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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY × The BONEZ "山人音楽祭 2024" 対談

2024.08.08UPDATE

2024年08月号掲載

G-FREAK FACTORY × The BONEZ "山人音楽祭 2024" 対談

群馬が誇るローカル・バンドの最高傑作、G-FREAK FACTORY主催による音楽フェス"山人音楽祭 2024"が9月21日、22に群馬 日本トーター グリーンドーム前橋にて開催。これに先駆けて茂木洋晃(G-FREAK FACTORY)と、The BONEZで出演が決定しているJESSEの対談が実現した! 20年来の戦友ながらタイミングが合わず、意外にも"山人音楽祭"初出演となるJESSE。愛すべき地元を守り続けながら、常に攻めの姿勢を見せる茂木へのリスペクト、自身の経験を多分に交えた"生き続けること"の重要さを語るJESSEの熱い言葉の数々に感涙。さらにJESSEのすごさを熱弁し、地元でフェスをやり続けることの意味や意義を改めて語る茂木の金言も連発。この対談でしか生まれなかったであろう、2人の貴重な会話を噛みしめて読め!

G-FREAK FACTORY:茂木 洋晃(Vo)
The BONEZ:JESSE(Vo/Gt)
Interviewer:フジジュン


JESSEは痛みを知って、説得力を帯びた感じがする(茂木)


-9月21日、22日に日本トーター グリーンドーム前橋で開催される"山人音楽祭 2024"。本日(※取材は7月下旬)は主催のG-FREAK FACTORYの茂木さんと、出演が決まっているThe BONEZのJESSEさんの対談になります。

茂木:レコーディング中の忙しいところ、すみません!

JESSE:(※かすれ声で)全然。本当は今日レコーディングのはずだったんだけど、"OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL"の打ち上げで声が飛んじゃって、レコーディングはちょっと飛ばさせてもらったから。こんな声だけどごめんね(笑)、よろしくお願いします。

茂木:まぁ、あんな打ち上げやってたら声がどんだけあっても持たないよな(笑)。

JESSE:そうだね。結局3次会まで行って、9時まで飲んで。もう明るくなってるなかでSHADOWSのKazuki(Gt/Vo)と泣きながらバンドについて語ってたよ。

-JESSEさんの声から、打ち上げの凄まじさも伝わってきます(笑)。そして"山人音楽祭"ですが、まずJESSEさんが初出演というのが意外でした。

茂木:そうなんです。ようやくJESSEが来てくれるっていう、念願の出演で。本当は2020年に出演OKを貰ってたんだけど、コロナでフェス自体が飛んじゃってね?

JESSE:そう。RIZEやThe BONEZで何度も誘ってもらってたんだけど、なかなかタイミングが合わなかったんです。

茂木:だから、やっとJESSEが俺たちの地元に来てくれるのがすごい嬉しいです。JESSEが来てくれれば、半分成功みたいなところはありますから。

JESSE:茂木は自分が顔になって、音楽以外にもいろんな動きをしてるじゃん? そこで茂木が隠そうとしないのは"俺1人じゃねぇんだ"ってことで。"山人音楽祭"って周りにいっぱい人がいて、その人たちをフックアップして、たまたま地元でフェスができてるってことだと思うんです。俺は茂木がどんなことしてんのかを見たかったから、誘われる前からずっと行きたかったイベントだったし、茂木は"ちっちゃな町で、ド田舎で"っていつもグジグジ言うけど、それはあくまでも表向きの話で。本当はめちゃめちゃレペゼンしてるフェスだって分かってるから、絶対出たいと思ってて。茂木は"JESSEのそのまんまのパワーをぶつけに来てくれ"って言うだけだと思うし、俺もそれだけをやりに行くんですけど、俺も本当に念願の初出演なんです。

茂木:JESSEは数少ない同期っていうか、世代的にも多くの人がやめていくなか、やっぱり本物だけが残ってきたなと最近思うし、JESSEとはシンプルに1回でも多く一緒にやりたいなと思ってるんで、とにかく嬉しいです。

-同世代の頼れる戦友たちから新進気鋭のアーティストまで、豪華出演者が揃った今年の"山人音楽祭"のラインナップが発表されましたが、茂木さんは全出演者が出揃った現在の気持ちはいかがですか?

茂木:みんなに出演オファーして、快諾してくれて。正直、このメンツでどういう順番でやるのかっていうのが今は想像できないくらいで。毎回"今回、過去イチだな"と思ってますけど、今年はまたぶっちぎりで過去イチのラインナップが集まってくれたと思ってるので、すごい日にしたいし、なってほしいと思います。

-"山人音楽祭"の前身となる"GUNMA ROCK FESTIVAL"の初開催から12年になりますが、"過去イチだな"と毎年思えて、最高を更新し続けられてるのってすごいことですし、幸せなことですよね?

