MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

10-FEET

2017.07.14UPDATE

2017年07月号掲載

10-FEET

メンバー:TAKUMA(Vo/Gt) NAOKI(Ba/Vo) KOUICHI(Dr/Cho)

インタビュアー:西廣 智一

最初にその曲を作ってドキッとしたところはやっぱり大事にした方がいいなと思った


-なるほど。今回のシングルでスローな「太陽4号」を1曲目に持ってきたことに、どういう意味があるんでしょう?

TAKUMA:テンポにこだわるときもあるんですけど、今回に関してはこだわらずというところですかね。1曲目を決めるときは、総合的に今の自分たちを表現できるような曲であったりと、そういう決め方もあると思うんですけど、今回は曲をアレンジするときから、良いメロディ、良い歌というのはテンポの速い遅いじゃないよなっていうところを忘れずに作ろうと思ってトライしたんです。で、この曲は制作途中ですごく速い曲になったり、またゆっくりになってまた速くして、やっぱりこっちのテンポとこのリズムの方がいいなと思って今の形に戻ってきたんです。僕たちはアップテンポの曲が売りやったり魅力であったり、そういう曲の方が多いですから、そういうバンドだからこそこういう曲をシングルの1曲目にしたらそれなりの反応があるんだなというのを今、いろんな人から話を聞いて感じていて。正直、テンポにこだわらずっていうところ以外はなかったので......コメントがちょっとだけ難しいです(笑)。

-ここに辿り着いたのって、「アンテナラスト」然り「ヒトリセカイ」然り、弾き語りで歌っても完全に成立するし、テンポとか関係なく言葉がすごく響く楽曲だったから、その流れがあるから、今回「太陽4号」を聴いてすごく腑に落ちるものがあるんです。こういうピアノを乗せてじっくり歌を聴かせるとなると、アレンジするうえでもいろいろ工夫が必要だったのかなと思いますが?

TAKUMA:今回は曲をより良くすることを意識していたんで。いつもはテンポ感とかロック感とかの比率をもうちょっと高くしているから、そのぶん鍵盤とかが小さかったんですよね。そこが今回の場合はちゃんとテーマに沿ってというか、最初に描いたヴィジョンに向かって作っていった結果のアンサンブルがこれやと思うんで。なんかね、ロック感とかテンポの速さにこだわるときはこだわってやってきて、それもすごくいい経験になったと思うんですけど、ロック感にこだわるというか、そういうものが曲の芯にある聴かせたい部分を隠し始めると、それはまた違うのかなと。最初にその曲を作ってドキッとしたところはやっぱり大事にした方がいいなと思ったんですね。これはその結果、辿り着いたアンサンブルというか。いつもはこんなにピアノを大きくしたりしないのに、そこに意識が行くことなく完成したのは、いいとこ行ってるんじゃないですかね。

KOUICHI:ドラムに関しては手数とかじゃなくて、リズムで押すというか。たぶんもっといろいろやろうと思えばできると思うんですけど、それをあえて引き算というか、そういう感じでやりました。

-この曲のタイトルの"4号"なんですけど、僕はふとTheピーズの「実験4号」(1997年リリースのアルバム『リハビリ中断』収録曲)を思い浮かべてしまって。

TAKUMA:あ、Theピーズの「実験4号」は大好きです。シンパシーを感じるぐらい大好き。

-なぜ4号だったのかなというのも気になりますが。

TAKUMA:オマージュと言ってもいいくらい好きですけど(笑)。この4号というのは......若いころから純粋に熱くまっすぐ生きていかなきゃなと思ってたんですけど、その都度純粋さの意味合いも変わったりして。純粋さっていうものを知るために純粋じゃなくなって、斜めから物事を見て人を疑ったりして、それがまた30歳ぐらいになって今度はそこを愚直にって生きるようになって。今度はそうすることに疲れることもしばしばありながら、それでも純粋に生きている人、爽やかに生きている人、みんなを楽しませる人を見ていて、その姿に"自分もそうありたい、そうあろう"という勇気をもらったりして。そういった純粋さを太陽に見立てて、もうかれこれ自分は4号機ぐらいの感覚やな、3つ使い果たしたなっていう意味合いがメインですかね。いろんな意味を入れているつもりなんですけど、そこが一番大きいかもしれないです。

-なるほど。そして月に関しては、最初に「月 ~sound jammer せやな~」が夜っぽいという話を聞かせていただいて、すごく納得しました。

TAKUMA:これは1曲目と対極にある曲ですね。一転して頭空っぽにして、アホなことでも言いながら楽しみましょうっていう。何かを伝えたい、こういう軸を持って強く生きていきたいという真摯な思いも、普段の何の意味もないバカな面白い話であったり、理屈のない楽しい時間があってのものだと思うし。やっぱりストレスや疲れを感じていたら、正しいことや熱い思い、優しさでさえも重く感じるときがあるから。人間は常にこのふたつが輝いてないと頑張れないもんだなと思ってますので、そのふたつがこの作品の中にあってほしいと。それはアートワークにも表れていると思います。

-表があれば必ず裏があるわけで、それは人間誰しも持っているものですものね。そして3曲目「少し眠っていたんだ」もすごくストレートで、気持ちよく入ってくる楽曲です。この曲ではNAOKIさんががっつり歌ってますね。聴いていると、ハーモニーを作っていたのに気づけば主旋律を歌っていたりと、その構成も面白いです。

NAOKI:そうですね、掛け合いっぽくて。キー的にも自分的に歌いやすいので、まだスタジオで合わせたりはしてないんですけど、ライヴでも楽しくやれそうですね。こうやって歌いながら演奏するのが、わりと気持ちいい曲なので。

-世代的になのかもしれませんが、メロディがすごく懐かしい感じで、ノスタルジックな印象を受けました。

TAKUMA:そうですね。ひょっとしたら、僕らが子供のころから今に至るまで、一番聴いてきた音階やスケールなのかな。僕らが子供のころに日本にあった音楽......歌謡曲であったりJ-POPであったり、あるいはアニメ・ソングであったり、すごくメロディのいい名曲がたくさんありましたからね。それを、僕たちがいわゆるメロディック・ハードコアとかそういう音楽にしたならば、みたいな曲にはなってると思います。そういうものをより届けるためにも、僕らがこのバンド活動で学んできたものを凝縮させて架け橋にして、僕らが今まで見てきた、聴いてきた音楽であったり、そういうアーティストから影響されたものを伝える。そんなふうに考えたことはなかったですけど、作曲ってもしかしたらそういうことなのかもしれないですね。

-メロディック・ハードコアってそもそもは海外のパンクからの流れがあったと思うんですけど、特にこの曲は純日本的なメロディで、そこが日本で生活している人の琴線に触れる、誰もが親しみを覚える要素があるんでしょうね。

TAKUMA:その楽曲にちゃんと酔っ払いながらもできた部分ができたんでしょうね。

-今回も内容の濃いシングルになりましたね。

TAKUMA:そうですね、かなり。2曲目は音楽的にやったわりには、意外と酔っ払ってできたというか。シラフでその曲を音楽としてコントロールして演奏する、表現する方が生きる曲もあれば、血液の中に流し込んで酔っ払ってやった方がいい曲もある。それが曲調は全然違うのに、今回3曲ともそうできたのは、たぶんよかったんじゃないかなと思いますね。で、どれも我を忘れずそれを楽しんでできたのは、よかったなと思います。