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LIVE REPORT

KYONO

2022.12.09 @渋谷Spotify O-WEST

Writer : フジジュン Photographer:Toyo、かわどう、オカベメイ

圧倒的エネルギー、圧倒的破壊力。KYONOが2021年12月に開催した、アルバム『S.A.L』リリース・ライヴ以来、約1年ぶりとなるワンマン・ライヴを敢行した。2018年リリースの1stアルバム『YOAKE』、2020年リリースの2ndアルバム『S.A.L』収録曲に加え、初披露となる新曲も披露。最新型のKYONOが見える圧巻のステージで、オーディエンスを魅了した。

オープニング・アクトとして登場したのは、八王子発5人組ラップコア・バンド HOTVOX。気合十分、勢い漲るハードコアなステージで全6曲を駆け抜けた彼ら。オーディエンスを大いに沸かせ、フロアがしっかり熱を帯びたところで、いよいよ本編へ。SEと大きな拍手に迎えられて、DUTTCH(Dr/UZMK)、HIROMITSU(Ba/AIR SWELL/OXYMORPHONN)、KAZUYA(Gt/BOMB FACTORY)とKYONO BANDのメンバーが定位置につくと、KYONO(Vo)がゆっくりとステージに登場。『YOAKE』の1曲目でもある「EQUAL SOCIETY」でライヴの幕を開ける。

DUTTCHの激しく正確なビート、HIROMITSUの野太い重低音にKAZUYAがザクザクとリフを刻むヘヴィで攻撃的なバンド・サウンドに、KYONOの男気溢れる力強いシャウトや歌声が映える。超個性的且つ技巧派揃いのメンバーに囲まれながらも、強烈な存在感を放つKYONOにパンク・レジェンドたる所以と風格を改めて感じた。「DOMINATION」、「INFLUENCE」と『YOAKE』収録の激しい曲が続き、序盤から容赦なしの全力のステージを見せるKYONO。ヒート・アップしたオーディエンスが、大きく身体を揺らして拳を突き上げて応える。

"来てくれて本当にありがとうございます"と短い挨拶を挟むと、「DRIVE」、「WIPE OUT」と『S.A.L』収録の高速ナンバーを叩き込み、フロアの熱量をさらに上げると、"約1年ぶりのワンマン。1stからもバシバシやっていこうと思います"と「FLY!!!」、「SUN IN CLOUD」を連続投下。激しくドラマチックに壮大に、緻密に構成された楽曲たちが、熱と魂のこもったライヴ感をもって聴く者の心に迫り、オーディエンスに興奮と熱狂を与える。KYONOの独創的な楽曲たちは音源でも十分楽しめるし、気持ちをブチアゲてくれるが、この圧倒的なエネルギーと破壊力は、生のライヴならでは。

「S.A.L」、「STUCKED SYSTEM」と『S.A.L』収録曲が続いた中盤戦は、「IN THE MORNING」、「SAILING THE LIFE」とメロディックな曲が続き、ヴォーカリストとしての多角的な魅力を見せる。続いて、"SNSとかで言ったんですけど、今日お披露目の新曲をやりたいと思います"と告げると、ゲスト・ヴォーカルのN∀OKI(ROTTENGRAFFTY)をステージに呼び込み、ドラムのカウントから新曲「2bRaW feat.N∀OKI」が始まる。

ヘヴィでダイナミックなビートとゴリゴリの極悪サウンド、まくし立てるように強烈なブローを撃ち続ける2MCで、攻撃力は2倍。ところ狭しとステージを暴れ回ってフロアを煽りまくるN∀OKIに、オーディエンスは両手を突き上げて応える。会場に大きな嵐を起こしたN∀OKIが"おおきに!"とひと言告げて去っていくと、間髪入れずにステージに呼び込まれたのは、同じくゲスト・ヴォーカルのJESSE(RIZE/The BONEZ)。

異常なほどのテンションの高さで登場したJESSE。"(ライヴが)終わっちまうぞ、お前ら!?"とオーディエンスを煽るように叫び、始まった曲は、本編ラストとなる「BREED feat. JESSE (RIZE / The BONEZ)」。KYONOとマイクを繋ぎ、楽曲の推進力をグイグイ上げていくと、サビで大爆発。アグレッシヴな歌とパフォーマンスで会場に再び大きな嵐を起こし、この日のクライマックスを生み出す。最新型のKYONOが見える圧巻のステージと、この日しか観られないスペシャルなアクトに大満足のオーディエンス。本編終了後、鳴り止まないアンコールの拍手に、再びKYONOとメンバーがステージに登場する。

アンコールでは、オーディエンスに感謝を告げると、"この曲からソロが始まりました"と、すべての始まりの曲である「YOAKE -KYONO Ver.-」を披露。たっぷり気持ちを込めた激しくエモーショナルな歌と演奏が、グッと胸に迫る。アンコールのラストはN∀OKIとJESSEを再びステージに呼び、「ONE WORLD」でフィニッシュ。たっぷり余韻の残った会場には、オーディエンスの拍手がいつまでも鳴り響いた。

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