MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

10-FEET

2023.11.14 @Zepp Haneda(TOKYO)

Writer : 藤坂 綾 Photographer:JON...

9作目のアルバム『コリンズ』を引っ提げ、今年1月から[10-FEET "コリンズ" TOUR 2023] と題し全国を回ってきた10-FEET。10月からはそのツアーのファイナル・シリーズを開催、11月14日にZepp Haneda(TOKYO)にてセミファイナル公演を行った。

お馴染みのSEが流れた瞬間、会場中が一体となり、「focus」でライヴはスタート。間髪入れず「JUST A FALSE! JUST A HOLE!」へと続くと、早くもフロアにはダイバーが溢れ返る。「和」、「SHOES」と攻めたて「風」で若干和ませはするものの、その後も「hammer ska」、「SLAM」、「aRIVAL」と容赦なく畳み掛ける。途中TAKUMA(Vo/Gt)が"お前らカッコええの。今日はどっちがカッコええか勝負やな"と言った通り、どこまでもストレートに音をぶつけるメンバーと、その音をまっすぐに受け取るオーディエンスのストイックすぎるほどのやりとりには清々しさすら感じたし、妥協も慣れ合いもないその関係性には思わずグッときてしまう場面が幾度もあった。真摯に音楽と向き合い続けると同時に、それを聴く人とも同じように向き合い続けてきた結果と言えるだろう。

"「紅白(NHK紅白歌合戦)」決まりました。ありがとうございます"――前日のニュースで"NHK紅白歌合戦"への初出場が発表されたことに対して感謝の想いを伝えるTAKUMA。映画"THE FIRST SLAM DUNK"の主題歌や、ドラマ"フェルマーの料理"の主題歌への抜擢はもちろんだが、そこへ連れて行ってくれたのは間違いなくこうしてライヴに来てくれるみんなのおかげだとお礼を述べると、"しっかりやってきます"と言い「RIVER」へ。"墨田川"と"多摩川"に変えて歌われた箇所ではひと際大きな歓声が上がり、会場は一気に温かな空気に包まれる。

MCではKOUICHI(Dr/Cho)が指揮を執り、その流れで昔よくコピーしていたというBRACKETのカバーをNAOKI(Ba/Vo)のヴォーカルで披露。それがまるで新人バンドのような新鮮さで、こういうことをさらっと全力でやってしまうのも彼らの変わらぬ魅力だ。そしてそのまま「1sec.」へと繋げ、ライヴは後半戦へと突入。改めて今こうして自分たちがいるのは対バンをやってきた仲間たちとみんなのおかげだと告げ、"ほんまにいつもありがとう"とTAKUMA。そして社会で今起きているいくつかの出来事について触れ、思いやりと想像力の重要さを話し、せめてそれをライヴの場で共有したいと言う。まさに10-FEETが変わらず持ち続け、歌い続けてきたことであり、来る日も来る日もこの変わらぬ想いを抱きしめて、このバンドはここまで来たんだと思い知る。

KOUICHIのミスというアクシデントによりリクエストを1曲追加して演奏した「2%」からのエネルギーは凄まじく、シンガロングも力強さを増していく。"あと5曲やぞ!"と始まった「その向こうへ」から「goes on」までの時間は特に密度が濃く、これで終了と思いきや、"カッコ良ぉなれよ。優しく、強く、とぼけて、面白く、カッコ良ぉなれよ!"と言い、急遽「back to the sunset」を追加、"優しさと想像力、忘れんなよ。カッコ良くなろうぜ"と3人はステージを去った。そして、鳴り止まないアンコールの声に応え再び登場し、「DAVE ROAD」。ファンだというセキュリティにピックをプレゼントし、すべてのセキュリティに今日一番の拍手を全員で捧げ、この日のライヴは幕を閉じた。

思いやりと想像力、優しさと強さ、愛とユーモア。変わり続けていく時代の中で、変わらない大事なものを胸に歌い続けてきた10-FEET。そんな彼らからバトンを受け取り日常へと戻って行く私たちは、この日のライヴをどう生かしていくべきなのだろう――それは"表現の自由とヘイトを間違えんなよ"とありったけの想いで叫んだTAKUMAの言葉にいつでも胸を張って応えられるよう、考え、行動するのみであり、その一歩は、あの日あの場所できっと踏み出されたに違いないと、そう確信している。

  • 1