茂木:そうだね。コロナで休んだり、ソーシャル・ディスタンスが保てる劇場に会場を変えたこともあったけど、諦めなくて良かったなと思ってます。とはいえ、毎年当たり前のようにできることじゃないので、"もしかしたら今年が最後かもしれない"と思いながら毎年やっていますし、今年もしっかり噛み締めながら当日を迎えたいです。

JESSE:このメンツはヤバいよね。まだ出順は決まってないの?

茂木:全く決まってない。

JESSE:俺、MOROHAがすごく好きで。地元の戸越公園で5月4日に"戸越の日"ってフリー・コンサートを毎年やってて、そこに今年MOROHAが出てくれたんだけど、ライヴってたいていセットリストやMCの流れがあって。"この曲の前に、MCでこういう話して"ってある程度想定した流れがあるなか、それを自分からズラすって結構勇気がいることだと思う。それが成功したらお客の心を掴んで見たことのない景色になるんだけど、場合によってグダグダになることも多いから、流れを崩そうとするヴォーカルはあんまりいないなか、その先の"もしかしたら"にチャレンジできるタイプがたまにいて。俺もそうだし、茂木もそうだけど、MOROHAもその1人だと思ってるから、"山人音楽祭"でどんなライヴをやるのかがすげぇ気になってます。

茂木:俺たちはセオリーがあるなら、それをぶっ壊したいタイプだからね。事故る確率も高いけど、それをやらない限り未来が見えないし、俺たちはそれをやってきたじゃん?

JESSE:それをまた俺は、飯田の"焼來肉ロックフェス"で茂木に感じちゃったんだよね。

茂木:JESSEもすごかったけどな、あの日は。

JESSE:良かったよね。10年ぶりくらいに茂木とライヴについてじっくり話したもんね。

茂木:"男鹿フェス(OGA NAMAHAGE ROCK FESTIVAL)"のThe BONEZもヤバかったぞ! 何を取ってもすごかった。音もライヴも、JESSEの振る舞いもだけどさ。やっぱり2回と同じライヴはできないよな。

JESSE:"次はないかもしれない"っていうのは、俺も一回一回のライヴに思ってて。特に俺は5年前の事件があって本当に考えさせられたから、"当たり前とか絶対っていうのはねぇんだ"っていう気持ちもあるし。なおかつ、"1回失敗したら終わりなんか? そんなんじゃ人生つまんねぇじゃん"っていう気持ちも同時にあって。だから俺が巻き返さないと夢がねぇし、自分でも夢見てたいから。今週、大阪でライヴ("THE FOREVER YOUNG pre.「FOREVER YOUTH TOUR 2024 ~すべての若者たちへ~」")なんだけど、"男鹿フェス"のライヴを1ミリでも超えてぇし、その後も超えて超えて"山人音楽祭"に挑むから、"山人音楽祭"の俺は相当ヤバいぜ?

茂木:やめてくれ、ホント(笑)。でも、今はすげぇヴォーカルに会うのが一番嬉しいし、それを見るたびに"俺はどっからやり直せばこいつに追いつけるんだ!?"ってケツの穴がピッと締まって。この歳になると、ある程度自分の持ってる武器で渡り合えちゃったりするから。ぶっ飛ばされてはまた基本に戻って、"ここからもう一回やろう、まだまだ成長できる"って何度でもやり直して成長していけるのって、いい仲間、強い仲間が周りにいるからだと思うな。

JESSE:それがすごい幸せだよね。

茂木:幸せだよ。なかなかないぜ、こんな環境。

-今年の出順は決まってないけど、やはり大トリはG-FREAK FACTORYが務めなきゃいけないじゃないですか。毎年すげぇ出演者たちに食らわされて、プレッシャーや責任感も感じるなかで挑み続けているトリのステージは、どんな気持ちで挑んでるんですか?

茂木:それはおっかないですよ(笑)。でも、さっきJESSEが言ったように"過去の自分とその日の並びを1ミリでも超えていく"って気持ちで挑んでるし、そう思ってないと超えられないから、心持ちだけは折れないようにしてます。それを言ったらどのライヴも一緒ですけど、"山人音楽祭"は自分たちで守ってきたものだし、さらに攻めなきゃいけないものだし。またちょっと違ったギアが入っていると思います。

-改めての質問になるんですが、そもそも茂木さんとJESSEさんの出会いって?

茂木:"RIZEってバンドが出てきたぞ"って頃、YOKOHAMA Bay Hallでやったときじゃない?

