MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

10-FEET

2017.07.14UPDATE

2017年07月号掲載

10-FEET

Member:TAKUMA(Vo/Gt) NAOKI(Ba/Vo) KOUICHI(Dr/Cho)

Interviewer:西廣 智一

今年バンド結成20周年、主催イベント"京都大作戦"10周年という節目を迎えた10-FEET。彼らが、約4年ぶりのシングル・リリースとなった『アンテナラスト』、前作『ヒトリセカイ×ヒトリズム』に続き、約1年間で3作目のシングルとなる『太陽の月』を7月19日にリリースする。1曲目としては意外性抜群のバラード・ソング「太陽4号」を筆頭に、今回も三者三様の楽曲をパッケージ。3曲それぞれでこれまでの10-FEETを端的に表現したような内容となった今作、そしてシングル3作リリースの背景について、メンバー3人にインタビューで迫った。

-この1年の間に発表されたシングル『アンテナラスト』、『ヒトリセカイ×ヒトリズム』からの楽曲をライヴで聴くと、過去の楽曲と並んでしっかりアンセムとして定着している印象を受けました。演者として、最初にレコーディングしたころと比べて何か変化を感じますか?

KOUICHI:最初と比べたら馴染んできてるとは思いますね。『アンテナラスト』と『ヒトリセカイ×ヒトリズム』ではアルバム・ツアーほどのボリュームでのツアーをやっていないので、ライヴの回数で言ったらまだそこまでではないんですけど、徐々に自分たちのものになってきてる感はあります。

-お客さんのリアクションにも、ただワイワイ騒ぐだけじゃなくて、歌や歌詞にじっくり耳を傾けてるという変化を感じました。

KOUICHI:そうですね、曲に集中してくれてるというか。テンポが速いとみんな暴れたりダイブしたりするんですけど、曲調がああいう感じなんで、しっかり聴いてくれてるなって。お客さんの方を見ると結構歌ってくれてる人もいますし、しっかり届いているのかなと思います。

NAOKI:僕も今KOUICHIが言ったことと、感覚的にはだいぶ近いです。僕らの中でも新しい方の曲なので、最近少しずつ身体に入ってきてる感じですね。部屋で練習するよりステージで馴染ませていかないと、なかなか入ってこないので。

-それは例えば、お客さんのリアクションの良し悪しも影響するのでしょうか?

NAOKI:お客さんもやっぱり視界に入るので、曲によってはリアクション次第でこっちの感覚も変わったりとかして。お客さんのそういう感じが、こちら側の曲の感じ方に変化を与えることもあるんじゃないかな。

-特に今年発売された『ヒトリセカイ×ヒトリズム』からは、「ヒトリセカイ」がドラマ"バイプレイヤーズ~もしも6人の名脇役がシェアハウスで暮らしたら~"のオープニング・テーマに採用されたこともあって、今まで名前は知っていたけど曲まで知らなかったという層にも届き始めたのかなという印象もあって。実際、僕の周りでもあのドラマを通じて"10-FEETの曲いいよね"という声をよく耳にしました。そういうところでの手応えは感じたことはありましたか?

NAOKI:手応えというか、反応として面白いなと感じたのは、同世代とかちょっと先輩とか、そういう周りのバンドマンからの反響がすごく良かったことで。わざわざ直接それを言いに来てくれたこともあって、今までそんなこともあまりなかったので、普通に嬉しかったですね。

TAKUMA:何かを言って誰かに伝えるというよりは、こういう"独り言を心の中でたまに言ってまうな"ってことを......いろんな心境のときとか今までのいろんな年齢、時期に、例えば20代のときにこういうことをよく独り言で言ってたなとか、そういうことを全部あそこに書いたと思うので。呼び掛けて伝えてメッセージを送って、それが刺さったというよりかは、"言っちゃうよね、それ。たまに酔っ払うと心の中で"とか、"ネガティヴになるとそういうふうに思っちゃうよね"とか、"わかってるけどそうできないよね"とか、自問自答というところで単に神経衰弱みたいに同じ絵柄がどんどん揃っていくような気持ちよさというか。僕も聴いていて、内容が暗くても明るくても、前向きでも後ろ向きでも、そうやって絵柄が重なるような曲が好きなので、そういう想いを持ちながら書いた「ヒトリセカイ」は、酔っ払ったときの独り言みたいな曲やと自分の中ではちょっと思ってるんです。

-なるほど。

TAKUMA:そういうのって、実は一番歌っぽいなとも思いながら、言ったらパッと聴いた感じハッピーやったりキャッチーやったりせぇへんようなものでもあって。若い人も聴いてくれるなかで、そういう音源の中でどうやって共感してもらうかとなったときに、やっぱりそこでよりわかり合えるための表現......言葉にも音楽にも表現があった方が伝わると思う。その架け橋になるようなビート感とかメロディとか歌詞の内容とか、ほんまに言いたいことを伝えるために、楽曲全体で歌ってることの中心に来てない部分の表現、そのへんが真ん中を伝えようとしてくれてると思うので、そういうものをいかにロックしてパンクして作れるか、生み出せるかやと思うんです。「ヒトリセカイ」は"それをやるんだ!"っていう思いがすごく強かった曲だし、しかも1年以上時間をかけて、どうやってそれが思ってるような表現の仕方に辿り着くんだろうって悩んで辿り着いた曲なので、たぶん洗練されてる部分はあるかもしれないですね。洗練を重ねて、そのうえでエイジングするというか、崩していくというか、馴染ませてあとは思いっきりやるだけという状態に持っていってからレコーディングできたので、その表現自体もいい形に持っていけたんじゃないかな。若い人には言葉の伝えようとしている哲学なのかアティテュードなのか、ぼやきなのかわからないけど(笑)、"わからんけど、なんかいいな"と思ってもらえるような力は宿ったんじゃないかなとは思います。