INTERVIEW
10-FEET
2016.07.15UPDATE
2016年07月号掲載
Member:TAKUMA(Vo/Gt) NAOKI(Ba/Vo) KOUICHI(Dr/Cho)
Interviewer:荒金 良介
-約4年ぶりの音源になりますね。まずこれだけ期間が空いた理由は?
TAKUMA:曲ができなかったからです!
-(笑)そうだと思うんですが。曲はずっと作り続けていたんですか?
TAKUMA:そうですね。作ってはやめ、作ってはやめ、みたいな。その間にカバー音源も出しましたからね。で、何度かレコーディングにもチャレンジしたけど、やっぱり違うなって。1曲を完成させるまでには集中力と決断力がいるもので......どれだけヴィジョンを持っているのか、そのフェーズが2、3回出てくるんですけど。そのハードルがやって来たときに、"ほんまにこれでええんかな?"ってヴィジョンが見えなかったんですよね。
-なるほど。
TAKUMA:おぼろげながら、いつもは"こういうことをやりたい"と思うものがあるんですけど。それが見えないまま走っていたから、引き返すことも多くて。これだけ期間が空いたから、今作ができたところもあるのかなと。
-というのは?
TAKUMA:メンタル的なところが大きいんですけどね。パンク・ロックのスリー・コードみたいな曲も久々にやると楽しいし、そのパワーは音源にも活かしたいから。"俺らはロックが好きなんだな"と感じながら、曲を作りたくて。そうするために、これだけ期間を空けたわけじゃないけど、結果的にそうなったなと。
-パンク、ミクスチャーという枠組みに向かうというより、自分の内側から溢れ出てきたものがロックだったら、OKみたいな?
TAKUMA:そうっすね。逆に言えばこれだけ期間が空いたから、ロックしてる曲ができたのかもしれない。『その向こうへ』(2011年リリースの14thシングル)のあとに『thread』(2012年リリースの7thアルバム)を出して、その流れで音源を作ろうと思ったときに、『その向こうへ』、『thread』を超えなきゃいけないなと。それは単純に難易度が高かったんですよ。で、その高さととことん向き合うべきなのか、そうじゃなくて、他にやり方があるのかなと。ハードルを下げることはないけど、どうしようかなって。
-それから迷走したと?
TAKUMA:そうですね。自分たちがしっくりくる場所を探してました。知識、技術で前よりも難しいことをしたからといって、良くなるわけじゃないから。『その向こうへ』、『thread』は自分たちに何かを課してくる作品でしたから。
-模索する中で見えてきた着地点は?
TAKUMA:今自分たちは何をするべきなのかなと。いろいろ模索する中で、最初に向き合っていたディテールみたいなものが見えてきたんですよ。
-最初に向き合っていたものとは?
TAKUMA:『thread』完成直後に4、5曲作っていたんですけど。「skatting」(Track.2)と「BombBassKinny」(Track.3)はそのときからあったもので、「アンテナラスト」(Track.1)は最近できた曲ですね。
NAOKI:リード曲ができるまで時間がかかったんですよ。3人でスタジオで合わせても、この曲で勝負しようというものが生まれなくて。今回は「アンテナラスト」ができるまでの精神状態が良かったのかなと。それを踏まえて、結果約4年かかったと思います。
KOUICHI:音源を作るという意味では、今までと何も変わらないんですけどね。ただ、約4年間音源を出していないことをメンバー内でも考えました。楽曲の構成とかよりも、作曲に対する考え方に時間を割いた気がしますね。お客さんはどんなものを求めているかなって。
-「アンテナラスト」が表題曲というのも個人的には驚きました。
TAKUMA:今の10-FEETの音楽にある真ん中の部分が素直に曲になったかなと。この曲に関してはジャンルづけみたいなものはなくて、自分のイメージどおりにできたと思います。簡単すぎず、難しすぎず、あるべき表現に沿った感じですね。