JESSE:2002~2003年とかだよね。あと、俺の企画で群馬で"READER'S CAMP"ってワンコインのイベントをやって。キッズが自分のお金でチケット買って刺激を貰って、人生観変わるようなイベントがやりたいって開催したんですけど、それにも協力してもらって。それこそ、あのときに出てたバンドでまだ続けてるのってジーフリ(G-FREAK FACTORY)とRIZEくらいしかいないんじゃない? 宇頭巻がUZMKってバンド名で頑張ってるのと、tickって金沢のバンドのReigo5(MC)ってやつもめちゃくちゃ武将の1人だったけど......だから俺も含めて今残ってるやつらは本当に生きてて良かったと思うし、守りに入ると寿命が延びるのかっていうと、俺はそうじゃないと思うんで。攻めて攻めていった上、生き延びれてんのが胸を張れることの1つですかね。

茂木:それしかないもんね、もう。

JESSE:あと、ヴォーカルだけがカッコいいバンドでもダメなんですよ。全員カッコ良くて、誰がリーダーか分からないチームが一番カッコいい。俺、ROTTENGRAFFTYのN∀OKI(Vo)に認められるとちょっと嬉しいところがあって。っていうのも、あいつよく見てるでしょ?

茂木:細かく見てるよ、あいつ。あんなアホのフリして(笑)。

JESSE:そう。全てギャグに見せかけて、超見てるから。"いしがきMUSIC FESTIVAL"だっけ? 3人で石垣沿いのエッジみたいなところで、ちょっと語ったときあったじゃん? あのとき、N∀OKIが"俺らここ落ちたら、日本のバンドの武将が3人死ぬんやな"って言ってて(笑)、"あ、N∀OKIは俺と茂木のことを日本の大事な武将だと思ってんだ"って思った記憶がめちゃくちゃあって。そんなやつらがまだ生きてて、まだ成長してるってのが嬉しいよね。今さ、みんななぜかここに来て成長中だよね?

茂木:うん、たしかに。

JESSE:だから、そいつらとこんなに多く一緒にやれる機会があるのは、本当幸せっすね。もっとやりたいし、やるたびに強くなれる気がする。

茂木:本当にそうだ。あと何本やれるかなんて分からないしね。

JESSE:うちの親父(Char)が今69歳で未だにバンドやってるから、少なくともその歳まではバンドやらなきゃと思ってるんだけど、何があるか分からないから、1本でも多くのライヴを仲間の前でやりたいっすね。

茂木:最近、JESSEの雰囲気がめちゃめちゃオーガニックになっていってるというか、痛みを知って、説得力を帯びた感じがするんだよね。"行くぞ、前に前に!"って攻めるだけじゃなくて、"全員連れてくぞ"みたいな強さがすごいある。ちょっと恐ろしいよ、どんどんモンスターになってきてる(笑)。

JESSE:今まで俺、本当に背伸びの塊だったのよ。みんなより歳も下だけど、"お前らと同じくらいの気持ちはあるのに!"って思いがあって。俺、20歳のときに売れる準備もできてないのに"事故"みたいなもんで、いきなりCM決まって注目されちゃって、"俺そういうやつじゃねぇんだよ! 違うんだよ!"って見せようとしても、まだ若かったから見せ方も下手で。とにかく啖呵切って、突っ走ってやってたんだけど、"なんか違うな"と思ってて。でもいろいろ失敗して、SNSが普及してた時代だからみんながああでもねぇ、こうでもねぇって書けるようになってて、散々ネガディヴなことを書かれたおかげで、背伸びして鎧着まくってたのが全部取れて、ようやく身の丈の俺になれて。"俺をもっと見下してくれ。絶対巻き返すから、俺!"と思ったわけ。

-JESSEさん、めちゃくちゃ強いですね。そう思えるのは、本当にすごいです。

JESSE:だから俺は背伸びなしで顔真っ赤にして、"もう息続かねぇと思っても、あと1秒息続かせたらヤベぇと思うだろ?"とか、"もうジャンプできないと思っても、もう1回だけジャンプしたらもっとヤベぇと思うだろ?"っていう、すげぇオーガニックなところで戦ってたし。そういうところに気付いてほしいなと思ってたから、今、茂木が言ってくれて嬉しかった。そんなの気付かれなくて当たり前なところだし、自分で口に出して自慢したらダセぇから。そう思ってくれた同士に胸張らせたいですよね。

茂木:例の事件があった次の日に俺らライヴ(["FLARE/Fire" TOUR 2019])でさ、The BONEZのTシャツをステージに飾ってやったんだけど、それを見たお客さんから"もうジーフリは聴きません"みたいなのが来たよ。だから"どうぞどうぞ! 関係ねぇよ、そんなの"と思ってたけど、そいつは今またThe BONEZが好きで追っかけてるから、人間ってそんなもんだなと思って。

JESSE:人間って、今日感じた気持ちじゃん?

