DISC REVIEW
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難波章浩のソロ名義での活動時からのメンバー、K5(Gt)とSAMBU(Dr)とで結成したNAMBA69が、1stフル・アルバムを完成。6月にリリースしたマキシ・シングル『MELODIC PUNKS NOT DEAD!!!』同様、Hi-STANDARD作品を手掛けたRyan Greenをプロデューサーに迎え、イントロ曲のインストから怒涛の走りでエネルギッシュに駆け抜ける作品となった。パンク・キッズの視点で、毎日のBGMとなり、気分を引っ張り上げるサウンドトラックとなる強力な曲を生みだし、自身の経験や願いやステートメントを、バンドマンらしくユーモアを交えつつ真っ直ぐ言葉にのせる。 現状にNOをつきつける熱い言葉だけでなく、日常の雑音にかき消されてしまう繊細で小さな声をすくいとっていく歌もまた、難波章浩、NAMBA69らしさ。ソロ時よりもシンプルに、自身のパンク・ロック観を音にしたアルバムは、キャリアを積んだ今だからこそ鳴らせるものだろう。 吉羽 さおり