MENU s

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

10-FEET

2017.10.23UPDATE

2017年10月号掲載

10-FEET

メンバー:TAKUMA(Vo/Gt) NAOKI(Ba/Vo) KOUICHI(Dr/Cho)

インタビュアー:谷岡 正浩

『アンテナラスト』『ヒトリセカイ×ヒトリズム』『太陽の月』と、約5年間のブランク明けから立て続けに放ってきたシングルが暗示していた10-FEETの最新アルバム『Fin』は、まさに彼らの集大成であり、最新モードであり、さらにこれからを感じさせる作品となった。オールジャンル・ミックス、バカも真面目も、笑いも涙も、激しさも静けさも、すべてを含んだアルバムは、言うなれば人間そのもの、人生そのものを表したようだ。10-FEETの歌がなぜ心に突き刺さるのか? その答えが鋭く明快に示された作品になった。タイトル"Fin"に込めた想いから、アルバムに向かうまでの意識の変化、この作品で目指したもの、などなど、3人にたっぷり話を訊いた。

-アルバム制作を意識し始めたのは、いつの時期だったんですか?

TAKUMA:シングルを出したあたりからぼやっと、これくらいの時期にはアルバムを出したいなというのはありましたね。それは3人の意識として。

-昨年7月の『アンテナラスト』のタイミングということですか?

TAKUMA:はい。その時点で、アルバムへの道筋というかリリース時期みたいなものは、なんとなく見えていましたね。

-ということは、『アンテナラスト』以降にリリースしたシングル、『ヒトリセカイ×ヒトリズム』(2017年2月リリース)、『太陽の月』(2017年7月リリース)というのは、アルバムに向けて作られた作品だったわけですか?

TAKUMA:いやいや。アルバムの中身はまったく意識できていませんでした。そもそも(アルバムとして)音源をリリースするのが久しぶりやったんで、シングルに集中するのに必死でしたね。

-ただ、このシングル3作品というのは、音楽の方向性としてこれまでの10-FEETとはある種違う一手だったわけじゃないですか。そこがアルバムに繋がっていったというのはあるのかなと思いました。

TAKUMA:あぁ、それはあったかもしれないですね。ただ実は、収録曲全体を見れば、今までの10-FEETも十分感じてもらえるシングルだったと思います。でも、リード曲のことだけで言えば――方向性としてはそれまでもあったものではあるんですが――そういうタイプの曲をシングルとしてフォーカスしたというのは初めてでした。しかもそれが3曲続いたので、さっきおっしゃったような"違う一手"に思われたのかもしれないですね。それはほとんどの人が同じような受け止め方やったと思います。

-曲のタイプとしてはすでにあった、というのはたしかにそうかもしれません。では、それをシングルのリード曲として選択するにあたっての意識というのはどういうものだったのでしょうか? そこは相当違うものが要求されるような気がしますが。

TAKUMA:なんやろうな......言ってしまうと、表面的には激しくないんだけど、僕ら的には内に秘めるものがあって、実は相当激しいものなんだっていう感じの曲を迷わずやろう、ということですかね。「ヒトリセカイ」なんかはビートもかなり強いものなんですけど、世間的な受け止め方は激しい曲ではなく、どちらかと言うとミディアム・バラードみたいな感じで、あぁそうなんやと。これはどういうことなんやろうって思ったんですよね。で、それはやっぱり僕らが激しいとか激しくないとかではなくて、"おぉ! これや!"と思えるものだけ作ろうという意識でやってたからなんじゃないかなと。もしかしたらそういう部分が届いたのかなと思いました。『アンテナラスト』の表題曲選びのときに、NAOKIが"力のある曲がいい"って言ったんですよね。ジャンルで選ぶやり方も大事やけど、今回は力のある曲でええんちゃうかなって。その言葉と考え方がすごく大事やなと思ったんですよね。だから、前はこういうタイプの曲を出したから次はこういう感じの曲で、ということは置いておいて、とにかく自分たちが"いい!"と思えるものをシングルの1曲目にした結果があのシングルのリード3曲だったんです。思うまま、感じるまま、自然体でバンドマンらしく作れたんじゃないかなと思いますね。

-なるほど。そこに行き着くまでの時間を思うと、ちょっと感動的ですらありますね。ようやく辿り着いた一歩、というか。

TAKUMA:エンターテイメント性とか、僕らなりのプロ意識とか、そういうことも楽しみながら大事にしてきたバンドだという自負はあったので、今自分たちが手放しでいいと思えるものを追求しても、単なる自己満足にはもはやならないだろうとは思いました。そうはならない筋肉もついているし、血液も流れている。だから自分たちが100パーセント楽しんで作るということで生まれる何かがあるんじゃないかなと思ったんです。そういう意識が3枚のシングルにはあって、だからアルバムの制作もちょっといつもとは違う感じがしましたね。

-NAOKIさん、"力のある曲"というのは、どういうイメージですか?

NAOKI:「アンテナラスト」のときにそう言ったのは、あの曲のサビの強さがとにかく印象に残ったんですよ。だからそこを生かすように、もっと強く響かせるように、バンドでアレンジしていきました。音圧があってスピードがあって激しい――だから力のある曲かというと、それだけではなくて。テンポの遅い曲であっても、バラードであっても、聴いたときにどれくらい残るかなんですよね、大事なのは。逆に言うと、僕の中で力を感じない曲というのは、1回聴いた次の日にメロディが思い出せないような曲なんですよ。だからジャンルではないんですよね。街中で流れてきた曲に、なんやこれって耳を奪われた曲がアイドルのものだったり、普段自分が意識して聴かないジャンルのものだったりすることもありますからね。