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LIVE REPORT

NAMBA69

2015.10.12 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer 吉羽 さおり

9月にリリースした6曲入りのミニ・アルバム『LET IT ROCK』を引っ提げた全国ツアーの最終日を、渋谷CLUB QUATTROで迎えたNAMBA69。この日、対バン相手としてゲストに迎えたのは、今作のタイトル曲「LET IT ROCK feat. JESSE」でタッグを組んだJESSE(Vo/Gt)率いるThe BONEZ。
 
ツアー・ファイナルの幕を開けるのは、The BONEZの4人。爆音でかき鳴らされるJESSE&NAKAのギター・リフと、ドラム&べースの重低音が床を震わせ、JESSEの"クアトロ! ツアー・ファイナル盛り上げていこうか"という言葉とともに、「Ray」、「Place of Fire」そして「Hey, You」と3月にリリースしたミニ・アルバム『Beginning』からの曲をノンストップで会場に叩きつけた。のっけから灼熱の渦と化していくフロアに向けて、"うるさい音が好きでバンドをやってます"、"みんなも力を貸してくれ"とJESSEが煽り、会場が一斉にハンドクラップをするとT$UYO$HI(Ba)とZAX(Dr)の強靭なビートが応戦。がっちりと一体化したところで、新曲や、Stevie WonderとTHE KINKSの曲をマッシュアップした「All day I just...」を放つ。『Beginning』を携えてのワンマン・ツアーや数々のイベント出演を続けてきた中で、バンドとして深化をしたサウンドにメンバーそれぞれのエネルギーが乗った重みある音と、JESSEが歌に込めたメッセージや真摯で熱いバンドや音楽に対する思い、その掛け算の答えがしっかりと観客の高いボルテージに繋がっている。JESSEはMCで"NAMBA69へとたすきを繋げる"と語ったが、2マンの相手として、強力なステージングできっちりと爪跡を残していくバンドは最高だろう。
 
そしていよいよNAMBA69が登場。"大いに騒いで、歌って、帰ってね"という難波 章浩(Vo/Ba)の言葉とともに、1曲目に選んだのは、2012年にAKIHIRO NAMBA(Hi-STANDARD/NAMBA69)×TAKESHI UEDA(AA=)で制作し、Pay money To my PainのKをフィーチャーした「FIGHT IT OUT」。熱いプレイでたすきを繋いだThe BONEZ、そしてP.T.PのメンバーであるT$UYO$HIとZAXへの思いを形にした選曲だったのだろう。新作『LET IT ROCK』からの曲ではなかったので意表を突かれたけれども、会場内はNAMBA69の思いを汲んだように、サビで大合唱をし、また大声でコールする、そんな最高のスタートを切った。続く「21st CENTURY DREAMS」、「TRUE ROMANCE」と、これまた大合唱チューンで右肩上がりでフロアの温度を上昇させ、「SUMMERTIME」では、"まだ夏?""踊ろうぜ!"という難波の声とともにミラーボールが回り、キラキラと光が降りそそぐ中、観客が笑顔で踊り、そして歌う。ダイヴやモッシュでもみくちゃになりながらも、ライヴの冒頭からとにかく声を嗄らさんばかりに大声で歌っている。この観客のパワーにも圧倒される。NAMBA69のインタビューで難波は常々、自分の心のもやもやを軽く吹き飛ばしてくれるようなメロディック・パンクが好きだということや、開放的でポジティヴなライヴでありたいということを語っている。ソロを経て、"NAMBA69"というこの3人のバンド編成となってからはより、ピュアで初期衝動的な思いが明解に、音にも言葉にも表われている。まっすぐで、そして包容力が備わった曲を、K5(Gt/Cho)とSAMBU(Dr/Cho)が馬力たっぷりに加速させていく。それが今のNAMBA69の面白さだ。
 
中盤は、ミディアム・テンポの「THE WORLD IS YOURS」からライヴ定番の「TAKE ME HOME,COUNTRY ROADS」、そしてソロ時代から歌い続けている「未来へ~It's your future~」へと続いていく。"未来へ"という言葉のリフレインが会場に響きわたる中で、観客がコブシを掲げるシーンは、ぐっと胸に迫るものがあった。そして、後半は一気に、ファストでキャッチーなシンガロング・チューンで駆け抜けていく。"死ぬまでパンクス!"という難波の声で「PUNK ROCK THROUGH THE NIGHT」を、そしてラストは新作『LET IT ROCK』から「GOOD TIMES」を披露し、最高の時間を刻みつけていった。
アンコールでは、JESSEをステージに迎え入れ新作のタイトル曲「LET IT ROCK feat. JESSE」をプレイした。生での迫力は、期待以上。お互いにいいライヴを見せつけ合ったからこその最高のコラボレーションであり、ファイナルを迎えたこのツアーを盛大に祝う華やかさがあった。この日は2度のアンコールに応えた、NAMBA69。その最後は、難波のダイヴと、彼を迎え入れる観客の大歓声と笑顔だった。

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