DISC REVIEW
-
"カミナリが鳴る 大都市東京そこから変わる"。2000年にEPIC Records Japanからリリースした1stシングル『カミナリ』で、RIZEは高らかな一撃を食らわせた。3ピースのミニマムな編成ながら、バチバチとエネルギーを迸らせた獰猛なミクスチャー・サウンドで世の中を駆け回り、ロック・バンドとして凛とした(でもかなりやんちゃな)無敵感に溢れた姿を見せつけたのは、鮮烈だった。結成から20年となる今年、7年ぶりのアルバムとなる今作で、RIZEは最強のエネルギーで巨大カミナリを落とす。デビュー時とメンバーは変わっているが、今やこの3人でしかありえないし鳴りえない"最狂"の布陣で、地を揺らし轟音を響かせる。懐かしさに浸る隙など1ミリもないくらいに、最新鋭の衝撃だ。金子ノブアキ(Dr)とKenKen(Ba)によるビートは様々な音楽を呑み込んで変幻自在にうねっているが、その最たる曲が「JUSTICE」や「COLOURS」。今様のラウドやヘヴィネスの硬質ビートとは異なった、しなやかな筋肉や血流みたいなものが、曲を脈打たせ、JESSE(Vo/Gt)のラップを全方位で輝かせる。みっちりと密なサウンドだが、しっかりと曲に風が吹いている。この空気感が、曲の景色を広げ、難なく聴き手を取り込んでいってしまうのだ。単にキャリアを重ねた貫禄とも違う、これが"バンド"RIZEのマジカルな魅力だろう。 吉羽 さおり