茂木:そうだね。全部、正義なんだよな。

JESSE:だから1回や2回、背を向けられたからって、"お前、俺に背を向けたよな?"って言う程俺もちっちゃくねぇし、そいつもそのときは間違えちゃったかもしれないし。俺らも間違えまくるじゃん(笑)?

茂木:いや、それくらい好きだったってことだと思うよ。にしても、今のThe BONEZはホントにヤバいよ。

JESSE:俺、"男鹿フェス"に娘連れてったじゃん? そんで初日にRIZE見て、2日目にThe BONEZ見て。The BONEZ終わって楽屋にいたら、"今日、The BONEZ ヤバかったね。RIZEが復活したから、みんなそっちばっか注目しがちじゃん? でも、「The BONEZナメんなよ!」ってライヴだったよ"って言ってくれて、ちょっと泣いちゃった(笑)。RIZEは幼馴染みでできてるバンドで、あっくん(金子ノブアキ/Dr)もKenKen(Ba)も記憶がある前から一緒にいるし、初めて一緒にエロ本を見た仲だけど、そんな環境や育ち方ってあんまないし、うらやましがられることももちろんあるけど、それと同じくらいマイナスなこともあったわけで。人の8倍くらい頑張らないと認められなかったり。The BONEZの場合は全く別で、人の死から生まれてるバンドなんで。人の死は99パーセント悲しさしかないけど、K(Pay money To my Pain/Vo)に限っては結果として1パーセントだけ悲しみ以外のものがあって......それはこのバンドが生まれたってこと。こんないいバンドになる可能性って1パーセントで十分なんだっていうのを、これからも生きながら証明していかなきゃいけないと思ってて。"元Pay money To my Painのメンバーだからすげぇ"とか"RIZEのJESSEだからすげぇ"じゃなくて、その1パーセントをここまで広げて、現段階でここまでいいバンドになれてるのが誇りなんです。あと娘からは"RIZEもハンパじゃねぇけど、The BONEZをナメてもらっちゃ困るよね"って名言貰ったけど、"顔むくんでたよ"とも言われた(笑)。

茂木:それは初日の打ち上げが原因でしょ? 俺、凄まじすぎてドッキリかと思ったもん(笑)。でも、"男鹿フェス"はちゃんと切磋琢磨して、みんなで作り上げてきたなって雰囲気があって。いっぱい失敗もしただろうけど、"ブラッシュアップして、今ここに落ち着いてんだ、俺たち"みたいなところがめちゃカッコいいよね。

JESSE:"フジロック(FUJI ROCK FESTIVAL)"と日程被ってるのに、みんな"男鹿フェス"を選んでるんだよ? すごいよ。

茂木:あれはすごいフェスだわ! ローカル・フェスの極みみたいなのを感じる。フェスがあることで地元の人たちのギアが一段上がってる感があるよね。

JESSE:分かる。打ち上げのあの店なんて、5回くらい出禁になりかけてるんだけど......(※打ち上げでのめちゃくちゃな話が続くが中略)それで出禁になりかけて、バンドマンみんなで謝罪の手紙を送って。今はああ見えて、みんなすごい気を使って飲んでるよ(笑)。あとこれも"男鹿フェス"の話になっちゃうけど、秋田 Club SWINDLEってライヴハウスがあって、そこのライヴハウスがあるからこそ、フェスが生まれるんじゃないか? と思ってて。俺ら、ツアーで仙台まで行って、秋田飛ばして北海道行くこともあったけど、"今回は(秋田 Club)SWINDLEに行こう"って思えるのは"男鹿フェス"の存在もあるからだと思ってて。

茂木:俺らもそうだな。秋田の人のウェルカム感とか見て、"局地的にとんでもないことになってるな!"って思うけど、それってライヴハウスがそこにあるからなんだよね。

JESSE:間違いない。だから"山人音楽祭"に出たら、"ツアーに行くなら群馬外せないっしょ"になるはずなんだよね。結局、ライヴハウスで育ってきた人たちが集まってるんで。"ライヴハウスのためになるなら"って思うんじゃないかな?

茂木:ただ、群馬は信じてたライヴハウスが潰れちゃったんだよね(笑)。The BONEZも全国ツアーから群馬外れてたでしょう?

JESSE:だってないんだもん、やる場所が(笑)。

茂木:だから、群馬はまた1つ課題ができてて。いろんな人が動いてるから待ってて!