MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

10-FEET

2017.01.23UPDATE

2017年01月号掲載

10-FEET

Member:TAKUMA(Vo/Gt) NAOKI(Ba/Vo) KOUICHI(Dr/Cho)

Interviewer:西廣 智一

昨年7月に約4年ぶりの新音源『アンテナラスト』を発表した10-FEETが、早くもニュー・シングル『ヒトリセカイ×ヒトリズム』を完成させた。バンド結成20周年の節目となる今年最初のシングルには、バンドの"今"を高らかに宣言する「ヒトリセカイ」、ミクスチャー・ロック色濃厚な「火とリズム」、バンドのルーツを垣間見ることができる「[final day]」とバラエティに富んだ3曲を収録。どれもがリード・トラックとなりうる強力な1枚に仕上がった。今回のインタビューではメンバー3人に、今作に対する思いやこれから成し遂げたいことなど、興味深い話をたっぷり訊いた。

-昨年7月にリリースされた4年ぶりの新曲「アンテナラスト」は10-FEETの新たなアンセムとして受け入れられた印象がありますが、そういうリアクションについてどう感じましたか?

TAKUMA:リアクションはおかげさまでいいですよ。ライヴであの曲をやったときに、酒の席で弾き語りをして急に"適当に歌いまーす"と言って歌ったような、自然な馴染みみたいなものがわりと最初のころからあった曲やなというのは思いましたし。アカペラから始まるんで、初めて聴く曲やけれどもスッと成立するような場に結びつく要素になったかもしれない。ただ、10-FEETの曲の中でもまだ新しい部類に入ると思うんで、これが何年か経って既存の曲のうちの1曲となっていったときに、やっと自分的にも見えてくるものがあるのかな、お客さんにとってもそうなのかなってことを考えてます。

-これは数字での結果でしかないですけど、シングル『アンテナラスト』はオリコンの週間ランキングにおいて、10-FEETのこれまでのシングルの中でも最高の5位という記録を達成しました。この数字に対して何か思うことはありますか?

TAKUMA:プラスになっているとは思います。昔は10-FEETを聴いてたけど最近聴いてへんなっていう人も、店頭で手に取ってCDジャケットを見てくれるぐらい、間は空いたなとは思いますし(笑)。僕らにとってはジャケットを見てもらえるだけでも、嬉しいしプラスやと思いますから。それが今まで好きでいてくれた人や、新たに好きになった人に手に取って買ってもらえたのなら、なおさら嬉しいですし。実際どういう人がどういう気持ちで買ったというところまでは、僕らはもちろんチェックできないからわからないんですけれども、久しぶりの新曲だからみなさんが買ってくれたということ、そこに"この曲はこれこれこうだからいい"と言ってくれて、その上にこういう数字があるんだったら、それは素直に嬉しいですね。

-特にここ1、2年はロック・バンド、パンク・バンドのシングルがヒット・チャートの上位に入る機会が増えつつあります。10-FEETとはちょっと状況は異なりますが、昨年秋にはHi-STANDARDの16年ぶりのシングルがチャート1位を獲得するというトピックもありましたし。そのなかで、10-FEETというバンドにとってシングルというアイテムはどういう意味を持つものなんでしょうか?

TAKUMA:そのときそのときのバンドの表情や状態、バンドがやりたいことというのが一番シンプルにわかりやすく、色濃く出るんじゃないですかね。

-それはアルバムよりも、もっとわかりやすくということなんでしょうか?

TAKUMA:アルバムはより広く深くやと思うんですけど、シングルはもっと端的に"今、どんな感じなの?"ってひと言で言ってくださいと問われるような感じですかね(笑)。アルバムはそれをインタビューみたいに、じっくり時間を取りながら答えているって感じかな。

-近況報告みたいなものだと。それが昨年夏から2作続いているわけで、それ以前の状況を考えると今はバンドとして良い状況にあるのかなと感じるのですが、実際のところはどうなんでしょうか?

KOUICHI:新曲を出してないときは、作ってたけど完成しなかったっていう状態やったんですけど。それが何曲か作ってリリースできるという今は、かなりいい状況だと思います。そもそも曲ができるということ自体がいい方向やとは思いますけどね。できないときはどうやったってできないですから。

-「アンテナラスト」を発表する前まで、曲作りは常に続けていたわけなんですよね。そこでみなさんの中で、シングルやアルバムとして発表したいと思える、納得できる曲が完成しなかったと。

KOUICHI:そういうことです。


表題2曲はすごく表情が異なる高得点な曲やったので
そのまんま聴いてもらいたかった


-では改めて今回のシングル『ヒトリセカイ×ヒトリズム』について話を聞いていこうと思います。今作はまず、タイトルに惹きつけられるものがあって。"ヒトリセカイ×ヒトリズム"というタイトルは"ヒトリセカイ"(Track.1)と"火とリズム"(Track.2)を掛け合わせたものですが、こういうタイトルにした理由は?

TAKUMA:1曲目も2曲目も完成した時期が近かったので、どっちかをシングルの表題曲にしようと思っていたんです。昨年7月のシングル制作の際にどっちを出すかっていうことで協議していたんですけど、その協議のあとに「アンテナラスト」が生まれて。結果、「アンテナラスト」をこないだのシングルにしたんですが、その次に「ヒトリセカイ」と「火とリズム」のどっちをシングルにするか、それとも新たに曲を書くかというところで話し合ったら、2曲ともシングルで出しましょうということになったんです。だから今回はダブルA面というよりは、自分たちが何年かかけて作ってきた曲の中で良かったと思う3曲。中でも特にこの2曲はすごく表情が異なる高得点な曲やったので、それをそのまんま聴いてもらいたかったし、そういう思いをそのまんまタイトルにしたかったというのがあるかもしれないですね。

-シングルにおいては1曲目、2曲目という曲順はあるけど、そこで優劣をつけない、どちらも同じポジションとして提示したいということなんですか?

TAKUMA:でもジャッジするうえで、僕らの中で1曲目の「ヒトリセカイ」の方に小さな差があったので、こっちを1曲目にしました。

-その差はなんだったんでしょう?

TAKUMA:選んだか選んでないか、ぐらいの違いじゃないですかね(笑)。同系統の曲やったらもうちょっと比べられたんですけども。