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LIVE REPORT

RIZE

2017.12.20 @日本武道館

Reported by 杉江 由紀

夢に絆、そして愛。言葉にしてしまえばどこか嘘くさくもなりがちなそれらが、この夜の日本武道館の中には濃厚なほどのリアリティを漂わせながら、いっぱいいっぱいにまで充満していた。2017年に結成20周年を迎えたRIZEが、ここまでに着実な足取りで実践してきたツアー"RIZE IS BACK"のファイナル公演。その晴れの舞台として彼らが日本武道館を選んだのには、なんでもそれなりのわけというものがあったようなのだ。"20年前に新宿LOFTのイベントで、俺とあっくん(金子ノブアキ)がまだ15歳、16歳のとき、この日本武道館の舞台に出させてもらったことがあったんですけど、その当時は誰も俺らのことなんか知らなかったし、単に「あぁ、かわいい子だね」ってあしらわれました(苦笑)。実は今日のこのステージの造りは、そのときとまったく同じです。あのときはほんとにすごく悔しくてさ。「バンドを組んで、いつかここ(武道館)を俺らのファンで埋めてやる!」っていう気持ちで始めたのが、このRIZEです。今日はここで20年目の約束、果たせました。ありがとう! 夢は絶対に叶うっていうことを、俺らは証明していきたいと思います。(中略)これがジャパニーズ・ロック・バンド RIZEだ!"大挙して詰め掛けたRIZERたちを前にして、自らをメッセンジャーと称するフロントマン JESSE(Vo/Gt)が、すべての楽曲演奏を終えたあとに吐露したこの言葉の中には、まさに万感の想いが託されていたと言っていい。たしかに、他ならぬ筆者自身もかつていち観客として通っていたPINK CLOUDのライヴのなかで、舞台袖に陣取りながら音に合わせピョンピョンと楽しそうに飛び跳ねていた少年時代の"彼ら"の姿を見つけては、"かわいいなぁ"と感じていたうちのひとりではあるのだが、あれから相当の時間が経った今......もはやそこにあのころの幼い面影を感じることなど、あるはずもなかった。

なんといっても、今回の武道館公演は最新アルバム『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』収録のタイトル・チューンから始まりつつも、全体としてはこの20年の歩みが凝縮された構成となっていたため、全編からRIZEがロック・バンドとしてここまでに身に着けてきた貫録や度量、さらには力強い底力が音として遺憾なく発されていたのだ。人心を惹きつける存在感に裏打ちされたJESSEのパフォーマンスに、揺るぎなく信頼性に富んだプレイでバンドの土台を固めていく金子ノブアキ(Dr)のリズム・ワーク、自由奔放な雰囲気を纏いつつも高度且つ精緻なテクニックでサウンドをドライヴさせるKenKenのベース・プレイ。ニュー・ファミリーとして紹介された、技巧派サポート・ギタリスト Rioと共に3人が繰り出してくる音像はただひたすらに圧倒的で、聴く者のテンションをどこまでも高揚させていくようなヴァイブスに溢れていたのである。

また、今宵のライヴは20周年の祝いの場ということもあり、中盤では豪華ゲストが続々と登場することに。2010年公開の映画"ボックス!"の主演俳優であり、その主題歌「LAUGH IT OUT」にも参加していた市原隼人。2003年に発表された8thシングル『VIBRATION』にて、絶妙なコラボレーションを展開したDef Tech。2008年に出たシングル『Live or Die』のカップリング「Break your self」におけるフューズが、やたらと革新的だったラッパ我リヤ。2002年、JFN "FMフェスティバル"キャンペーン・ソングとしてCD化せずラジオのみでオンエアされた「I CAN'T LIVE WITHOUT MY RADIO」で、JESSEと刺激的なコール&レスポンスを聴かせてくれていた大御所 Zeebra。新たなるベスト盤の1曲目に入れる予定だという新曲にて、興味深い共演を果たしているFIRE BALL。そして、6thアルバム『K.O.』に収録されている「火事と喧嘩は江戸の華」で火花を散らしあったE.D.O.。計6組ものアーティストたちが、RIZEの20周年という節目に華を添えてくれたというのは、ひとえに彼らの人徳ならぬバンド徳によるものだったとも言えよう。

そればかりか、今回のライヴではhideのカバー曲「ピンク スパイダー」やPay money To my Painへの想いを馳せた「日本刀」なども披露し、結果として"RIZEがRIZEとして成長してきた過程と、その背景にあったものや出来事たち"までが審らかにされたというわけだ。そうそう。審らか、と言えば。この夜アコースティック・スタイルで歌われた「missing you」の途中には、JESSEから"僕、再婚しまして。男の子を授かりました"という衝撃のサプライズ発言も......! "日本中のFMに、ライヴハウス、バンドマン、そしてRIZER。今年は俺らにとって本当にいい1年になりました。ありがとうございます。俺は一生、この旗を下げるつもりはねぇからさ。これからもついて来てくれよ!"この場に居合わせた誰もを笑顔にしながら、アンコールの締めで歌われた「NAME」の歌詞のごとく。RIZEの未来はきっとハッピーでピースフルなものであるに違いない。彼らの輝かしき20年と、これからの眩しき未来に乾杯!

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