERVIEW
10-FEET
2009.04.06UPDATE
2009年07月号掲載
Member:TAKUMA(Vo.&Gt.)
Interviewer:TETU★KID
-11thシングル『1sec.』完成おめでとうございます。どの曲にも印象的なメロディと歌詞が溢れていますね。すでに11枚目のシングルになりますが、今までの10枚のシングルが完成したときとの気持ちと変わるところはありますか?
TAKUMA(以下:T):なんか作り出した経緯というか、わりと今回はリリースのタイミングがすごく開いていて、久しぶりの曲作りとレコーディングだったんですよ。で、曲作りとレコーディングに入る前に京都大作戦やアメリカ西海岸ツアーなんかがたくさんあってですね、そういう作曲したくなるような事柄があったにも関わらず作曲するまでにすごく期間が空いていたんです。そういうこともあって早く曲を作りたくて仕方がないという状態になって曲を作りました。今まで曲を作りたいのに曲を作れないという期間があることはここ6、7年なかったので曲が出来上がった時は早くライヴでやりたいなっていう気持ちが非常に大きかったですね。
-一曲目【1sec.】の歌詞は昨年の西海岸ツアーでの経験からインスパイアされたとのことですが、曲調も10-FEETの得意とするレゲエ・ミクスチャーと哀愁溢れるパンクロックが良い具合にミックスされたアップテンポなナンバーですね。また過去最高にライヴ仕様でハイテンションな仕上がりになっていますが、西海岸ツアーの勢いがストレートに楽曲に表れた結果でしょうか?
T:そうですね。西海岸のツアーで対バンして聴いてきた人たちのパワーとか、音楽性、音楽カルチャーもそうなんですけど、そのバンドのルーツみたいなものにも非常に興味が沸いたし影響されましたね。でも一番もらったものはやっぱ勢いだなと思いますね。音楽というよりはバンドの考え方や、勢い、人柄、本当にアメリカのバンドはぶっ飛んでるなと思いましたよ。
-【1sec.】の歌詞の中にも出てきますが、アメリカの食事はかなりの高カロリーだったみたいですが、食事とはどうだったんですか?
T:食事はおいしいんですが、量が半端ない感じでした。肉とかチーズとか卵とか悔しいけど本当にうまいんですよ。ただ、本当に量が半端ないんですよ。TOO MUCHな国だなと思いました。はっきり言うてピザもめちゃくちゃうまいんですよ。ですが、滞在中はもう目に見えて太っていくのが判るし、Tシャツがきつくなっていくのが判るし、相当凹みました(笑)
-三曲目【ナクシタモノ】は、パーティー・サウンドなナンバーである【1sec.】とは対比的ともいえる内省的な歌詞と哀愁溢れるメロディが印象的なミドルテンポのナンバーですね。また新しい10-FEETの一面を見ることができますがこの曲ができた過程を教えてください。
T:結構元ネタ、というかデモを作っていくときっていうのは、すごく個性的な部分のアイディアだけを何となくの曲にしていくんですよ。すっごいシャッフルとか、これすっごい泣きのメロだとか、これめっちゃ速いとか、これなんか怒ってるみたいにシャウトしてるとか、そういうものをコンコンコンっと出していく中ですごく泣きで、しかもその泣きのメロディーが思い浮かんで、そのメロディーが一番生きるテンポはこれやって感じでデモを作ったんですよ。で、これのデモをよりよくアレンジしようと3人で集まって作業したんですよ。ただこの曲に関してはアレンジをする時間が一日くらいしかんなかったんですけどね。で、いざ作業に入ってみたら変化を付けても全然良くならないし、結局最低限のシンプルな展開に落ち着いたんですよね。
僕らっぽさをどうやって付けようかなんていうこともあまり考えず、その曲が持っている特徴と良さを最大限に生かすことだけを考えました。そうすることによってすごく極端な曲になったんですけど出来上がって客観的に聴いてみてもすごく良いなと思える曲に仕上がったと思います。
-『口癖のあの言葉 初めて言えなかった』という歌詞が出てくるのですが、この歌詞についてお聞きしたいのですが。
T:たとえば、こう元気な奴が『気にしたら負けやってそんなもん!』とか『落ち込むだけ損やって』とか、そういうポジティブな言葉があったときに、なんかもう自分の中で絶対こういうシチュエーションではこう言うんやっていうのを僕も持っていた時期っていうのがあったんですね。でもいざ精神的に落ち込んでたりしている時にふとポジティブな言葉が出なかったりして、やっぱり人間アカンときはアカンなと思ってすごくショックだったんですよ。心の中で自分でスローガンにしていることや、座右の銘みたいにして自分の中で絶対に貫いてきた信念みたいなものだったりとか、ポジティブなものだったり、なんかこう自分の中でこだわりを持っている考え方的なものを貫けなかった瞬間、その理由は何かが欠落していたり失っていたり、何かが至らなかったり、精神的コンディションが悪かったりする時に言えなかったりするんですけどね。あとは相手が一番ポジティブな言葉を欲してるとき、例えばどこかに4、5年留学する直前に絶対にこの言葉を言うたらなというときに言ってあげれなかったりとか、そういう瞬間のイメージというかそういうときの気持ちを思い出して書きました。
あそこでちょっと勇気を振り絞って一言声を掛けてあげるだけで相手は絶対に嬉しかったはずやのにとか、その一言を自分は格好付けやなと思うけど相手にとっては絶対に嬉しいはずや、言えるはずやっていうときに言えへんかったときとかって言うのを感情移入して書きました。