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INTERVIEW

ROTTENGRAFFTY

2013.06.20UPDATE

2013年06月号掲載

ROTTENGRAFFTY

Member:NOBUYA (Vo) NAOKI (Vo) KAZUOMI (Gt/Prog) 

Interviewer:荒金 良介

-以前に取材させてもらったのは、キング・レコード時代になるんですけど、あの頃を振り返っていかがですか?

NAOKI:若かったこともあるし、俺ら自身よくわかってなかったっちゅうか。

KAZUOMI:真新しいことばかりでしたからね。今思えば、地に足が着いてなかった。まあ、10年後に今日のことを振り返ったら、まだ若かったな、と言ってるでしょうね。

NOBUYA:ヘンにメジャーのアーティストにならなきゃ、みたいな気持ちがありましたからね。そのせいで、自分の中にあるロック観が薄れてしまったり。で、離れた途端にそれを大人たちのせいにして……それはただ自分の技量がなかっただけなんですよね。その反省を踏まえて、今があるんで、ほんま人生と一緒やなって。

-メジャー時代はだいぶ肩に力が入ってた?

NOBUYA:個人的な話になりますけど、具体的に言うと、ポップにならないといけないのかなって。でも周りのスタッフが思うROTTENGRAFFTYの魅力って、もっと攻撃的なサウンドだったり、縦横無尽に暴れ回るライヴ・パフォーマンスに惹かれて、契約してくれたと思うんですよ。でも自分の器が小さかったので、理解できずにいたんかなと。

-NOBUYAさんの気持ちはバンド内でも察していたんですか?

KAZUOMI:特にNOBUYAはそうでしたね。今の時代はインディー/メジャーだろうとあまり関係ないところもあるじゃないですか。10年前ぐらいのメジャーのアーティストというと、また違う雰囲気がありましたからね。

-KAZUOMIさん自身はどうでした?

KAZUOMI:僕はね、どっちでも良かったかな。

-ははは、そうでしたか。

KAZUOMI:何も考えてないことはないけど、行けるんやったら行こうよ、ぐらいの気持ちで。 NAOKI:大前提に、飯食いたいというのがあったんで。このバンドを結成したときも、これが最後と思ってましたからね。とにかく、華々しくドーンと行きたかった。“それやったら、メジャーに行ったらええやん!”って。僕らは時代的にバンド・ブームを見てきたんで、お互いにメジャーに行って、ドーンと咲いていくみたいな。そのイメージが強かったですからね。

-自分たちが思い描くアーティスト像とのギャップも感じました?

NAOKI:そうですね。あと、異常に周りのスタッフが増えたんで、それに戸惑った部分もありましたね。

-当時インディーからメジャーに進出したバンドって、どうしても力が入ってましたからね。

NAOKI:行かな!みたいなものはありましたよね。

KAZUOMI:その気持ちやパワーも大事ですからね。当時は周りが見えてなかったり、自分たちのやりたいことが今よりもはっきり見えてなかっただけで。

-自分たちの方向性がクリアに見えてきたのは、いつ頃ですか?

NAOKI:それは今のレーベルに移ってからじゃないですかね。契約が切れて、4年間CDを出せなかった時代にライヴばかりやって、ネットや音楽のダウンロードうんぬんも含めて、ライヴが物を言う時代になったじゃないですか。

NOBUYA:新曲を発表する場所がライヴしかなかったですからね。自分たちを宣伝できるツールがライヴしかなかった。それでライヴに対する意識が変わったんですよ。

-そうなると、曲作りも変わってきました?

KAZUOMI:楽曲の方向性も、ライヴをしたいから作るみたいな。それまでは音楽を作ることが好きで、この世界にいたと思うんですけど……それが1回リセットされて、自分たちはどうしていこうと。で、まずライヴがある。そのライヴを良くしたい。じゃあ、ライヴでこんな曲が欲しい、あんな曲が欲しい、それが今も続いている感じですね。

-あえて極端な言い方をすると、音源ありきのライヴから、ライヴありきの音源という順番になった?

NAOKI:そうっすね。

KAZUOMI:全曲そうじゃないんですけどね。今はほとんどの曲がライヴでやりたいから、という気持ちで作ってるんですよ。でも昔は全部がそうじゃなかったから。もちろん、それがいいと思って出してたんですけど、目的という意味では今の方が定まってるのかもしれない。昔はミュージシャンになりたいという感覚が強かったけど、今はバンドマンという感じですね。どっちが良い悪いじゃないけど、何か違うと思うんですよ。

-言いたいことはわかります。以前のROTTENGRAFFTYは手先の器用さだったり、アーティスティックな面が前に出ていた印象を受けたんですよ。でも今はライヴを意識している、換言すれば、よりお客さんの方を向いて音楽を鳴らしている?

KAZUOMI:ほんまそうですね。そこが昔とえらい違いですね。ライヴでも一方通行ばっかりで、お客さんに伝わろうが伝わらないが関係なく“行けー!”というスタイルでしたから。今は来ているお客さんに喜んでもらえたり、テンションが上がってもらえることを望んだ上での“行けー!”になってますからね。