DISC REVIEW
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前作『PLAY』から約4年。20周年を経て地道な活動を積み上げてきたROTTENGRAFFTYが、満を持してニュー・アルバムをリリースした。今作は、20周年のシングル曲でファンの間ではすでにおなじみの楽曲「ハレルヤ」をはじめ、スマホ対戦ゲーム"A.I.M.$"とのタイアップ曲でもあるデジタル・シングル「永遠と影」なども含め、ここ数年の彼らの動向がギュッと凝縮されたような1枚となっている。ヘヴィでありながら、お祭り感もありダンサブル、和のテイストもあるメロディが印象的なキラーチューンの「ハレルヤ」を皮切りに、新曲「秋桜」も疾走感満載のバンド・アンサンブルの中に哀愁漂うメロディという、ロットン節の光る楽曲が続く。そして、アルバム中盤には「ハロー、ハロー」のようなしっとりとしたナンバーや、ドラマチックな「It's Alright」のような言葉ひとつひとつの重みをじっくりと味わえる楽曲も。さらには、スカ調の「相殺微量サイレンス」、ハードコアもメタルもEDMもスカも哀愁歌謡も詰め込まれた「永遠と影」と変化球を飛ばして、最後は王道感のあるラウドロックでしっかりと締めてくれる。改めて、ROTTENGRAFFTYというバンドの多彩な表情と、独特なセンスに驚かされる作品だ。 山本 真由