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INTERVIEW

The BONEZ

2018.05.08UPDATE

2018年05月号掲載

The BONEZ

Member:JESSE(Vo/Gt) NAKA(Gt) T$UYO$HI(Ba) ZAX(Dr)

Interviewer:TAISHI IWAMI

The BONEZのニュー・アルバム『WOKE』がすごい。"理屈抜き、とにかく聴け"という言葉だけであえて締めたいくらいに。音楽が好きで始めたバンド。オルタナティヴ・ロックやメロディック・パンク、ハードコアにヘヴィ・メタルからダンス・ミュージックまで、当然様々なリファレンスのもとに成り立っているわけだが、既存のジャンルでは判別不能な音楽がそこにある。かといって、決して奇をてらうようなものでもない。発展を続けるテクノロジーに対して、色の異なる人間たちが結束し、フィジカルを駆使して鳴らすからこそのバンドの魅力はよく語られる話だが、それをすでに理解していると思っているあなたもきっと、そのもっと根っこにある真価に気づくことだろう。では、彼らはなぜ、そこまでのサウンドに到達したのだろうか。

-アルバム『WOKE』を聴いてまずは率直に、ヤラれました。録り終えての感触はいかがですか?

JESSE:ヤリにいきました。最高です。

NAKA:前作『To a person that may save someone』(2016年リリースのフル・アルバム)でできなかったこと、やり切れなかったことを、『WOKE』では生かせたように思います。

-それはサウンド的なことですか?

NAKA:いえ、個人的な気持ちの部分です。俺はThe BONEZにあとから入った(※2013年10月に加入)から、前作がレコーディングに参加した最初の作品だったんですけど、エゴを出しすぎたような気がしてたんです。"これ俺っぽくないからやらない"みたいなことを平気で言っちゃうようなタイプで。

-今回はメンバーに寄り添うことができたと。

NAKA:前作ではそんな感じで、みんなに相談するのではなく、自分の中で決まったことだからと報告して、ボツにしていたんです。完全にわがまま。後悔はしてないんですけど、もうちょっとみんなの意見を聞いてやってたら何か変わっただろうなっていう気持ちは、今回に生かせたと思います。

T$UYO$HI:でもそれはNAKAの主観で、俺らはエゴが強すぎるなんて感じてなかったけどね。それがThe BONEZのノリというか。

ZAX:NAKAなりの思い入れだよね。

-ZAXさんは、作品を録り終えていかがですか?

ZAX:もう最高ですよ。今の俺たちにできることがギュッと詰まってます。

-まさしく、ロックだからこそ、バンドだからこそのアイデンティティがぎっしり。そこにあるエネルギーは桁違いだと思いました。今作では何か意識的に新しいことにチャレンジしたのでしょうか?

ZAX:特にそういう気持ちはなかったですね。寄せる行為よりも、自分たちがカッコいいと思えるものだけでよくねぇかって思って。それが一番伝わると思うんで。

-"寄せる"というのは、時代の流れとか、そういうことですか?

ZAX:ですね。だから"○○っぽく"ないと思うんですよ。すごくThe BONEZらしいサウンド。ジャンルレスというよりも、ジャンルがThe BONEZと言えるようなものになったんじゃないかと。

NAKA:それぞれの個性のバランスが"The BONEZらしさ"だと思うんです。例えば俺とZAXは、新しいことをやろうとかそういう気持ちはなかったんですけど、ツヨぽん(T$UYO$HI)にはあったんじゃないかな?

T$UYO$HI:ない(笑)。今回は意識的に、サウンドの幅を広げようとか、新しいことをしようとは思わなかったなぁ。

-ということは、それまではあったということですか?

T$UYO$HI:『Beginning』(2015年リリースのミニ・アルバム)のころは、悔しかったんですよね。PTP(Pay money To my Pain)が活動できなくなって、でもこうしてThe BONEZというバンドを始めることができて、NAKAが入って、そのころはこのメンバーでステージに立てることがただ嬉しかった。フェスに出れば、何年か前に一緒に出てた連中が"おかえり"って言ってくれるのも。でも、後輩って言うのも変ですけど、そいつらが俺らより大きいステージで人を集めてやってるわけで。

-PTPでは、その大きなステージに立てていたことは関係していますか?

T$UYO$HI:RIZEとPTPのメンバーなのに、ということではなく、"JESSEは、こうして歌も歌うんだぞ"とか、"俺とカンちゃん(ZAX)はこんなにキャッチーな曲もやれるんだぞ"とか、ふたつのバンドのメンバーが集まってやってる新たなThe BONEZというバンドを確立したかったから、その可能性を伸ばすことに対する意識が強かったんです。

-それが今回はなかったんですね。

T$UYO$HI:時代性も意識していないし、今っぽさみたいなのも、サッとひと振りふた振り粉はかけてるんですけど、そういうことも含めて、自然とみんなの中から出てきたものをまとめ上げただけというか。

NAKA:わかる。前回は無意識に凝り固まっていたかもしれない。俺の場合は、ジャンルに括られるのは悪いことじゃないけど、一様に"ラウド・ミュージック"とひと括りにされるのが嫌で、そこに対する抵抗はあったような気がする。でも今は、考えすぎだったって思えるようになったし、めちゃくちゃリラックスしてやれたから。

T$UYO$HI:そうだね。過去最高にリラックスできた。神経をすり減らしたとか"やっと終わった!"とか、そういう感情がない。音源はできました、じゃあライヴが待ってるよっていう、ライヴも含めたセット中の、音源という作業が終わっただけに過ぎないんだよね。