MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

The BONEZ

2023.05.12 @LIQUIDROOM ebisu

Writer : 吉羽 さおり Photographer:Yoshifumi Shimizu

結成10周年を迎え、5年ぶりとなるアルバム『Yours』をリリースしたThe BONEZが、47都道府県全50公演に及ぶツアー[The BONEZ 10th Anniversary Tour "47 AREAS"]を5月12日の恵比寿LIQUIDROOM公演でキックオフした。ニュー・アルバムを携えたツアーであり、アルバムのアートワークが大きなバックドロップとなって掲げられた会場は、開演前から活気と熱気に満ちている。今回は、声出しが解禁となって迎えたツアーである。コロナ禍にもツアーは行ってきたが、たくさんの困難や我慢の時間を経て、ようやく大手を振って共に歌い、興奮を分かち合える時がきた喜びはとても大きい。そこに投下されたアルバム『Yours』は、この数年間それぞれが何を大事に、何を守るために戦い過ごしてきたかを労い、そして今ここにあることを称え合うアルバムだ。

サポートを務めていたKOKI(Gt)が正式加入して初のフル・アルバムとなるが、The BONEZとしての10年の濃密な時間を封じ込めた熟練したバンド・アンサンブルと、同時にフレッシュで錆びつかないキャッチーなリフやビートで心も身体も射抜いていくサウンドは、自然とライヴハウスに足を運ばせるものになっている。長くバンドを追い続けてきたファンも、この数年でバンドを知った若いファンもが混じり合っているフロアの感じもまたいい。

リード曲「Love Song」を筆頭に熱く、タフなパンク・ロックが揃ったアルバム『Yours』の曲を中心に、新旧の曲が並んだライヴ。ツアーがスタートしたばかりなのでセットリストについては割愛するが、冒頭からアルバム『Yours』が持つパワーの凄まじさを突きつけるステージとなった。音と共にフロアのボルテージが最高潮へと一気に駆け上がっていって、一斉に拳が上がり、大きなシンガロングが響き渡ると、メンバーは笑みを湛え満足そうに観客に頷いて見せる。このときを待っていたとばかりに、ZAX(Dr)が後方から"オーイ!"と叫び、"始まったで! 47都道府県50公演の一発目!!"と気合の声を上げると、フロアをみっちりと埋めたすでに汗だくのBONERが大きな歓声で応えていく。JESSE(Vo/Gt)もまた、"こちとら、骨から気合い入ってんだよ"とのっけからフル・スロットルだ。どんなバンドでも、ツアー初日は格別なものがある。時に初日ならではの緊張感と、気合と興奮でメーターがバグって空回りするなんていうこともあるが、この日のThe BONEZはこのペース配分で大丈夫なのかと思うくらい振り切れっぱなしだった。観客もそのエネルギーを加速させることで必然的に会場の一体感、高揚感の濃度がぐんぐんと上がっていくわけだが、そこで放たれる「We are The BONEZ」の爆発力は最高だ。

活動休止、そしてコロナ禍で試行錯誤の活動が続いたなかで、2021年に2年ぶりの全国ツアー"We are The BONEZ Tour 2021"の開催と同時に配信リリースとなった「We are The BONEZ」。The BONEZとBONER、かかわる人すべてのアンセムとなるこの曲が、会場一体のシンガロングを巻き起こす日を、バンドも観客もどれだけ待ち侘びたか。中盤のMCでT$UYO$HI(Ba)が"(コロナ禍の)3年間、本当に待ったよね。みんな、ありがとう"と語り、JESSEは終始灼熱のフロアに"こうなることはわかってたけどね"と笑顔を見せ、ZAXと共に"これがこれから50本続くなんて幸せだ"と、ここからのツアーへの思いを語った。

温かな思いをまっすぐに伝える「For you」や「You and I」、また「Dreamer」ではよりアグレッシヴなバンド・サウンドで、今回のアルバムの中でもエモーショナルな「I'm on my way」は美しいメロディで心の内を紡ぎ上げるように、そしてミディアム且つシンプルなナンバーだが今後、会場の大小にかかわらず心に火を灯す壮大なアンセムへと成長をしていきそうな「Here we are」など、アルバム『Yours』のライヴでの威力を存分に発揮したツアー初日。ここから2024年頭までこの"47 AREAS"ツアーは続くが、この日のステージでは早くも初の東名阪ホール・ツアー"LIVE TONIGHT"の開催が発表された。昨年も行った対バンによる"LIVE TONIGHT"シリーズが今回初めてホールでの開催となる。コロナ禍での人数制限や立ち位置指定ありのライヴでは、ライヴ慣れしたキッズには物足りないものがあったかもしれないが、そのぶん、普段なかなかステージ前方では観れない家族連れや子どもたち、ライヴ初体験の人もThe BONEZのステージを味わえる機会でもあった。

そんなコロナ禍がもたらしたものも肯定して、新たなBONERの広がりを形にしていくのが今回のホールでのシリーズとなる。この日のライヴにはT$UYO$HIの息子が友だちを連れて観に来ており"勉強だけじゃなく、こういう遊び場があることをみんなで教えてやってくれよ"とMCをしたが、この"47 AREAS"はもちろん"LIVE TONIGHT"でも新たなフロアの景色が広がっていきそうだ。

アンコールはなし。しかし全力で駆け抜けて、会場に「We are The BONEZ」が流れ、観客が大合唱するなか、名残惜しむように挨拶をし、しまいにはメンバーが次々にフロアへと飛び込んでいく盛り上がりとなったツアー初日。それぞれにキャリアを重ねてきたうえで、The BONEZとしてスタートして10年。バンドの楽しさを全身で伝えてくれる姿が眩しい。

  • 1