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LIVE REPORT

10-FEET

2022.06.23 @Zepp Haneda(TOKYO)

Writer 荒金 良介 Photo by 岸田哲平

10-FEETが5月から、全11ヶ所をめぐる全国ツアー"10-FEET 25th ANNIVERSARY ONE-MAN TOUR 2022"を開催。その11本目にあたるZepp Haneda(TOKYO)公演では、いい意味で肩の力が抜けており、ドッシリと構えた10-FEETがそこにいた。以前と比べてメンバー3人のアンサンブルが耳に気持ち良く響き、TAKUMA(Vo/Gt)の歌声はもちろん、演奏においても抜群のチームワークを発揮。それもこれも、25年を迎えたバンドの呼吸と力量がよりいっそう深いところで融合した結果だろう。

お馴染みのSEが流れるとTAKUMA、NAOKI(Ba/Vo)、KOUICHI(Dr/Cho)の3人が姿を見せ、「super stomper」で本編スタート。続く「VIBES BY VIBES」で加速すると、"絶対飛ぶなよ!"とTAKUMAは逆張り戦法でフロアをジャンプ一色に染めていく。TAKUMAとNAOKIの掛け合いヴォーカルが光る「MONKEY」を経て、「SHOES」、「火とリズム」、「under the umber shine」と繋げ、名曲「RIVER」で序盤の大きなハイライトを作り上げた。それから観客にスマホのライトをつけさせ、スマホ・ウェーブを会場で実施。

1stアルバム『springman』収録の「AND HUG」では親密な歌メロをアピール。そのあとに戦争やコロナなど世の出来事に触れながら、"たったひと言で人は救われたりする"と熱く語り、「hammer ska」に移る流れにも惹きつけられた。また、哀切な歌メロで迫る「アオ」、NAOKIの高音ヴォイスに耳を奪われる「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」、オシャレ感とデジ・ロックを結合させた「ハローフィクサー」の目くるめく展開にも興奮した。

"10-FEET、25年走り続けました。今日で俺は10-FEETを去ります"となぜかNAOKIが脱退という寸劇で笑わせると「Fin」、「太陽4号」、「ライオン」とエモーショナルなナンバーで観客を内側から焚きつけていった。「HEY!」を皮切りに再び明るさを取り戻し、「2%」の演奏中に"我慢している人に捧げます!"とTAKUMAが叫ぶ場面もあった。

そして、"THE MATCH 2022"テーマ・ソングになった新曲「aRIVAL」も披露。Max Cavalera(SOULFLY/ex-SEPULTURA/Vo/Gt)ばりの咆哮がインパクト絶大で、トライバル・メタル×ポップ・パンクと形容したくなる曲調は文句なしのかっこ良さ。10-FEETにしか作れない異種格闘技ソングである。

ショーは後半に差し掛かり「アンテナラスト」、「シエラのように」と繋ぎ、2ビートを用いた「FUTURE」を終えると、"ここからアンコールの時間を使ってやります、残り3曲!"と宣言。「蜃気楼」では声の限りを尽くしてTAKUMAが歌い上げ、「その向こうへ」でそのエネルギーを増幅させ、「ヒトリセカイ」で鮮やかなフィニッシュを決めた。

ちなみにこの日がファイナルかと思いきや、自身が主催する野外フェス"京都大作戦"の会場でもよく知られている太陽が丘(京都府立山城総合運動公園)にて、11月12日にバンド史上最大規模のワンマン・ライヴ("10-FEET 25th ANNIVERSARY ONE-MAN TOUR 2022 FINAL in 太陽が丘")開催を発表。25周年という節目に、10-FEETが地元でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか。大きなサプライズ発表に、会場が盛り上がったのは言うまでもない。冒頭でも書き記したように、不動の3ピースで今日まで駆け抜けてきた10-FEETの骨太感はもはや揺るぎないものがあり、歌声と演奏の両面で凄まじい説得力を感じさせるものだった。10-FEETの快進撃はまだまだ続く。

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